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テンプレイヤーカエデ〜コドクノオウ〜  作者: いまむー
神と邂逅編
4/14

練習と本番






「………つまり純粋な自分の実力と運で5本勝負って事ですね?」




「はい。ついでに厳密に言えば

5本ではなく5投

ですね。外してもそのダーツは消化されます。




う〜〜ん やっぱ結構厳しいなこの人……




「……ちょっと質問なんですけど仮にダーツが同じ所に刺さったらどうなります?あるか分かりませんけど例えば剣術と剣術に刺さった〜とか」





ゴニョゴニョ


ゴニョゴニョ





〈スキルを司る神〉と〈称号を司る神〉が耳打ちする




「その時は上位の称号、上位スキルだったり派生スキルに交換するそうです」



「…………上位や派生があるって事はレベルや何らかの条件を満たせば成長をするって事ですか?」





ゴニョゴニョ


ゴニョゴニョ




「そうですねスキルにはレベルがあって使い方やレベルによって派生スキルが出たり条件を満たせば統合されたり上位スキルになります

称号に関してはレベルはなくてそれぞれに決められた条件を満たせば発現又は上位のものへ成長

という感じのようです。

いやぁ〜理解が早くて助かります。もしかして転生や転移の小説を書いた人って元々はスキルや称号がある世界の人なのかもしれませんねぇ」




ほぉ…その可能性もあるのか…

なら自分も転移先で逆にスキルや称号のない世界の小説でも書いてみるか……?

いや…スキルや称号が標準装備の人達からしたら確実に「いやいや!スキル使えば解決じゃん!」って評価で終わるな





「この感じだとやっぱステータスとかの概念もあるんですよね?」



「もちろんありますよ?えっ?第29世界ってステータスさえないんでしたっけ?それじゃあどうやって自分の仕事の適正とか仕事の難易度を決めるんですか?」



「…感覚…ですかね…?」



「はぁ〜そんなんでいいんですね…まぁそれで済むくらい平和って事ですかね…」





まぁ銃やら兵器やら轢かれたりやらで普通にオーバーキルされるって事があるんだけどね…




「あと投げたダーツが線の部分に刺さったらその時は線の左右のスキルや称号がもらえるんですか?」



「いえ その時はより近い方をダーツの矢とボードが自動判断してくれます。仮に中心に当てたとしてもより近いものを判断してくれるので大丈夫ですよ」




ちっ…対策済みか……しかも自動判断なんて無駄に高性能じゃねぇか……まぁそりゃそうだよな

…じゃないとみんな中心狙うだろうし…




「じゃあ矢とボードが判断出来ないくらいど真ん中だったら?」



「うーん…今までに何回とダーツ大会をして来ましたけど一回もそんな事なかったですからねぇ……まぁその時は特別にOKとしてもいいかもですね…」




よっし!!言質はとったぞ!!





「…とりあえず大体把握しました。

出来れば練習させてもらえませんか?流石に人生の今後を決めかねないダーツってのをぶっつけ本番でするのは緊張するんで…」




「まぁそのくらいいいですよ

ちなみにどの系統のボードに投げますか?

何投かづつボードを分けても良いですし全部1つのボードでもかまいません」




「…?こういのって系統を下手に分けると器用貧乏になるイメージなんですけど……?」



ゴニョゴニョ



「んー当たらずとも遠からずって感じですね」



「あれ?そうなんですか?」



ゴニョゴニョ


「平穏に暮らしたい、拠点をほぼ出ないというのであれ生活系、生産系

冒険をするのであれば戦闘系っていうのは確かなんですけど……

ごく少数なんですけど2つの系統のスキルを持つ事で初めて有効なスキルがありまして…」




「う〜ん……ど真ん中に刺さって3投で全てを手に入れるって可能性もありますけど取り敢えずは戦闘系に3投、生産1投、生活1投でお願いします」




「なかなか自信がお有りのようですね

わかりました。では左から生産 戦闘 生活に並び替えますね」




〈輪廻転生を司る神〉が指を鳴らすと左と真ん中のボードが入れ替わる

それを見届けると楓はダーツを手にして床にいつの間にか浮き出ていたラインに右足を揃えて左半身を引いてダーツを手にした右手を目線の高さに合わせ姿勢を取る




ふふふ…

トイ◯らスで2980円で買ったダーツを「これを俺の趣味にするんだ!」と思った中2の頃を思い出せ!!!!

