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追憶


わたしの生まれた家は、とても貧しい家でした。


築ウン十年のオンボロ一軒家に家族10人+おっさん×1+犬1匹暮らし。


両親2人、妹4人、弟3人、屋根裏部屋に住み着いてるおっさん1人、


そしてわたし。


ご飯は3食白ご飯と漬物。


服はお下がり。


贅沢は出来ませんでしたが、今思えば悪くない生活だったです。




しかし3年前、父が失踪してからは


ご飯は3食パンの耳。


服はツギハギ。


さらに母が体調を崩し、寝込んでしまいました。


まだその頃学校に通っていたわたしはバイトに明け暮れました。




しかしある時、ピザ屋のバイトで配達に行った家で…


ぺンポーン


「すみませーん、ピザお届けに参りますたー」


『はーい、今出まーす』


ガチャ


「こちら、お熱くなっておりますのでどぅえええええええええ」


「あ、どーも、どぎょええええええええええ」





出てきたのは、学校の教頭先生でした(ヅラなし)。


ビックリ仰天したわたしは

教頭の顔面にパイ投げし、逃亡。


しかし顔はばっちり覚えられていたようで、即・退・学。



バイトもクビになり、


しろやぎ家の生活は…


ご飯は3食雑草。


服は原始人。


さらに、


「ゴルアァアアアアアアアアア!!!

借金返せェエエエエエエエエエエ!!!!!!」


一日中家の周りを借金取りにうろつかれては、

ご飯(雑草)も食べられません。


食料は底を尽き、溜めた雨水を飲む生活(水道やガスも止められました)。


「もう…だめ…」


遂に力尽き、わたしは倒れました。


薄れゆく意識の中で、目に入ったのは

一冊のノート。


学生時代、使っていたノートでした。


無意識のうちに手に取り、ページをめくります。


数ページ目まで授業の内容と落書きがあり、

それ以降は白紙です。


わたしは、空白のページを一枚破りました。


それを半分、そのまた半分に破り、




口の中に放り込みました。




舌の上で転がし、噛みます。


味はありません。


噛み千切ることは出来ません。


異物感。


飲み込もうとし、えづきます。


なんとか飲み下し、息を吐きます。





これは、初めて紙を食べた時の記憶──








景色のように流れていく、わたしの記憶。


これは夢…?それとも…


意識が遠のく…


もっと紙…食べたかった…な…












「って死ねるかああああああ!!

3部目で終わってたまるかああああああああああ」


がばっ


「この世に紙がある限りィイイイイイイィ!!!

わたしは何度でも蘇るううううううう!!!!!!」


この世の紙を食べ尽くすまで、

わたしは死なない!!





「───って、あれ?」


気が付くと、(うっ)(そう)とした森の中。


ぎゃあぎゃあと不気味な泣き声が響きます。


…なにここ…なんか出そうなんですけど。いや、フリじゃないですよ?


踏ん反り上司のオフィスから一転、

周りの景色は生い茂ったジャングルに変わっていました。


あー、空気がおいしい。


「っていうかここ、何処でしょう…」


上を見上げると、葉と葉の間から、光が差し込んでいます。

どうやら、まだ昼のようです。


しかし背の高い木々に囲まれ、空がとても遠くに感じます。


その時、



ガサッ



明らかに、何かが(うごめ)いた音。


背中にひやりとした汗が流れます。


ざわざわと揺れる葉、鳴き声、冷たい空気──


そして、背後に感じる、何かの気配。


意を決し、振り返ろうとしたその時───














『次回へ続く!!』



「なんでやねんっ!!!!!」


一向に話が進まなくてごめんなさい。

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