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空気感染無責任社会

作者: 有坂総一郎

日本という社会は失敗から何も学ばないんだなと、最近はそう思う。


色々と調べ物をして考察したり検証したりしているのだが、この国の社会はどうも失敗や前例を見直したりどうしてそういう結論を出したのか、そういうことをしないのだと理解した。


例を挙げれば幕末維新の尊皇攘夷、尊皇は兎も角、攘夷なんてのは文字通り社会の空気がそうだったからああいう馬鹿げた真似をして列強相手に喧嘩売って下関戦争やら薩英戦争になった。


その次は日露戦争。勝った勝ったの連戦連勝気分だが、実際には満州での戦況は早く手打ちにしないとシベリア鉄道で更に動員されたら一巻の終わりだってのに国民世論は現実を見ず勝った勝ったで浮かれていて講和交渉に不満を持つ始末。挙げ句焼き討ちとか何考えているんだか。


お次は支那事変。軍部や政府にとっては手打ちにして仕舞にしたいが世論の都合上、手を引けない、無賠償で手打ちをしようとしても世論という空気が許さないから支那大陸への駐兵権というそれで国内向けには手を打とうとしているが蒋介石にとってはテーブルに着く条件になんてなりゃしない。挙げ句、米内が煽って近衛の阿呆が国民政府を相手とせずとか寝言言い出す始末。


そして日独伊三国同盟や日米開戦だ。あれだって同様でバスに乗り遅れるなという社会の空気がそうだったからで政治や軍が制御出来なくなって引き摺られた。軍の面子もあってやれないと言い出せない雰囲気で国民世論と迎合した青年将校やタカ派の突き上げで軍部も最早どうにもならない。


で、迎えた破滅。


戦後も同様にアカにかぶれて闘争と反米の繰り返し。または反戦平和の念仏を唱えて現実から目を背ける半世紀。落ち着いたかと思うと今度はバブルの熱狂で再度破滅。これで懲りたかと思えば、今度は小泉劇場というそれで失われた10年が20年30年と四半世紀のロスを生み出す。抵抗勢力は悪だの旗の下に規制緩和だ郵政民営化だとやってそれが結果として国家経済を傾けた。無論それ故に国民経済はマイナス成長だ。


で、今度は愛子天皇論、ウクライナ支援だ。そこにある主張に合理性や論理性、法の論理や国益なんてどこにも存在せず、お気持ちや感情論だけ。本当に薄っぺらい自己満足や自己陶酔、同調圧力があるだけだ。要は空気、空気読めでしかない。空気を読めない奴が悪で空気を読んでいる自分は正義という話だ。当然、そこには他者の考えや主張を許容する寛容さも理解もない。


帝王学ガーとか国際社会ガーというが、それについて論じられる奴なんてまぁいない。そこにあるのは尤もらしい他人の用意したカンペだからね。壊れた蓄音機も良いところだ。バスに乗り遅れるなとヒトラーと手を組んだ戦前日本と何が違うのかと。


ホント、この国は空気感染で何にも考えずに旗振る奴の後に付いていくだけの無責任社会だとそう思ったよ。


そらぁ、江戸幕藩体制が250年以上も安泰だったわけだよ。責任を担うべき存在(武家・商人)が曲がりなりにもそれなりに上手く国内統治をしていたんだから。そして大多数の民衆は日々の生活に専念していたんだから無責任でも問題なかった。


その幕藩体制の頭のまんまで文明開化後にデモクラシーなんて飾り物を与えられたら持て余すのは道理だろうよと歴史から学ばざるを得なかった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 同じ阿呆なら踊らにゃ損らしいからね。
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