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落としたのは妹ですか?   作者: 狼煙緑
家族 編
6/39

いえ、寝落ちです。現実も中々悪くない

 

 Q.眠れない夜はどうすればいい? A.妹のことを考える。


 どうもおはようございます。一晩中妹の事を考えて悶えていた新谷 良平です。

 昨晩とても嬉しいことがありました。なんと妹が俺をお兄ちゃんと呼んでくれたのです!

 未だに信じられない・・・実は夢なのではないか!? 夢なんだろう? 夢に違いない!

 まあ、寝てないので夢ではないですがね!!  げへへ~♡



「気持ち悪いです。そこまでにしてください兄さん」



 おおっと、愛しのマイエンジェル櫻子がいつの間にいらっしゃるではないか?

 浸りすぎてて気づかなかった・・・。俺としたことが何たる不覚!

 というか口に出ていたのかな? おっかしいな~。


「いやいや~、徹夜でさー、ついハイテンション?」

「なんで寝てないんですか!? 治るものも治りませんよ?」

「心配してくれるのか~。優しいな~櫻子は~♡」

「はぁ~、昨日は少しはカッコよかったのに・・・台無しです」

「もう一日入院してそのアホな頭を治してください」

「昨日とは打って変わっての対応!?」

「ほら? 昨日みたいにお兄ちゃん~て言いながら抱き着いていいのよ?」

「そんなことしてません!!」


 昨日の櫻子はすごかったなー。まさに神がかっていた。

 あれだったら兄ちゃん毎日入院してもいいかもしれない。


「あらあら、朝から仲良しね~うふふ」

「元気そうだな良平~」

「あぁ、親父居たのか?」

「居たよ! お前の退院の手続きをしていたんだよ!!」

「うふふ、その間、櫻子ちゃんが一人で病室に行っちゃって~」

「よっぽど早く会いたかったのね~」

「そ、そんなことないです! か、勘違いしないでください!」

「別に・・・早く兄さんに会いたくて、朝5時起きとかしてませんから!?」


 ツ・ン・デ・レ! キター――――ぁあああ!!!

 いや~櫻子は可愛いな~♡ 可愛すぎるな~♡ 

 どうしよう妹症候群警報を発令せざる負えない。その場合どうなる?

 やっぱり隔離? 隔離されんの? それはまずい! だが・・・ 


「ぐへへへ~~~♡」

「ホント気持ち悪いです。私もう先に行きます!」


 あらら、行ってしまった。もう少しこの時間を楽しみたかったが・・・


「おい良平、いつまでもアホ面晒してないで着替えて準備しろ~」

「はいはい」




 ◇◇◇




 時計を見るとお昼過ぎ、帰ってきましたマイホーム。


「なんやかんやで家が一番落ち着くなー」


 自室のベットで寝っ転がる。枕が俺にジャストフィット!

 これだよ! これ! 寝れなかった要因に枕変わった説あるあるだな!


「これで、ぐっすり眠れ・・・はぁ~あ」


 思わず欠伸がでる。こりゃ駄目だ、すぐ寝ちゃうやつだ・・・

 そう思った数秒後、視界がブラックアウトした。


 ~~~~~~~~~~~夢の世界~~~~~~~~~~~


「お兄ちゃん?」



「誰だ! 俺をお兄ちゃんと 呼ぶのは!?」



「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」



「おぉ! 誰だこの幼女? 櫻子に似ているな・・・」



「何を言っているのお兄ちゃん? 櫻子だよ?」



「Oh...ではこの目の前の純粋無垢のプリティーエンジェル幼女は櫻子だとでもいうのか!!?」



「お兄ちゃん~♡ だいーすき♡」



「なんなんだ!? この素晴らしい世界は!!? 」


 ホントになんだ! なんなんだここは!?

 わかったぞ!!!理想郷か!! これが噂の妹王国なんだな!? 

 ・・・・・・ってそうじゃないっー!!!

 おかしい! こんなの櫻子だが櫻子じゃないー!! 幼女だし


「おい! そこの幼女櫻子! 目的はなんだ!?」



「怖いよ・・・お兄ちゃん」

「すまなかったぁぁあああ!!!」


 条件反射で土下座していた。あれ? なんで? 

 まあ、考えるのは止そう。理想の妹がいる・・・それで充分じゃないか!


「櫻子~お兄ちゃんと遊ぼうぜ~」



「いいよ! じゃあ鬼ごっこ!」

「お兄ちゃんが鬼ね~!」



「なるほど~おにいちゃんだけに鬼ってことだな~」



「何それ~、おっかしーの~」



「あはは~そうかな~待て~待て~♡」



「あはははは~~お兄ちゃん~♡」



 こうして俺は夢の世界へ落ちていった。



