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食堂での出来事2


 食堂に入ると兵士達に感心するような視線を向けられたがそれ以外何もなかった。クラスメイト達は何個かのグループを作って食事していた。私は料理を何個かとって、食堂のすみにある誰も座って無い席で食事を始める。でも一人で食べようとしていたら、声を掛けられた。


「よう星野、一緒にご飯食べてもいいか?」


 北山が、何時もつるんでいた男子一人女子二人をつれてやって来た。何故ここにくるんだろう、向こうで集まって座ってたらよかったのに。まあ、別に断る必要も無いので

「どうぞ」

と、私は返事をする。

 私の確認がとれたのを確認したのか北山が私の隣に、それ以外が向かい側の席に座る。


「そう言えば星野君と話したことなかったなね、私は穂高ほだか恵美えみ

「俺は村下むらしたれんだ。」

「僕は滝島たきしまかえでだよ、よろしく。」


何故か自己紹介をし始めたので、私も自己紹介をする。


「私は星野凛です。よろしくお願いします。」

「なんか固いけど、まあいいか、よろしく」

「よろしくな、」


 そこから、日常会話を始めたので、話に合わせて相づちを打つ。その後は、私への質問タイムになった。

 中学は何処だったのとか、親はなにしてるのとか。まあこの質問の時に少し気まずい空気になったが、穂高さんが話をそらすように、


「そういえば、星野君ってマスク外したらそこそこ顔整ってるのにマスクしてるの?」

「最初は花粉症でしたが、そのまま慣れで着けてます。別に外す理由も無いので」

と、当たり障りの無いような解答をする。


「そっか、なら向こうの世界に戻ったら外したら?」


まあ、この世界にこなかったら毎年着けてたと思うけど。


「考えておきます」

「そうだ、星野に聞こうと思ってたんだ。」


北山が箸をおいて私の方を向いて聞いてくる。


「何ですか?」

「この世界で何に気を付けたらいいと思う。」

「なぜ私に聞くんですか?」


そんなことは、委員長か先生に聞けばいい。

何よりクラスメイト達と話し合ってくれ。


「いや、星野なら常に周りを理解してそうだから。」

「それ俺も思うぜ、」

「私も、」

「僕もそう思うよ、」


私、周りからそんな風に思われてるんですか。

常に無口でマスクを着けて髪が長いから陰湿てきなキャラみたいだと思うのですが。


「で、何に気を付けたらいい?」


そうですね、まあ別に答えても何も問題無いでしょう。

「この世界全てと言いたい所ですが、一番気を付けるのは神谷だと思います。」


 その答えに、北山達は驚いたようだ。いや、そんなに驚く事は無いだろ。端から見てると今の神谷は、正義感振りかざして暴走しそうな雰囲気でしたし。


「なぜだ?」


村山が詰め寄るように聞いてきたので理由を話す。


「貴族や王様に警戒するに越した事はないですが、今一番危険なのは神谷です。何故なら昨日、北山に聞いた集まりの内容を聞く限り、神谷はこの世界の事をゲームだと思っているふしがあります。」


「それは、どうして?」

「神谷は、この世界の人達の為に魔王と全ての魔人達を倒そうと言っていたそうです。」

「それがどうしたの」

「神谷の言っている事は、言い換えれば、この世界の人達を困らせている人達(魔王)を殺そうよ、と言っているようなものです。神谷は、魔王と魔人種をゲームに出てくる勇者の敵キャラだと考えてる様に思えて仕方がないのです。」