うおおおぉぉぉぉぉ!!!!




























「ふぅ…まぁこんなもんですよね」





ダーツの矢は全て刺さっているが中心とは程遠い場所にバラバラに刺さっていた





「「ふっ…ざっとこんなもんですよ」みたいに言わないでくれます?…一応大穴狙いで中心狙うんじゃないんですか?」




「そう言われましても…」



いやいや自分のダーツの趣味は3日で終わりを告げたんだから全て刺さってるだけで御の字でしょ……




「では一応参考までに今当てたスキル、称号を発表します。

1投目 スキル奪取(スキルハント)

相手が所有しているスキルを奪うスキルです。」



「…は?」





「2投目 物理、魔法攻撃無効 です。

これは物理攻撃、魔法攻撃に対する絶対耐性です。



ゴニョゴニョ



「あっこれは理不尽なスキル(アブソーブスキル)だそうです。」



「ほぁっ!?」






「3投目は 一撃必殺 です。

これはどんな些細な攻撃にも一撃で必殺する効果を付与できます。


ゴニョゴニョ


「えっ?これもですか?これも理不尽なスキル(アブソーブスキル)だそうです。」



「んがっ!?」





「4投目は生産系の称号で〈服飾神に愛されし者(黒)〉 ですね

この称号を得ると自動で 服飾作成(黒) のスキルを会得します。これは(黒)が付いてますから黒い布や皮から作る服飾がその素材の質から考えて丈夫さやデザインが最高値で作ることが出来るようになります。



「ふぎゃっ!?」





「最後に5投目ですね。生活系の称号で〈ハーレム王〉です。

この称号の効果によりモテてモテてモテまくります。」



「んばばっ!?」





全身黒の洒落た服装で敵の攻撃を一切受け付けず相手のスキルを奪って敵を無力化し絶対一撃で敵を倒すモテモテ男ってどこの

"ぼくのかんがえたさいきょうのしゅじんこう"だよっ!!





「さぁ!!では本番行きましょうか!」



「ほんげえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!!

あのぉ〜今のを本ば



「駄目です。」



「いやぁ〜最高に美人な女神様!そこをな…



「 ダ メ で す ! 練習と言ったのは楓さんですよ?あれ?楓さん虫に転生希望でしたっけ?」



ぐぬぬ…最高に美人な女神様ってところだけは最後まで聞きやがって……



ゴニョゴニョ


ゴニョゴニョ



「……あら……そうなんですか?

2人もこの構成じゃおススメ出来ないって言ってますし そろそろ 本番を始めてください」



手で何かをしっしっと払うような仕草…

何か扱いが雑になってきたな



「正直服飾以外かなりいいのばかりと思うですけどおススメ出来ないんですか?」



ゴニョゴニョ


ゴニョゴニョ



「〈称号を司る神〉曰く《ハーレム王》はおススメ出来ないそうです。まずハーレムを作るなら甲斐性が必要ですし、上手くやらないと刺されたり刺されたり刺されたりするそうです。ちなみにこれは愛情表現なので物理攻撃無効は機能しません。」



ヒェッ…

刺されすぎな上になんで無効が効かないんだよ…あ、御都合主義ってやつか…




ゴニョゴニョ



スキル奪取(スキルハント)は生産系の別のスキルを最後まで育ててしないと使えない仕様らしいですね。 一撃必殺 と 物理、魔法攻撃無効 はそれに伴った称号を持っていないと発動しない仕様らしく えんどこんてんつ?的なものだそうです。」



