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ユニークスキル「愛の手料理」

「変化あった?」

「あった」

「私の異世界料理を食べると、すーくんの基礎ステータス値が上がるの」

「基礎ステータスを? それはすごいってか、ありがたいな」


 一時的にバフをかけるサポートスキルならよくあるが、基礎ステータスそのものを上げるのは、聞いたことがなかった。

 RPGのやり込みでたまにある、ドーピングアイテムのようなものだろう。


「スキル名は愛の手料理だって。きゃあきゃあ、なんだかシステムにまで、すーくんと夫婦認定されているみたい♥ 対象者はすーくん限定なんだよ」

「すごい名前のユニークスキルだな……桃のステータスは上がらないのか?」

「うん。上がらないよ」

「桃のユニークスキルなのに、俺専用なのか……珍しすぎるな」


 ユニークスキル「愛の手料理」LV EX

 対象は、冒険者「武宮 昴」限定。異世界料理に基礎ステータスUP効果を付与する。


「でも、説明がすごくざっくりだから、詳細はわからないの。どんな感じだった?」

「検証しないと、ルールは把握できないけど……とりあえず今の一食だけで、HPと俊敏が5上がった」

「……う~ん」

「なに」

「思ったより少ない。つよつよスキルを期待してたのに。それだけ?」

「あとは、ステータスポイントっていうのが、20ある。どうも基礎ステータスへ好きに振れるってぽいな」

「お~。たまにあるよね、そういうRPG。私そういうの、どこに振るか迷っちゃうタイプ。色々考えるだけで楽しいんだよね」

「よし。攻撃力に全部振ろう」

「相変わらず脳筋だね~、すーくんは」


 そんなわけで、武宮のステータスは攻撃力がさらに20上昇した。


 武宮 昴 18歳 男

 レベル5

 HP 270(+5)

 MP 6

 攻撃力 85(+20)

 防御力 60

 俊敏 25(+5)

 魔力 6

 精神力 36


 ステータスポイント 0


 スキル: 斧術LV1


「ねぇ、すーくん。食べるたびにステータスポイント20加算するなら、いっそレベル上げないでずっと異世界料理食べていた方が、強くなれるんじゃない? すーくん大食いくんだし、お腹もいっぱい、ステータスもがっぽがぽだよ?」

「どうだろうな。なんとなく、そう簡単な話ではない気がする。まぁ、今日はもう夜だし、検証は明日やろう。モンスター飯も在庫がないし」

「む……冷蔵庫になにか保管しておけばよかった」

「風呂入ってくる」

「あ、沸いてないよ。掃除もしてない」


 さっきお風呂が選択肢に入っていた気がするが、料理を作ってもらっている身なので文句を言える立場ではないだろう。


「わかった。じゃあ、掃除して、沸せておくよ」

「うん。一緒に入ろうね」

「こ、断る」

「もう~、恥ずかしがり屋さん!」


 なんてことを言われながら、武宮は風呂掃除を始めた。





 翌日の朝。玄関で2人は靴を履く。桃が扉を開ける前に、問いかけてきた。


「忘れ物ない?」

「ああ」

「ふふふ、可愛い寝癖ついているよ。ナデナデして、直してあげるね」

「うぐっ、ご、ごめん」


 桃の手櫛で、てっぺんに出来ていた寝癖を修正される。

 桃は白い長袖のトップスで、胸元に赤いリボンが結ばれている。生地を押し返す胸の膨らみはぶ厚い。膝の辺りまでを隠した赤のショートパンツを穿き、白肌の綺麗な足が眩しかった。

 武宮は青のジャケットに白のトップス、カーキ色のズボンを穿いている。桃より身長は高いが、中肉中背で平均的だ。

 そんな2人がマンションを出て、バスで街中を移動して10数分後、ダンジョン協会の支部へと到着した。

 駅の近くに設立された、5階建てのビル。その最下層に受付と、異世界「フィールド」への扉である「ゲート」が常設で現れていた。

 受付にてステータスを提示し、手続きをする。出る時も同様のことをして、帰還を協会と共有する手筈だ。

 そして奥の厳重とした扉を開けると、開けた空間へ出る。その奥に、広い光が空間を歪めていた。


「今日は「愛の手料理」の検証だね~」

「そうだな。食べれば食べるほど強くなれるのか、ルールがあるのか……色々と試してみよう」


 2人はそんな会話を軽く交わし、ゲートを潜った。





 空気感が変わる。

 街中とは違う、新鮮な自然の空気だ。

 辺りには広大な草原が広がり、豊かな自然がどこまでも伸びている。高い山が長く続き、その周辺には森が乱立していた。

 現代日本ではまずお目にかかれない、RPG序盤のフィールドのような草原だ。

 武宮と五十嵐は、共通スキルである「アイテムボックス」を発動させ、武器を取り出す。


 アイアンアックス 攻撃力+30 要求 斧術LV1以上

 ロングソード 攻撃力+20 要求 剣術LV1以上


 斧が武宮、剣が五十嵐の武器だ。どちらも協会で購入した武器。

 斧は90センチほどの両手斧で、剣は100センチほどの両手剣。

 五十嵐は魔法剣士タイプで、後衛も前衛もこなすことが出来る。


「向こうの、森の中へ行こうか。スライム食べたらどうなるか、試してみたい」

「うん、わかった」


 スライムは冒険者初心者が狩る定番のモンスターで、死体を切り取れば、そのゼリー部分は食することが出来る。

 栄養満点ならしい。

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