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迷宮 合流


 階段を降りると一つの部屋になっていて冒険者などが、武器を手入れしていたりしていた。冒険者達は私が扉から出てきたのに気付いたが、此方に視線を向けるだけですぐに自分の作業に戻った。


 恐らくパーティーで組んだ人でも待っているのだろう。下級階層のボスは弱いからこうやって一度パーティーを解散して一人で挑むんだそうだ。その方が効率がいいし、なにより宝箱の中身を多く回収出来るからこういった行動をする人が多いらしい。

まあ、とくに用がないので、この部屋の出口に向かいこの部屋から出る。


 そのまま迷宮の通路を進んでいると、つけられているのが分かった。とりあえず今要る階層の地図を表示して、行き止まりの部屋に向かって歩いていく。

 策敵で感知しながら歩いていると後ろにいる人が仲間と合流したのか最初五人だったのが今では十五人近くまで膨れ上がった。


 少しめんどくさくなったので収納リングからグローブを取りだし装備する。

 目的の場所にたどり着くと、素早く壁や床、天井に罠を張り巡らせ設置し終わったので振り返り通路の入り口を凝視する。


「もうばれてるから出てきたらどうですか」


 すると声に反応したのか入り口からぞろぞろと武器を構えたおっさんが、ずかずかと部屋に入ってくる。こいつらこの階層の入り口で待機してた奴等だ。なるほど、入り口ででばってカモ探しか。カモが見付かったら仲間に報告して、集まって同時に襲うってとこかな。

 確かこう言う場合、殺しても罪にならないんでしたっけ。


「なんだばれてやがったのか、それにしてもお嬢ちゃんこんなところを一人で歩くなんて危険だぜぇ」


 お嬢ちゃんって、なんだこいつら馬鹿な上に人の性別まで間違えているのか。

 やばい吐き気がしてきた、こいつら人をなめ回すように見てきて気持ち悪い。何でこいつらみたいな奴が要るんだろ。

 てか、ばれてるって分かったなら早々に撤退しろよ。こっちより人数が多いのに声を掛けたんだから少しは警戒しろよ、間抜けかこいつら。


「馬鹿かお前ら少しは警戒しながら入ってこい。」


 自分でも分からないが嬢ちゃんと呼ばれて、思いのほかキレてる。


「何だぁ嬢ちゃん何にそんなに怒ってるんだ。」

「誰が嬢ちゃんだ、私は男だ。」


 私がそう言うと、おっさんたちは驚いた表情をして、


「なんだぁ、声が少し低い女だとは思ったがまさか男とはな、売れるかなこいつ」


 私は中性的な顔立ちとは良く言われましたが、そこまで断言される覚えはないんだけどな。


「大丈夫でっせ兄貴、世の中には顔さえ整っていれば性別はどっちでもとか言う奴もいます。」

「まあ、それもそうだな」


 こいつらはさっきから何の会話をしてるんだ、何故未知の敵を前にそんなにペチャクチャ話が出来るのだろ。

 めんどくさいと思ったが、これなら別に短刀でも直ぐに終わったかな。


「さて、お嬢ちゃん抵抗せず捕まってくれたら、此方からはなにもしないぜぇ」


 男だと分かってなお嬢ちゃんと呼ぶか、


「何いってるんですか屑共」


 私はそこで右手を握りおもいっきり後ろに引く。


「な、何だと、もう決めたぞお前ら今すぐこいつを殺っ」


 喋っていた男がこれ以上喋る事がなかった。

 何故なら彼に血飛沫が飛び散ったから何事かと後ろを振り替えると、後ろにいた人達の手足がバラバラに吹き飛んでいる事に気付いたからだ。


 何が起きたのかと言うと、最初に右手を引っ張って彼の足元にあった糸の罠が起動し、足を巻き取り、天井から釣り下がる。

 その事に驚いて声を上げようとするがその時点で左手を握り張り巡らせていた糸を引っ張った。全方位から、鉄を容易く切り裂く糸が彼らに襲いかかった。

 もちろん何も警戒せず入ってきた彼らにそれを躱すすべなど持っている筈もなく、うねる糸に切り裂かれた。


「う、うぁあああぁあぁぁぁぁ」


リーダー格らしき男が、尻餅をつき後ずさる。


「人はやっぱり脆いですね」


 やっぱり人は脆い、私はそう思う。さっきまで堂々と私を何処かに売り払おうとしてたくせに、仲間が居なくなったとたんにこれだ。

 私の呟きを聞いたのか化け物を見る目で私を見る。


「さて、最後は貴方です」


 すると男は、勢いよく土下座をする。


「た、助けて何でもします、しますから、」


 自分が優位に立ったときは偉そうにしてたくせに、いざ自分が劣勢になると今まで大層な態度をとっていた相手にも媚びたり、すがり始める。その男の行動に物凄くいらいらする。