 ~~~~~~~~~~~~現実の世界~~~~~~~~~~~~



 訂正。夢の世界ではなくベットから落ちていた。



「痛てて~、何なんだ・・・せっかくいいところだったのに」

 取り敢えず体を起こす。何気なしに時計を見ると時刻は22時を回っていた。


「もうこんな時間か・・・・」

 思っていたより眠っていたようだ。身体がなんとなく重い


「風呂でも入るか・・・」

 気だるげな身体をのろのろと風呂場へと足を運ぶ


「ん? 誰か入っているのか?」

 風呂場まで行くとシャワーの音が聞こえる。


「先約がいるのか? 仕方ない、リビングで待つか・・・」

 そう踵を返そうとしているとシャワーの音に交じり妹の声が聞こえる。


「~~♪」


「な、なんだ・・・・と」

 俺は気づいてしまった。明らかに女物の下着が足元に散乱していることを!


「これは・・・もしや・・・!?」

 タイミング的に考えてこれは櫻子のブラジャーとパンティー!? 間違いない!


「ど、どうするべきか・・・」


 バレたらまずいだろ? って俺は何を考えている!? 

 どうするべき? そんなの決まっている!!

 俺はあくまで紳士だ! こんなに散らかっているものを見逃せん!


「か、片付けないとな~」

 そう言い訳しながら、とりあえずパンティーを掴む


「温かい・・・だと」


 これが妹の温かさだとでもいうのか!

 素晴らしい! これは素晴らしいものだ!!

 これさえあれば、世界上の紛争などすべて解決するのではないだろう?


 パンティーを握りながら悟りを開いているとシャワーの音が止む。


「これは核に匹敵する抑止力になるんじゃね・・・」

「・・・何をしているんですか兄さん(殺意)」


 振り向くと鬼の形相をした裸の櫻子がこちらを気持ち悪そうに見ていらっしゃる!

 こうしてよく見ると中々の体つきではないか! 着痩せするんだな? 気づかなかったぜ!

 おおっと、そんなことは今は些細な問題だ! どう言い訳したものか?


「・・・はい、これ! 落ちてたぞ☆彡」

 茶目っ気たっぷりで言ってみた、これでどうだろう?


「・・・・・・」

 無言で受け取ってくれた! これは成功なのでは!?


「言いたいことはそれだけですか・・・?」


 言いたいこと? 言いたいことだと? なんだ? 何を求められている!?

 はっ! わかったぞ! 感想を聞いているのだな? そうに違いない! そうだよな?


「ナイスバディー?」

「死んでください!! この変態兄さん!!!」


 妹渾身のパンチが飛んでくる。

 どうやら正解ではなかったようです・・・ガク




 ◇◇◇




「ごめんなさい」


 落ち着いて考えた、正解は多分これだったのではないだろうか?

 まあ、だが遅い。誠意を示すため俺は土下座で頭を下げ続けている。


「悪気はなかったんだ! この通りー!!」

「・・・・・・はぁ」

「もういいです・・・頭を上げてください」

「本当にすまなかった!!」


 顔を上げると、いまだに鬼の形相をしている櫻子がこちらを睨んでいる。


「次はないですからね!」

「わかった! 肝に銘じておく!!」

「わかればいいです」

「私は部屋に戻ります。さっさと風呂に入っちゃってください。臭いますよ」

「マジか!」


 そういえば、昨日は風呂に入った覚えがない!!

 マジか!? 臭っているのか!!


「すぐ入る!!」

「土下座はもういいので、さっさと行ってください」

「わかった!」


 これ以上は居たたまれないのでダッシュで風呂場に向かう。

 通り過ぎる時、妹の豊潤スメルが匂ったが気にするのはよそう。

 身にまとった衣服を取っ払い。浴槽に浸かる


「いやー! 夢での妹も素晴らしかったが、現実の妹も最高だぜ!!」


本日の入浴はかつてない充実感でした。でへへ~




 ◇◇◇



 一方その頃、櫻子の部屋では・・・



「兄さんはホント信じられません!」

「私のパンツをどうするつもりだったのでしょうか・・・」


 私があの時発見しなければと思うと今も全身の毛がよだちます・・・


「それに・・・裸も見られました」


 ナイスバディーとか馬鹿なことを言って・・・ホント信じられません!

 そこは目を逸らすなり紳士的対応をして欲しいところです。


 ・・・・まぁ、多少気持ち悪いし、変なところはあるけれど

 困っている時には身体を張って助けてくれましたし、頼れるところもあります。

 だけども! だけどもですよ! 今回は変態が過ぎます! ひどすぎます!


「・・・・・・」

 だから、私は考えます。このモヤモヤをどうにかする方法を・・・


「そうだ! 兄さんが真人間になればいいんです!」


 我ながらナイスアイデアです! そうすればきっとモヤモヤする必要もなくなります!


「私決めました・・・兄さんを真人間に戻してみせます!」




 良平の預かり知らぬところで、密かに兄さん真人間計画が始まろうとしていたのだった!





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