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落としたのは妹ですか?   作者: 狼煙緑
家族 編
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いえ、常識です。溢れだすこの妹愛

 

 皆さんおはようございます。新谷 良平です。

 とても清々しい朝ですね。世界が輝いて見えます。


 最近、ずっと灰色だったからな、なんか色々言われてた気がする

 まぁ、覚えてないし、大したことじゃないだろう。それより・・・


「遂に・・・きた!」


 妹とのファーストコンタクトから1ヶ月ぐらいが経過した、

 それが指し示すもの・・・・・・すなわち!!


「引っ越しの日だぁああ!!!」

「朝からうっさいぞ!! 良平!!」

「ホアチャーっ!!」

「あべし!」


 おっと、いけない。勢い余って親父を蹴り飛ばしてしまった。


「すまん親父。生きてるか?」

「痛ぇ~な・・・俺が何をしたってんだ!!」

「すまん親父。ノリで・・・つい?」

「つい? っじゃねぇよー!! ったく・・・」

「ホントに悪かったって親父~」

「あ~あ~、もういい、着替えろ! そろそろ引っ越しのトラックが来るぞ!」

「もうそんな時間か! 浸りすぎてて気づかなかったぜ!」

「早くしろよー。ったく」


 いやー、本当にいい日だな。心なしか親父も優しい気もするし、

 これが妹効果か? 宗教開けるんじゃね? 恐ろしいな・・・


「ともかく、さっさと着替えるか」



 ◇◇◇



「おっ! 来たか良平! トラック来てんぞ 手伝え!」

「任せろ! この日の為に生きてきた!」

「大げさだな・・・」


「相変わらず元気ね~。うふふ」


 おっ! この声はもしや・・・


「ふふふ、こんにちは、良平くん」

「桜さん! お久しぶりです」

「お久しぶりね~。今日からよろしくね。うふふ」

「はい! それで・・・櫻子はどこに?」

「櫻子ちゃん~! お兄ちゃんが呼んでるわよ~! うふふ」


「呼ばなくていいです。お母さん!」


「あら? 照れてるの? 可愛いわね~。うふふ」


「て、照れてなんかいません!」


「そうね~。うふふ♡」

「でゅふふ~」


「二人してなんですか!? 後、気持ち悪い笑いしないでください」


「え? 誰が?」

「そ、その・・・兄さんがです! 気持ち悪い!」

「可愛いなー! 櫻子は可愛いなー!」


 ヤバいこれが萌えというやつなのだろう。

 ニヤけすぎて死んでしまう。いや、死んで本望。

 妹最高だぁー!!


「本当にこれと暮らさないといけませんか? 考え直しません?」

「これとはなんだ!? お兄ちゃんと呼びたまえ!」

「誰ですか?」

「兄です!」

「知ってます」

「うふふ、仲良くするのよ~」


「任せてください!!」

「無理です!!」


 いやー、最高だな! 

 これはもう理想の妹ライフが始まったと言っていいのではないだろうか?

 若干、好感度が低めな気がするが・・・問題ないだろう。うん。


「おい! 良平! 挨拶も済んだろ、こっちを手伝ってくれ!!」

「はいはいー!りょうかーい!」

「って、訳だからまた後で! うぉおおお!!!」

「なんだなんだ! 凄いやる気だな~。いいぞ!」

「俺、今なら神にもなれる!」

「何言ってんだ良平? まぁ、ちゃんと働いてくれりゃいいけどよ」

「うぉぉぉおおおお!!!妹パワーぁあ!!!」

「静かにやってくださいっ!!」

「うふふふ~」



 ◇◇◇



「・・・・燃え尽きたぜ」


 あれから数時間後、止まることを知らない暴走妹列車な俺は引っ越し作業を完遂した。


「燃え尽きて止まってるじゃないですか」

 と妹の声が聞こえた気がした・・・。


 良平は復活した。


「うおぉおお!!! 次は何を運べばいいぃ!!」

「いや、もう終わりましたよ。」


「え? あ、そう・・・」


 どうやら俺はまた暴走していたらしい・・・

 これが魔性の妹力というやつか? 

 恐ろしい、俺はどこまで進化するんだ? 限界を知りたい。


「あの・・・ありがとうございます。」


「!?」


 い、妹がデレた! 引っ越し作業で好感度爆上げ!?

 いやいや、何を興奮している俺! 理性! 理性をキープしろっ!!

 この言いようがない感情を持て余していると櫻子が更に畳みかける!!!


「その・・・、手伝ってくれたおかげで早く作業が終わったので」

「お、終わったので?」

「か、感謝します。 お、お兄ちゃん」

「なるほど・・・。なるほど」


 これはイカン! イカンぞ! これはいけない!

 このままでは・・・このままでは兄は・・・

 兄を超えてしまう!!!


 その時、良平の頭の中で何かが弾けた―――

 というか身体がはじけてビクついた


「ど、どうしたんですか?」

「結婚しよう!」

「・・・・はぁ? 突然何を言い出すんですか!!」


 気持ち悪そうに妹がこちらを見ている。

 だが、若干の心配した雰囲気も感じる。

 優しいのだろう、気遣いが出来るホントにいい子だ。


「返事は?」

「Noに決まってるじゃないですかっ!!」

「なぜだぁあああ!!!」


 おかしい、俺の脳内シミュレーションの結果。

 告白成功率は114%のはずだったのに・・・


「し、シンジラエナーイ」

「なんでこの世の終わりの見たいな顔をしているんですか?」

「もう駄目だ。妹と暮らそう。」

「だから、これから暮らすんじゃないですか・・・」

「・・・そういえばそうだった」


 俺としたことが妹愛がオーバーリミットするとこうなるんだな

 知らなかったぜ! いや~それにしてもクラクラする

 さてはこれが噂の 妹熱中症かな?


「大丈夫ですか? 病院行きますか?」

「連れてってくれるのか?」

「引っ越したばかりでこの辺知りませんし。一人で行ってください」


 何という冷たい一言! せめて着いてきてくれてもいいじゃないか!?

 まあ、もう何ともないので病院に行く必要はないんだけどねっ!


「頭の病院は行った方がいいじゃないですか?」

「ひどい!♡」

「キモいです(殺意)」


 おーっと、死神が見えるこれ以上はよそう。


「おーい、良平! 櫻子ちゃん! 腹減ったろ? 飯にしよう!」


 親父の声が聞こえてくる。そういえば朝から何も食べていなかったな


「今行くー!!」

「さーて、手を洗ってこよ」

「・・・・・・・・」

「私の新生活・・・大丈夫なのでしょうか?」


 早くも身の危険を感じ始める櫻子であった―――



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