「あぁ〜 じゃあこの構成だと戦闘のノウハウが身についていないしまともに戦う事も出来ないって事ですか?」



「そういう事です。さぁそろそろ本番お願いします。こう見えて忙しい身なので済ませないといけない仕事が溜まってるんです。



「わかりました…そろそろ観念します…」



とりあえず 物理、魔法攻撃無効 と 一撃必殺 の位置は覚えた…せめてどちらか1つは不条理なスキル(アフソーブスキル)を手に入れておいて将来的な保険を手に入れておきたい…



「はーい!ではルーレットすたーとぉ!」



「…………………は?」



さっきは回してなかったのに…この女神マジでいい性格してやがるわ…




勢いよくボードが回り出すのを呆れた目で見た楓は一度ため息を吐いて再びダーツを投げるために姿勢を取る






えぇぇぇいっ!ままよっ!






戦闘系にまず1投した矢は弧を描きボードに弾かれる事なく突き刺さった


1 2 8 番 です


おぉ…本番はアナウンスまであるのか



アナウンスを聞いた〈輪廻転生を司る神〉はどこぞから取り出した紙の束をめくり 数字に指を沿わせる


ゴニョゴニョ


〈輪廻転生を司る神〉が左右に立つ2人の女神に耳打ちすると


ぱちぱち


軽い拍手を2人の女神が楓に送る





第2投



3 4 1 番 です。



ゴニョゴニョ



ぱちぱちぱち



あ、さっきより少し拍手が長い





第3投


1 0 0 番 です


お、1投目と近いな



ゴニョゴニョ



ぱちぱちぱち



ふむ…2回目と同じくらいの長さ





4投目



3 4 8 3 番 です。



ゴニョゴニョ



「「おぉー」」



ぱちぱちぱちぱち



2人の神は頭上で拍手をすると共に感嘆の声を上げている



ス、スタンディングオベーションだと!?

これはかなり期待できるのでは…





最後の5投目は〈ハーレム王〉までいかなくても 少しでも異世界を謳歌するために モテる可能性が上がる称号を期待をして生活系のボードに投擲した



ゴニョゴニョ



「「あー……」」



2人の女神は額に片手を当て頭を振っている



えー…それって…





〈輪廻転生を司る神〉は両手の手のひらを勢いよく胸の前で合わせて音を鳴らす



「はい!ついに全てのスキル、称号が決まりました!ではでは転移を始めます!」



「えっ!?さっきみたいに教えてくれないんですか!?」



「まぁ今回はどうやらバランスもそんなに悪くないようですし 元々今までも教えていた訳ではないので向こうに着いてからのお楽しみ!ということで」




あぁ…そうなんだ…つー事は練習の時は良さげなスキルが揃ってたから教えやがったな…

しかも最後のヤツは確実にハズレな気がするし…




「まぁ…そういう事なら…最後に確認なんですけど〈発明を司る神〉様に発展に対して貢献して欲しいって言われたのはあくまでお願い事であって転移した世界で特に使命とか自分がしないといけない事とかないんですよね?魔王を倒して我ら人間をお救いください!とか卑劣な勇者から我が魔族をお救いください!とか」



「そうですね 特に()()()()()ないですよ?」




「わかりました!では自由気ままに異世界を旅して楽しませて頂きます!転移お願いします!」




「はい!では楓さんに良い出会いと良い人生を送られるのを祈っておきます!いってらっしゃいませ!」




3人の女神が手を振っているのを見て楓も手を振り返していると楓の視界が徐々に白い光に包まれて行く………





















徐々に視界がはっきりしていく



割と広い丸い部屋にいるようだ


2、3歩先には背を向けて立つ1人の男と3人の女


さらにその前にはこちらを向いて立つ女と6人の鎧を着た騎士…?


















「ようこそおいでくださいました!勇者様方!どうか私達人間を魔王の手からお救いください!!!」





「…は?」





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