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武器選び


 朝、起きてみると全く知らない天井があった。

 起き上がり周りを確認する。そして段々と昨日の出来事を思い出す。


「そうでした、確か異世界に来てたんですね。」


枕元に置いてあったスマホを確認し、時間を見る。


「7時か、確か食堂で食べ終わったら出入口で集合だったかな」


 8時に食堂が閉まるらしいので急げば間に合うでしょう。

 それからこの部屋にある洗面台で顔を洗い、食堂に向かう。




 食堂ではクラスの人達がいて、食べ始めていたので、朝食を取りに行き空いている席に座る。

 取ってきたのは、スクランブルエッグ、ソーセージ、パン、スープといかにも日本の朝食っぽいが、パンがあんまり美味しくなかったし、ソーセージもパリッとした食感がなく、お世辞にもとてもソーセージと呼べる物じゃなかった。

 朝食を済ませ食器を返すと、食堂の出入口に生徒達が集まっていたのでそこに向かう。


「それでは、全員集まりましたのでこれから王様に今後どうするか説明しに行きます」


 委員会が仕切り、クラスメイトを整列させ昨日いた王の間に行く。

 勝手に行って良いのかなと思ったが、昨日王女に確認をとり王様に都合を開けて貰ったそうだ。


 王の間に入ると昨日の貴族達は居なかったが、王座に座った王様の後ろに、重そうな鎧を纏い大剣を背負った、がたいの大きい騎士が居た。


「勇者達よ、今後どうするか決まったのか?」


その質問に対し、先生が生徒達の前に出てきて答える。


「決まりました、ですがとりあえず2週間この国の訓練を受けて自分の強さを確認させてください」


先生がなぜ出てくるんですか。ここは昨日の王様と話をしていた委員長でしょうが。


「それは構わんが、2週間たったらどうするんだ。」


「訓練を受けて自分たちが戦えるか戦えないかが分かると思います。そこで、戦えるものはそのまま訓練を戦えない者は、書物を調べ帰る方法を探すと言うのはどうでしょう。」


王様は少し考えたあと了承した。


「そうか、分かった。訓練は今日から参加することになるがそれでもいいか?」

「それで構いません」

「ダグラス、宝物庫にいき勇者達の武器を選んだあと兵士達の訓練に参加させろ」

「分かりました。」


ダグラスと呼ばれた、王様の後にいた騎士は返事をし私たちの前にくる。


「私は聖国軍騎士団所属、団長のダグラス・ガーネットと申します。これから勇者様方の武器を選びますが、その前にこの水晶に触れてください。」


ダグラスがいつ取りだしたのか分からないが、その手には拳大の水晶が水晶が握られていた。


「それは?」


一人の女子生徒が聞く。


「これは、職業、スキルを表示して記録する機械で表示された情報を元に訓練をします。」


 その説明で納得したのか段々と、列になり始めた。

 

 私は何かありそうだと思ったので職業を剣士、スキルを無しにして最後尾に並んだ。スキルは剣術とか書いて偽装しても良かったのだが、ばれると面倒なので無しにする事にした。そして段々と水晶に触れていき、全員が触れ終わった。


「さて、確認もすみましたので宝物庫に案内します。」


 ダグラス案内のもと、宝物庫に向かって歩いていく。

 宝物庫ですか、良いのかなそんな国の大事な者を管理してそうな場所に案内してもらって。


 宝物庫の前に着くと、頑丈そうな南京錠がついた鉄扉に二人の兵士が扉の横で立っていた。そして、その兵士達はダグラスに気づいたのか、

「「お務めご苦労様です!!」」

と、敬礼をしながら言う。

部下達に慕われている様ですね。


「ああ、ご苦労」

「ガーネット様、今回はどの様なご用件で、」

「王様の命令で、勇者様方の武器をここで調達しろとの事だ。」

「そうですか、確かに個々には特異級の武器がごろごろ有りますからね。」


 特異級っていうのはどれくらい凄いのかよく分からないが、兵士が自慢そうに話すのでこの国の財政は結構潤って要るのか。


「分かりました。では、お通りください」


 そして一人兵士が鍵を取りだし南京錠をあける。すると、ぎぃっと音をたてながら扉が開く。扉が空いたとたん一瞬、頭痛みたいなものが起きた。まるで、此方に来いと言われてるみたいだ。


 宝物庫はここの食堂1つ分位あって、照明は薄暗く壁の所々に大剣、槍、薙刀などの武器が飾ってあり、部屋の中に幾つもの棚があり、その棚のなかに箱が敷き詰められる様に納められていた。


「勇者様方、此処にはあるのは先代勇者様が作られた武具ばかりです。どれも危険な物ばかりでしょうが勇者様方ならちゃんと扱えるはずです。自分のこれだ、と思った武器を選んでください。」


