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魔眼の転生者 〜忌避された者たちは、かけらの希望を渇望する〜  作者: Ruqu Shimosaka
第三章 ヴィント州

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第84話 サトウキビ

 農園を案内してくれている人が、サトウキビの育て方を教えてくれる。

 サトウキビは育てるのに意外に水が必要だと知る、雨季は問題ないが乾季には水やりが必要とのこと。

 さらに味見してはどうかと、食べられそうなサトウキビを選んで収穫してくれ、食べられるように小さく切って皮を剥いて渡してくれた。


「繊維は吐き出してください」

「おいしい」


 モニカは躊躇なく食べたようだ。

 オレもモニカに続いて食べると、独特の青臭さがあるが甘い。

 案内してくれている人から、汁を絞って柑橘類を追加すると美味しいと教えてもらう。


 アンナは繊維を吐き出す必要があるためだろうか、食べるのを躊躇している様子。同行していたイナがコップを出してオレに手渡してきた。

 サトウキビから汁を絞れということだと理解して、魔法でサトウキビから汁を搾る。さらに、案内してくれている人がレモンのような果実を持ってきてくれたため、果汁を搾りいれる。


「美味しいです」


 他の人も欲しがったため、オレとヴェリで作っていく。

 甜菜と違ってそのまま食べられるのはいいな。


「しかし、サトウキビがあることをベーゼン商会に探してもらう前にしれてよかった。近くにあるものを遠くまで探しに行ってもらうところだった」

「そうですね」


 サトウキビの味見が終わったところで、サトウキビ畑の見学を終わる。

 次はヤシを植えている場所まで向かう。

 遠目でも背の高いヤシの木は見えていたが、川沿いに田んぼや畑の範囲を超えて植えられている。


「ヤシは複数の種類を育てております。ココナッツが実るヤシの場合は、エンデハーフェン周辺の木材不足を解消するために植えている側面もあります」

「草原に木は少ないからか」

「はい。ヤシは海水が混じるような場所でも育つ強い植物であるため、海に近い場所にも植えられるという特徴があります」


 農園周辺は海水が混じることはないと補足しながら、ヤシの植生を説明してくれる。


「ではココナッツを分けてもらっても問題ないのか?」

「ええ、必要なだけ持って行っていただいて問題ありません」


 許可をもらったところで、オレとヴェリが魔法で収穫する。

 収穫したものがあると言われたが、ヤシの前まで来ているので自分たちで収穫することに。

 今回は実験するための数を確保できればいいため、大量に収穫はしないことにした。距離がそう離れているわけではないため、必要になったらまた農園までくればいい。


 ココナッツの収穫後、他のヤシも案内してもらう。

 デーツがなっているものから、油を取るためのアブラヤシという品種まで植えてられているようだ。アブラヤシは果実から油が取れるとのこと。

 種子をもらうために果実をいくつかもらっていく。


 ヤシが植えられている周辺は果樹園になっているようで、採取したバナナから、見つけていなかったマンゴーやライチと多種多様な果実が実っている。

 種子が欲しいと伝えると、果実ごと収穫して渡される。


「種子を集めているのでしたら、エンデハーフェンの倉庫には珍しいものも運び込まれております。ここで栽培している植物の一部は、ローシュタイン大陸から運び込まれたものも含まれています」

