え、テンプレ、なにそれおいしいの?
俺は折本 娑仁、という。正真正銘男だ。……よく女と間違えられるが。
まあ、俺の容姿の問題もあるのだろう。
なにせ俺は肩甲骨の下辺りまで伸びた黒髪を一本に結んでいるからな。
ちなみに言っておくが、これは俺の趣味ではなく、親の趣味だ。勘違いするなよ。
それに……俺にとっては失礼極まりないのだが、女顔……らしい。
今まで男に告白されたこと七回、女に告白されたことゼロ回という悲しいものだ。
一応いっておくが俺にその趣味はない。ちなみに七人中男だと知っていて告白した奴は、五人だ。
もちろんその後全治半年程度に痛めつけてはおいたが。
俺についてはこのくらいでいいだろう。そしてここからが本題だ。
俺は死んだ。
おそらく神の間違いでもなく、事故でもなく、殺されたのだ。なぜか?
それは俺も知りたい。なにせ歩いていたらいきなりグサッ、それで終わりだ。
まったくもってわからない。そしてきっとこれは魂の状態なのだろう、その状態で
見たところ、そこには誰もいなかった。それならなぜ俺は刺されたのだろう。
考え続けてもう三時間はたったと思う。しかし答えは見つからない。いや、それより
どうして俺はこんなところで一人ぼっちなんだ?誰もいない。一人が怖いわけでは
ない。むしろ好きなほうだ。だがこんなところにこんな状態でいることに不安を
感じないかといわれれば感じる。さて、どうしたものか。
その瞬間、俺にとっては最高に待ち望んでいた瞬間がきた。
白い光に包まれて……ポンッ。俺は目を開けると……あれ?
まさか。そんなわけが……。
俺が待ち望んでいたのは転生だ。今の俺をやり直したかった。
なのに……、現実は甘くなかった。俺は……
召喚されたのだ。まったく違う世界に。
……どうしよう。