 そうダグラスに言われたら、勇者達はばらばらになり自分の武器を選び出す。私は、この宝物庫の一番奥にある棚に向かって歩いていく。棚に近づけば近づくほど頭痛が酷くなるがお構えなしに歩いていく。

棚までたどり着くと、そこは全く人気がなかった。まるで、だれも此処には来れないとでも思えるほど。


「私を呼ぶのはあなたですか、」


 そう呟くと、さっきまでの頭痛が嘘みたいに引いていく。

 そこで、棚から1つの箱がありその箱を取りだし中を覗くと、甲の部分にはビー玉みたいな物が10個ほど円を描くようにはまっていて、第一関節の部分に爪みたいなものがついた黒い指ぬきグローブ、鞘の部分には何の装飾がされてないが刀身を見てみると真っ黒な刀身のはばきの部分に赤く魔方陣みたいな物が描かれている短刀、龍のレリーフがリングに沿って施されている銀色の腕輪が入っていた。

1つ1つ鑑定をしてみると、

――――――――――――――――――

魔断糸のグローブ

制作者 千羽せんば東陽とうよう

分類 グローブ

制作日魔法暦683年6月7日

ランク 神話級ミゾロジー

所有者 未登録

初代勇者が最後に創った武器、

効果は、魔力を込めると爪先から魔力で出来た糸を射出する。

糸の強度は込める魔力に依存する。

最大限込めると、オリハルコンをも容易く切断する。

また、糸を射出するときに、性質をイメージしながらするとその通りになる。

自動修復が付与されていて、手入れをしなくても壊れても自動的に直る。

最初に魔力を込めることで登録出来る。

登録者じゃない者が魔力を流込めると自動的に登録者に転移で飛ぶ。

――――――――――――――――――

――――――――――――――――――

神月

制作者 千羽 東陽

制作日魔法暦581年9月9日

分類 短刀

ランク 神話級

所有者 未登録

初代勇者がダンジョンコアを溶かして創られた短刀、

効果は、魔力を込めるて相手を切りつけば切りつけるほど相手の重力を2倍にする。

効果は死ぬまで無制限に続く。

自動修復が付与されていて、刀身が折れても鞘に戻せば自動的に修復される。

最初に魔力を込めることで登録できる。

登録者じゃない者が魔力を込めるとと自動的に登録者に転移で飛ぶ。

――――――――――――――――――

――――――――――――――――――

収納リング

制作者 千羽 東陽

制作魔法暦580年3月4日

分類 魔法具

ランク 神話級

登録者 未登録

初代勇者が創ったリング、

効果は、魔力を込めると無制限にアイテムを収納出来る。

なお収納された物は時間が止まる。

最初に魔力を込めると登録出来る。

登録者じゃない物が魔力を込めると自動的に登録者に転移で飛ぶ。

――――――――――――――――――


 成る程初代勇者の作品か、あれ、ここって先代勇者の作品じゃないの?ベッドの鑑定でみれたのは、880年だったから約300年前。そんなに年月が経っているのに良くここに残ってたな。それに神話級って最高ランクのようなきがするけどまあいいや、取り敢えず登録をしよう。アイテムを装備し、スマホの時の様に魔力を流す。

 鑑定して見たら、登録者に自分の名前が書いてあったので登録できたのだろう。


 リングに魔力を通しグローブを仕舞い、短刀を腰にあるベルトの部分にさす。

 そこで箱を元の場所に仕舞おうとすると一枚の紙が残っていたのでそれを読むと、

――――――――――――――――――

 この紙を読んでいるという事は、この子たちに選ばれたということだね。君が何代目の勇者か知らないけど、見つけてくれてありがとう。


 さて、何で君にこの紙を読んでもらおうとしたのかと言うと、実は唐突だけど君に勇者召喚の方法を知るもの、その方法をかいた書物をこの世界から抹消して欲しい。

 何故こんな事をたのむかというと、僕にはその力がなかったからだ。


 その理由は僕の職業、作製者にある、ありとあらゆる物を作成する能力。

 詳しく説明するとこの能力は、自分が武具を扱えないかわりにランクを最大で作成する能力だ。

 だから、世界を簡単に壊すことの出来る能力者にこの子達を託すことにした。そしてある種の感情を持つものに渡るようにした。

ここまで記せば君も大体分かるだろ、


..

――――――――――――――――――

そこで紙は終わっていた。


 なるほど、何故君が勇者召喚を嫌いその方法を抹消したいのか知らないが。何故私が見つける事ができたのかがなんとなく分かったよ。君はその力を悪用されるのを防ぎたかったのだろう。おそらく誰かを信じられなく嫌う者だから。だから、君と同じ感情を持つ者を探した。


 その者は少なくとも君が嫌う人間に躊躇う可能性が少なく、なおかつ人間に協力する必要がないから。そこまで考えると私は紙を収納リングに入れ、宝物庫の出入口に向かった。

少なくとも協力はしてやると言う気持ちで。


内容を変更しました。

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