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迷宮 フロアボス


 物音がしたので目を開けると、自分の周りに居た冒険者がフロアボスに挑む準備をしていた。

 物を奪われる心配は無いの、と思うかも知れないが少なくともここは、冒険者が休憩所にしている場所でそんな行為をした瞬間にそいつは周りから狩られる。


 もし略奪行為をするやつが居たとしてもこんな目立つ場所じゃなく、狭い通路や行き止まりの部屋でやるやつが多いらしい。


 確かにここに来ている奴は少なくともいい装備をしていたり、数日分の食料を持った奴がいるから略奪行為は全く減らないそうだ。まあ、こんな話よりフロアボスについての事を記録で読み始める。

 旗から見れば眼を開け、ただぼおっとしている奴にしか見えないから便利だ。


 書庫にあった書物を読むと、フロアボスとは10層毎にいるそのフロアのボスだ。

 フロアボスがいる部屋は誰かが挑んでいる場合扉がしまり、挑んだ者が死ぬか次の階層に行くまで入り口の扉は絶対に開かない。

 フロアボスを倒した時に出口付近に現れる宝箱の中に入っている物を回収しないと次の階層への扉は開かない。ただし相討ちの場合は数分後に宝箱が消滅し、入り口の扉が開く。


 フロアボスは死んだら、フロアボスを倒したグループが次の階層に行くまで復活しない。

 もし挑んだほうが敗れ死んだ場合、ボスが受けたダメージはそのままで挑んだ者の装備だけが残り、次の挑んだ者の持ち物となる。

 迷宮から帰る場合は、ボスを倒した時に現れる魔方陣に乗ると遺跡の入り口に転移する。フロアボスに挑んでいるか挑んでいないかは、入り口の扉の斜め上に埋め込んである拳大の魔石で解る。もし挑んでいるなら魔石が赤く光り、挑んでいないのなら緑色に光。


 ここまで読むと人が少なくなってきたので列に並び、ボスに挑む順番を待つ。待っている間に、ポーチから水筒と干し肉を取りだし食べたり飲んだりする。


「これ昨日の昼にも食べたけど、何処で作ってるんだろ」


 やっぱり食堂かな、そんなくだらない事を考えながら暫く待っていると次の番になったので、全部ポーチに片付け手をタオルでふき、準備する。

 私の前のグループが挑んでから数分後、点灯が緑色になったので立ち上がり禍々しい扉を開けボスに挑む。


扉をくぐり、前に進むと扉が自動的に閉まるのが分かった。

フロアボスの部屋はドーム状になっていて中央に、がたいの大きい鉄の剣を持ったゴブリンがいた。

――――――――――――――――――

【名前】未設定

【分類】ホブゴブリン

【討伐ランク】E

【スキル】

剣術Lv1

――――――――――――――――――


 初めてのスキル持ちですか、でも今回は色々と試したい事があるから少しめんどいですね。そんな事を考えているとゴブリンが剣を振りかぶって襲ってきた。


 スキル持っているだけあってか武器を扱うのにスピードが乗っているような気がする。私は軽く短刀で受け流し続ける、鉄の剣だから下手をするとゴブリンごと切り裂き兼ねないので受け流す。