「「「「な!?」」」」


北山達は私の意見を聞いて、神谷の言っている事の意味に気づいたようだ。


「神谷が全部の魔族種が悪いと思って暴走したら、人間と魔人の全面戦争になりかねない。魔人の方が強いから、簡単に人間を滅ぼされかねない。」

「それは、」

「考えすぎじゃないのか?」

「そうだよ、魔王と魔人達を倒す為に僕達が呼ばれたんだから。」

「...この世界の事を地球に言い換えて言うと、例えばの話ですがもし外国でテロが起きて戦争を始めたら片方が悪いと決めつけて君たちは介入するのですか?」

「するわけないじゃない」

「そもそも、関わらないだろ」

「そうだ、それに此処は地球とは違うんだ、」

「そうだよ、でもこの国の人達を魔族が困らせる。だから、悪い魔王と全ての魔人達を倒さなくちゃいけない。」


穂高、北山、村下、滝島の順で自分の意見を言うが、


「それはまだ、この国の意見しか聞いてない。それに誰が魔人が全て悪いと決めつけたんですか?この世界はゲームとは違うんです。まあ詳しくは知らないので本当の話かもしれませんが、少なくとも自国の民では無い者を最前線に立たせようとしてる時点で信用できあせん。王様の話を聞く限りこれは言わば、数の力を持つ人間対圧倒的な武力を誇る魔人(人間)による略奪戦争です。だから、ゲームみたいに考えている神谷は簡単に相手の王を打とうとしてこの戦争に介入して、色々な事に首を突っ込みそうで危険だといってるんです。」


 そう今の神谷は全ての魔人を悪だと決め付けて行動している。この世界の事はほとんど知らないし、先代の勇者達はどうしたか知らないが、私はこの国為に自分の身を危険にさらすつもりはない。

 そこまで言うと、私は食器を片付ける為に、席を立とうとする。


「ちょっとまって、じゃあ星野君は魔王を倒す戦いに参加しないの。」

「そうです。」

「それじゃあ、元の世界に帰れなくていいの?」

「元々帰る方法はないじゃないですか。」

「え、でも国の総力をもって協力するといってたじゃない」

「それはあくまで協力するっていう事です魔王を倒しても帰れるわけじゃありません。だから私はこの国を出て、帰る方法について調べます。」

「なるほど、分かったわ」

「質問に聞いてくれてありがとな、星野」


 クラスメイト達の意識を変えさせたのはこのためだ。帰る方法を探す為だと言えば何時でもこの国をでれるし、何より国とクラスメイトに怪しまれない。


 この国最大戦力がどのくらいの強さか分からない以上、迂闊な行動にでれない。下手に国を出て追っ手でも掛けられたらめんどくさい。だが、少なくともしばらくはこの国について調べないといけない。あのメモについて気になるから。

 そのあと食器を片付け、部屋に戻る。


 部屋に戻ると戸の鍵を閉めてロックをかけてから、リングにグローブと念じてみる。すると、自分の手のひらに黒いグローブが現れる。


「さて、これもある程度練習しないとな。」


 グローブに魔力を込め、切れ味の無い糸をイメージして、部屋中に張り巡らせていく。

 全体に張り巡らせ終わったら消えろと念じると、張り巡らせた糸が消えた。でも、糸があった場所を確認すると手触りがあったので、糸を透明にすることができるなと確認した。

 そして、戻れと念じると糸がグローブに吸いとられるように戻っていく。ステータスを確認したら魔力が5減っていたので覚えておく。


 こんどは、スマホをベッドの上に置き粘着力を持つようにイメージしながら糸をスマホに当てる。ゆっくり持ち上げてみると、スマホがくっついていたので成功と思いながらステータスを確認する。魔力が8減っていたので、性質をつけると3も変わるのかと思った。

 まだ指一本からしか出していないので10本分だと約80減るのかと思いながらこの武器は、いざというときに使おうと決める。


 とりあえず使えるか確認するために、部屋中の物に糸を付け浮かしたり移動させたりしながら使い勝手を覚える。魔力を最大限込めるというのは此処では何が起こるか分からないので、一人で外に出るきかいがあったら試そうと思う。

 それから、魔力が100をきったのでグローブをリングにしまいベッドに横になる。


 そう言えば短刀を簡単に振ることでスキルを獲得出来たんだ、私の料理と家事のスキルがあるのにこのスキル以外は何処にいったんだろう。少なくとも委員長が持っていた早読位あるはずなのに。

 そんな事を考えていると気づいたら眠っていた。



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