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呼ばれた勇者は馬鹿ばかり


あのメモを見つけた日から4日たった。

 私は今、メイドに呼ばれて訓練場に行っている。何でも迷宮に行き魔物との戦闘の訓練を始めるらしい。本当は昨日、訓練に出ていたらメイドに言われなかっただろうけど昨日は、記録した情報を部屋で整理していて、訓練に出ていない。


 今のクラスメイト達は、自分の身の丈に合った武器を使いこなせる様に毎日訓練をしていた。私の場合は、あのメモに似た物を探せば見つかるかもしれないと思い最初の二日間、城にある書庫など情報がありそうな場所を探したが、召喚魔法の事や勇者の情報が全くと言うほど見つからなかった。


 ただ、北山グループ以外からサボっていると思われているのか、白い目でみられた。北山グループは、私が帰る手段を独自で探しているのだろうと思われているのか、サボっているとは思われていない。


 この4日間で唯一分かったのが私と比べてクラスメイト達はスキルの習得、スキルLvの上がり方が遅いと言うことだ。異常に私が速いのかもしれないが。まあそれは置いといて、私が初日で短刀術をLv4まで上げたのに対して、クラスメイトの中で一番スキルLvの高い剣道部の人が4日せ刀術スキルをLv3まで上げている。


 始めはスキルの違いか武器の違いで習得率が変化するんだろうけど、昨日新たに習得したスキルを確認して、武器の違いと言うのは関係ない事が分かった。


新たに獲得したスキルは2つ、

【並列思考】

情報を2以上同時に処理する事で獲得出来る。Lvを上げると並列化できる思考を増やせる。


 これは記録した情報を確認していたとき、あまりにも時間が足りないと考え2つ展開できないかなと思った結果出来たので、そのまま情報を処理していた時に獲得したスキルだ。今は、Lv3になっていているので、武器の違いが関係ない事が分かった。

 もう一つのスキルは並列思考を利用して獲得したスキルだ。

【操糸術】

糸を自分の思い思いに操る事で獲得出来る。

糸を操りやすくなり、拘束、絞殺、圧殺に特化したスキル技を覚える事が出来る。

Lv1 拘束

Lv2 ???

Lv4 ???

Lv7 ???

Lv10 ???


 最初は、何だこの暗殺に特化したスキルはとか、拘束と絞殺は分かるけど圧殺って何とか思ったスキルだ。今は技を使った事はないけど、糸を操りやすくなった事が分かった。


 クラスメイト達は私の武器が短刀だと思われていて、グローブは今は魔力が足りないし使い道が限られているので懆糸術が役に立つのはまだ先だ。



 訓練場に着くと、集まっていた生徒からこいつも来るのかと目線で言われてるような気がしたが無視する。だが、その中にいた神谷が物凄い形相でこちらを睨んでいて今にも飛びかかって来そうだったがそれは、ある人物によって、止められた。