そして試したい事をする。


「【情報交換】対象はホブゴブリンの剣術Lv1に対し、自分は家事Lv1を交換する。」


と、書いてあった通りに言ってみるが、何も変化が起きない。


「失敗かな?やっぱり不便ですね」


 ステータスにはスキルの技の詠唱が書いてあるのに、使い道が書いてないから使い方を間違えると技が発動しない。


「まあこれが失敗したならもう君には用はない【一閃】」


 そう短刀術の技名を言った瞬間、握っている短刀に引っ張られるように体が動き、しゅっと風を切る音と共にゴブリンの首を横一閃に切り裂く。まるで豆腐でも斬った感覚だ。


 今の技は短刀術がLv4になった時に覚えた技だ。Lvアップ音と共に宝箱が出てきたのを確認したら短刀を鞘に仕舞い、ゴブリンに近付き手でゴブリンの頭に触れる。


「【傀儡化】」


傀儡化のスキルを発動した瞬間、私の魔力がゴブリンに流れ込むが、


「っな、なる、ほどこれがスキルに書いてあった対象の経験を体験するか、気分が悪いです」

 今の一瞬で、このゴブリンが生まれた瞬間、スキルの使い方、そして首を切り裂かれた時の痛みなどが情報として流れ込んできた。


「これは、あまり多用できるような代物では無いですよ。」


思わず首を擦ってみるのは仕方のない事でしょう。


「じゃあ、ゴブリン立ち上がって宝箱の中身を回収しろ。」


 そう命令した瞬間ゴブリンがのそっと立ち上がり、宝箱に向かって歩いていく。

Lvアップしたのでステータスを確認する。

――――――――――――――――――

【ステータスオープン】

【名前】星野 凜 【種族】人間種

【年齢】16 

【職業】傀儡師【Lv】9(2up)

【体力】1950/1950 (400up)

【魔力】1950/2100 (400up)

【攻撃力】1000 (200up)

【防御力】950 (200up)

【スキル】

料理Lv5 家事Lv3 観察Lv5

短刀術Lv6 並列思考Lv4

懆糸術Lv1 索敵Lv3

剣術Lv1(new)

【特異スキル】

情報管理Lv3

【職業スキル】

傀儡化Lv1

【称号】

異世界人 人嫌い

―――――――――――――――――――


 傀儡化で魔力が減っているのは良いとして、何でスキルが増えてるんだ?もしかして、これは傀儡化した時の副産物かな。あ、そう考えると何か分かったような気がする。

 つまり、対象の経験を自分が情報として経験してるのかな。スキルを使った経験とかスキルを覚える時に使った経験を私が全て獲得していている。


 纏めると、この傀儡化のメリットは対象のスキルを全て覚えることができて、一体の駒が増える。

 デメリットは、対象が感じた今まで受けた痛みと、死んだときの痛みを一気に体験するということですね。


「でもゴブリンの感情まで流れて来ないのはよかったです。」


 もし感情が流れ込んでくると、魔物や人だったら恐怖や怒り、場合によっては過去に経験した欲まで流れ込んで来ることになる。

 この世界には無理やりそういう事をする魔物が要るらしいし、人や村などを襲って、快楽だけのために金銭を強奪したり誘拐等が当たり前の人種がいる。


 その時の感情が流れ込んでくると考えただけで吐き気がする。自分が考えた事を独りでに唸っていると、ゴブリンが小さい袋を持って帰ってきたのでそれを受けとる。袋の中身はこの世界のお金で、硬貨が数枚入っていた。


しかしまた気になる事が増えた。


「いまお前のステータスはどうなってんのかな」


――――――――――――――――――

【分類】ホブゴブリン

【状態】死体

【スキル】

剣術Lv1 損傷回復Lv1

――――――――――――――――――


「色々と増えましたね」


ステータスってこんなに、ころころ変わるものなのかな。

私はステータスに表示された気になる物を、順にパネルをタッチしていく


【状態】

死体になった時に表示される。


【損傷回復】

術者の魔力が有る限り自身が受けた損傷をある程度回復する。


「なるほど、傀儡化しても一応死体として扱われるんですね。なら収納」


 するとゴブリンが、黒い靄となってリングに収納された。どうやって、収納しているのだろうと使う度思うのだが、この世界では新たな発見より解明出来ない物事が増えていく事が圧倒的に多い気がする。

 まあ、考えていても埒があかないので、ゴブリンをどうするか決める。


「それじゃあこのゴブリンは次の階層で徘徊して魔物を倒してもらいましょう」


 ステータスを見て傀儡化した者が生物を倒したときに獲得する経験値は全て術者が獲得すると書いてあったのでそれを試す。

 私は、落ちていた鉄の剣を収納リングで収納して、次の階層へ行く階段に進む。









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