「そうですね、分かりました」


 この声に、男は、奇跡でも見たのかと言う態度で、


「あ、有り難うございます、殺さないでくれて、これからはあなたの忠実な下部になr」

ザシュ

そんな音と共に男の腕が落ちる。


「ぎゃああああぁぁぁぁああぁぁぁ」


 男は痛みのあまりにのたうち回る。


「何を言っているのかな、それに君みたいな下部なんかいらないよ」

「な、んで、ころ、さないって、いった、のに」


 男は此方を睨みながら、痛みを堪えて言っている。


「誰もそんなこといってないよ、決めたのは直ぐに殺さず四脚を切り落としてから、殺すって事だよ」

ザシュ


 .は短刀を振り、男の右足を切り落とす。


「それに何で君を助けないといけないのかな、」

ザシュ

「僕はね、君みたいな人種を見てると堪らなく殺したくなるんだよ」

ザシュ


 そこで私は最後の脚を切り落とし、短刀を仕舞う。男は気絶したのか死んだのかは分からないけど、動かなくなった。


「やっぱりこの世界に来てから、こういう人種に対する殺意が止められないや。まあでも今回は君達がいけないんだよ、君達が僕の大嫌いなタイプの人間だったから。」


 向こうでは殺しは犯罪、最初は母さんが死んだ頃、こうなった原因を殺したくて殺したくて堪らなくて調べてまわったけどけど、父さんが働いてた会社は潰れてたし、その時の上司や部長は引っ越していて子供の僕じゃあ調べるのがそこで限界だった。


 だがこの世界では、正当防衛の場合殺しても犯罪にならなくて、平然とこう言う奴等がいる世界では、衝動が止められないのかもしれない。


「どうしようかな、これ」


 足元には、散らばった手足に部屋中に散った血痕。傍から見ると、結構なホラーだ。

 まあ、暫くしたら魔物見たいに自動的に消えるんだけど。


「いや、丁度良いのか」


そこで僕はリングからゴブリンを出す。


「ゴブリン、こいつらの武器を一つ回収してからこのフロアを散策して徘徊している魔物を倒し、冒険者が襲ってきた場合も殺せ。」


そこまで言うとゴブリンはリーダー格の持っていた片手剣をもち部屋を出ていく。


「まあこの短刀の効果が少し分かったよ」


 リーダー格の手足を切り落としてる時、魔力を込めたのに重力の効果発動していなかった。でも、魔物を切りつけたとき明らかに動きが鈍くなったので効果はちゃんとあるのだろう。

 恐らく切りつけないとダメで、切り落としたらダメなのかな。


 例えば、僕が魔物の腕を切りつけたとして、次にその腕を切り落としたら効果がそこで終わるんじゃないかな。

 その後、僕は収納リングで盗賊?の武具を全部回収してこの場をさる。




「とりあえずどうしようしましょうか、」


 今、十七層の迷宮を攻略しているが、どうにも武器が強すぎるのか相手にならない。今まで出てきた魔物は、ゴブリンから始まりオーク、スケルトンなどが出てきた。オークは、豚が人形になった感じで此方を見てブヒブヒ言っていたので即座に倒した。


 スケルトンは、最初は短刀が効かなくて相手の動きを見て躱し続けていると、大きな隙が出来ていたので回し蹴りをしたら即座に崩れ去った。でも大半の魔物はこの短刀で終わるからどうしようかと迷っている。

 冒険者の持っていた武器を使っても良いのだが、あまり使いたくない。

 それに、血がべったりと染み込んでいて使うにも使えない。


「帰ったら武器でも買いましょうか」


 迷宮へ向かうとき、古びた感じの家に冒険者が武器を持って家に入っているのが見えた。恐らく彼処は鍛冶屋か武器屋なのだろう。

 そんな事を考えていると、一匹の魔物が此方に来るのが分かった。向こうも此方に気付いたのか、武器を構えて突っ込んでくる。

とりあえず鑑定

――――――――――――――――

【名前】未設定

【分類】オーク

【討伐ランク】F

【スキル】

――――――――――――――――


オークの攻撃を躱したり、短刀で受け流しながら考える。オークって集団戦闘しかしなかったはずですよね、何で一匹で居るんだろう。

もしかして逃げてきたのかな。

まあいいか、

「【一閃】」


ザシュっと言う音と共にゴブリンの首が落ちる。


 やっぱり便利ですね、スキルって。

 そして短刀を鞘にしまい、オークのドロップアイテムが出てくるのを待っていると後ろから声がした。

 ばたばたと数人が此方に向かって来ている。武器に手をかけ警戒する、


「待てっ、深追いをするな、」


何処かで聞いたことのある声がした。


「そっちに居る誰かも警戒しないでくれ!!此方は攻撃する意思はない!」

「誰か居るんですか!?ならさっきのオークに襲われているかもしれない」


 声を返そうかと思ったが、急に私が警戒していた通路の角から人影が出てきて、此方に武器を構えて突っ込んでくる。

 何故か斬られそうになったので相手の武器を弾き飛ばし、その人物を蹴り飛ばす。


「がはっ」


続けて角から数人此方に向かってくる。また武器を構えて迎撃しようとしてると。


「待ってくれ、本当に此方から攻撃する気はない」


その声の主は、両手をあげて歩いてくるダグラスだった。












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