「おい、何をいがみ合っているかしらんが、今から迷宮に行くんだ。下らん事で要らぬ怪我をする必要はない。」


 神谷が突っ掛かって来そうなタイミングでダグラスが兵士達を連れてやってきた。


「でもこいつは!」

「それに神谷、お前に何の権利があって星野に文句を言おうとしている。」


 神谷が納得してないと言う感じで文句を言おうとしていたとこれで、ダグラスが言葉を遮って神谷を咎める。

 私、神谷に何かしましたっけ、


「こいつは訓練をサボったのに迷宮についてこようとしています。それに何でダグラスさんは僕を止めるんですか!」

「そうです、このままでは皆の足を引っ張って邪魔になります。」


 神谷は咎められたが私が何で着いてくるのかと言っていて、それに名も知らぬ女子生徒が続く。北山グループと委員長以外がそうだそうだと文句を言う。


「じゃあお前らは星野が訓練に出ていなくて、サボったから今から行く迷宮についてくるなと言いたいのか、それとも皆の足を引っ張るからついてくるなと言いたいのか。」


 ダグラスが皆の意見を纏めるように言う。


「そうです!」


 神谷が皆の意見を代表して言う。


「そうか、じゃあ星野なんで訓練をサボっていた。」


ダグラスがこちらに聞いてきたので嘘を交えて言う。


「すいません、実は最初の訓練の後は体調を崩してしまってずっと部屋に籠って居たんですよ。」


クラスメイト達は、私の言葉に嘘だ!とか仮病だとかほざいている。


「嘘だな。」


ダグラスは私を見据えて嘘だと答える。


「まあ、確かに最初の二日間は書庫と言う部屋に籠っていたようだが何をしていた。」


やっぱり把握してんじゃん。


「把握してるんだったら別に言う必要はないでしょ」


 ダグラスにわざとらしくストーカーを見るような目線で見る。

 関わらなければ別に何とも思わないけど、何か一方的に把握されると何かしゃくだ。まあ、目立つような行動した私が悪いけど。


「おっと、そんな目で俺を見るな、俺は気になったからお前の担当のメイドに聞いたら書庫にいったとか言われたんだ。文句言うならメイドに言ってくれ。」

「それで書庫に行ったら、ばあさんがお前は俺が休めと言った日から書庫に籠って書物をあさっていたらしいじゃないか。それを含めて何してんだ星野」

「なっ、お前は僕らが必死に訓練している時に本なんか読んでいたのか。」


 ダグラスが私が二日間の行動を知った経緯を説明して、何でそんな事していたのかと問いただしていると、神谷が口を挟む。

 だが私は、神谷の本なんかと言う発言にいらっとする。ダグラスも神谷を見て、何いってんだこいつ見たいな視線を送る。


「神谷、君は何でそんな事を言えるんですか。」

「なんだよ、本当の事を言っただけじゃないか。」


 急に話を振ってきた私にどもりながら答える。


「神谷、今の発言には感心しないぞ。それに俺が聞きたいのは休めと言ったのに何故無視して書庫に籠ると聞いたんだ。別に本を読むことに対して文句を言った覚えはねぇぞ。」


 ダグラスの発言に、北山グループと委員長、先生、クラスメイトの何人かは気づいたようだ。


「何でですか、僕達が必死に訓練してる中こいつは本を読んで怠けてたんですよ。それにこいつは皆の輪を乱す不穏分子なんですよ注意して何が悪いんですか。」


 はぁ、今まで何してたんだこいつ《神谷》は、クラスの代表だろうが。

 私は呆れ果て、少し強い口調で言ってしまう。


「神谷は今、何処に要るんですか。」

「は?」

「だから神谷は今、何処に要るんですか、」

「それは、聖国にある訓練場にいるんだろ、今はお前がサボった事について話しているんだ話をそらすな!」


 神谷は私の問いに訳が分からないと言う感じで答え、答えた後話をそらそうとしてると思ったのか、私に怒鳴る。


「なんだ分かっているじゃないですか、そこまで分かっていて何故本を読むことがいけないんですか。」

「はぁ?」

「因みに、私の問いの意味に委員長は分かったみたいですよ。」


 委員長は私の質問になるほど、と言う顔をしている。クラスメイトの何人かが分かったのに神谷とクラスメイトの大半はまだ分からないみたいだ。


「はぁ、もうだめですね。」

「なにがだよ!」

「神谷、私がこの世界に来て思った事を全て言います。確かに身を守るすべを身につけるけ、自分の実力を確認するという事じゃありませんでしたか?それに正式な訓練はまだでしょ。それより最初にするべき事があるはずです。」

「何の事だよ、僕達がすべき事は、魔王を倒す事だろ。」

「確かに王様から聞いた事をそのまますると、そうなります。ですが、今は私達がいる場所は少なくとも言語は通じているが異世界と言う名の他国だ。そこに無知も同然で放り出されたんだ、本を読んで調べるのは当たり前の事だ。」

「何を言ってるんだ。」

「この他国と言う名の世界にはステータスがありスキルがあり魔法がある。そんな場所に要るのに何も調べないなんて、馬鹿なのか。それにこの世界には魔物と言う国を簡単に滅ぼす生物がいるのに君はどう対処する。そんな未知の場所に要るのに何故君達は情報を集めようとしない。しかもそうやって調べてるのに君は本なんかと、それとも君達は情報何か集めなくとも全ての事に対処できるのか。これで分からなければ私に指図するな」


私は神谷バカに呆れて、本音まで言ってしまった。


「今の星野の言う通りだぞ、この国の者としてはあまり言ってはいけないが正直、書庫に行ったのが星野だけと言う事に私は呆れていた。戦えるか戦えない以前に何がいて何と戦うのか調べるのが先だろ。それに神谷お前は星野が足を引っ張ると言う発言には誤りがあるぞ。」


ダグラスの発言には私以外、頭の上に?を浮かべている。


「どういう事ですか。」

「だから、今の星野はお前らの何倍も強いぞ」

「「「「「「!?」」」」」」


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