「そうだったのか」

「ヴィント州の気温や植生は、ローシュタイン大陸に非常によく似ているようです。色々と持ち込まれています」


 南にある大陸と同じ気候か。

 季節が反転するのもローシュタイン大陸であるため、大陸自体が赤道を超えた位置にあるのだろう。

 一部の気候が似ていて当然か。


 農園を回りながら、野菜や穀物の種子も一通りもらう

 説明を受けながら農園を一周すると、一日が終わるほど様々なものを栽培しているのがわかった。

 案内してくれた人にお礼を言って、日が暮れる前に農園を離れる。


「明日は倉庫に向かおうか」

「そうですね」

「しかし、お礼を伝えただけで、ああも喜ばれるとはな」


 案内してくれた人の対応はとても丁寧なものだった。

 本来の仕事を一日休ませてしまったこともあり、丁寧にお礼を伝えた。すると、とても感動した様子で喜んでいた。


「ゲオルクは長官であり公爵ですから」

「ああ、そうか。公爵どころか、貴族となった実感がいまだにない」

「急には変われません。それにゲオルクはゲオルクです」


 オレはオレか。

 肩書きで急に変わるものではないか。

 とても納得した。


「それもそうか」

「ええ」




 今日は倉庫を見学するとホスルト卿とユッタに伝えると、ユッタも倉庫を確認したいというので、一緒に向かうことに。


「こちらの倉庫には食料が運び込まれているようです。加工前の作物もあるため、種子が付いているものもあるかと」


 ユッタが資料を見ながら教えてくれる。

 ヴィント州にはエンデハーフェン以外にも当然町や村があり、交易として色々と運び込んでいる。

 特に今は、街の人口が増えているため、倉庫には大量の食料が積み上げられているらしい。


「これはオリーブですね。ヴィント州でも北の方から来ているようです」

「オリーブは欲しいが、北だと育つ地域の温度がエンデハーフェンだと違いすぎるかもしれない」

「では、近い場所ですと、コーヒーがあります。あ……失礼しました、これは高地から来ています。これも除外したほうが良さそうです」


 食料というより、嗜好品であるコーヒーまであるとは驚く。


「コーヒーまであるのか」

「コーヒーは私もよく飲みます。帝国がローシュタイン大陸に進出して以降、お茶と同様によく飲まれ始めたと聞いたことがあります」

「今度飲ませてもらおう」


 コーヒーはヴァイスベルゲン王国では見かけなかった、あまり輸入されるものではなかったのだろう。オレもコーヒーは前世では眠気覚ましに飲んでいた程度で、好きで飲んでいたわけではないが、久しぶりということもあって飲みたくなった。


 コーヒーは種子の状態で倉庫の中にあったため、一応モニカに渡しておく。

 倉庫の中を探していくが、意外に育てられそうなものが少ない。あったとしても、昨日農園で教えてもらったものが多い。


「育てられそうなものは意外に少ないな」

「主要な作物は農園で育てられている可能性が高いかと。珍しいもので嗜好品に分類されるものは栽培されていない可能性はありますが……」


 栽培できるものならすでに栽培されているか。

 モニカなら育てられる可能性もあるため、種子があるものは全てモニカに渡しておく。運が良ければ育つものも出てくるだろう。


「食料が運び込まれている倉庫はここだけか?」

「いえ、まだあるようです。ですが、米や小麦だけの倉庫が多いようです」

「新しい作物は見つけられないか……」


 思った以上に早く倉庫の確認が終わってしまった。


「食料以外の倉庫は港や町を作るための素材が運び込まれているようです。レンガ、セメント、木材、鉄鉱石、石炭、砂……」


 色々な素材をユッタが上げていく。

 気になったのは、鉄ではなく鉄鉱石なのか。


「エンデハーフェンで鉄を作っているのか?」

「はい。鉄鉱石と石炭は比較的近くで採掘できるようで、鉄を作るためにエンデハーフェンの中に高炉があるようです」


 鉄をエンデハーフェンで作れるのはありがたい。


「鉄を私的に使っても問題はないか?」

「ゲオルク様であれば問題にはなりません」

「それならモニカの大砲を作るのに使わせてもらうか、シーサーペントの対策にもなるだろう」


 ココナッツの種子を発射させる大砲を作るには大量の鉄が必要。

 ベーゼン商会に買い付けてもらう必要があるかと思っていたが、町の中で揃うのならすぐに制作にかかれる。


「シーサーペントの対策であれば公務です」

「確かに」


 公務なら、設計から手伝ってもらってもいいだろう。

 高炉がある場所へと案内してもらい、作って欲しいものを話し合う。

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