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夢の中での体験記  作者: 秋山 梢
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強制接待終了後ベッドへGO

 私は行き遅れの30代こうh(割愛)某企業受付。

 受付といっても行き遅れの私の顔面偏差値はそこまで高学歴というわけでもないので、当然の如くカウンター等の表に出る様な場所での勤務ではない。パーテーションに区切られた2m×1mのデスクが私の職場で電話とPCが私の相棒だ。

 勤務時間は朝8:00~17:00。女性社員(結婚退職前提という立場)で見ればなかなか良い環境なのではないかと思ったりもするが、生憎今まで生きてきて恋人等というモノに縁のない私にとっては、残業などもめったにないので収入増額も叶わない、退屈な職場でしかない。


 今日も普通に業務が終わり、さて帰ろうとPCシャットダウン状況の確認(以前にPC落とさず放置していたらハG・・・上司に見つかり怒られた)していたらハゲに呼ばれた。

「綾瀬くん、今晩時間ある?」

 すみません。ありません。

「結婚もしていないんで空いてるよね。」

 うるさいハゲ!

「ちょっと他に女の子捕まらなくて君に接待に行ってもらいたいんだよね~。」

 語尾を伸ばすな!キモイ!あと、他の子ってみんな合コンだよ!岸本さんなんて20代最終年度って張り切ってブランドスーツで行ったよ!私はすでにアキラメタヨ。。。

「良いよね~?」

 いやです。

「すみません。課長。私も本日は帰らせてもらおうかと。。。」

「ふーん。そうなんだー。何か予定があるの?」

 プライバシーに踏み込むな!私以外にはセクハラ(私以外の女性メンバーは岸本さん29歳以下)だぞ!

「一人暮らしなので。。。」

「なら丁度良いじゃない。今回の接待はご飯食べに行くだけだって考えればご飯代浮くでしょ?」

 お前の頭の中の私は就業後ご飯食べたら寝るだけの人間なのか!?

「どうせ会社のお金だし好きに使っちゃいなよ。2次会までは10万は出るんだし。」

 お前か!経理のミヤちゃん(沢田みやこ25歳。合コン主催)が言ってた接待費ハンパねぇの犯人もしくは共犯は!!


 そんなこんなで縦社会の底辺たる私はハゲ主催の接待に連行された。


 接待の内容は割愛する。顔面神経痛になりそうなほど仮面笑顔を貼り付けて終了したとだけ言っておこうか。そしてサラダとアルコールしか摂取していない私は負け組ではないだろうか。。。

 ちなみに二次会まで強制参加ではなかったのでタクシーで帰宅(領収書もきっちり会社の名前でもらいました。出るかどうかは知らないけどね)。

 築15年くらい?のマンション4階、404号室。私の部屋に到着したのは10時を過ぎた頃だった。

 最低限の身だしなみを整えつつメールチェック。

「5人中3人お持ち帰りか。。。。」

 ちっくしょー。。。酔ったふりでホテルに行くとか高等技術過ぎる!!岸本さん、今回張り切ってたのに残念でした。やっぱり今回の合コンでブランドモノでもスーツはないよ。相手はまだ大学生だよ・・・・・・

週明けに慰めてあげよう。

 シャワーを浴びつつ鏡を見る。

 うん。相変わらずぼんやりの私の顔だ。一重のタレ目で鼻と口が小さい割に髪が多いからもっさりさん。小学生の頃おたふくさんなどと言われて本気で切れて、言った男子数人をぶん殴って泣かしたことがある。未だにそのあだ名は小学生時代の同窓会に出席すると言われる、私にとっては割合トラウマネームだ。

 私の名前は綾瀬一二三。花も枯れたアラフォー様だ。

 一通りの家事をやり終え、ベッドに入ってお気に入りのファンタジーノベルを開く。

 しかし。。。アルコールが原因かどうかわからないが、文字が歪む。

 頭がぼやける。


 私は本を抱いたまま夢の中へ落ちていった。


※多量のアルコール摂取後の入浴は控えてください。体温上昇による血行促進で全力でアルコールが血液で運ばれます。


  




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