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半径1メートルだけの最強。  作者: さよなきどり
第二節 〜忌溜まりの深森〜
18/129

018 設定、雑(ザツ)か?

この世界にとっての魔晶石って、のお話です。

この世界のチュートリアル編2です。


ご笑覧いただければ幸いです。

 ナニそれ? 納得できないんですけど。酷く不便なんですけど。僕ってお金の計算が出来ない残念な子扱い? いや、現在日本ではそのような子でも権利と保護が確約され……そうですか、此処(ここ)は異世界ですか。


「各硬貨は通貨として売買において勿論普通に使えますが、先ほども申した通り、魔術効果を得る為には、魔道具と組合わせて」


 と、革袋から十(イエン)硬貨と着火棒|(そのままズバリのチ○ッカ○ン形状。不思議)を取り出し、『握り』端部に填め、僕が集めた薪束に近づけ「火よ」と唱えると一瞬だが火花が散った。そして硬貨は消えていた。

「この様に着火の用途に使用できます」


 それ程ドヤ顔することか?

 『火』って言ってたけど、唯の花火で炎の形状にはなってなかったよね。音声作動方式はオオー! って思ったけど、根本機能としてはどうなの?


〈∮ 検索及び検証考察結果を報告。

 極小で区切られた空間にて気体の超高圧現象を確認。電解を伴う極所による圧縮高温現象により火花が発生。この花火は本物です。

 魔法で具現化し、擬似的に作られた偽物ではありません。物理に基づいた、自然現象です。

 因みに着火に使用したあの魔道具には魔法を成立させる為の魔法陣が驚く程に微細サイズで刻まれています。魔法陣の直径は二ミリ、魔術回路幅は一ナノです 。

 と結論 ∮〉


 一ナノって元世界(あっち)での超絶精密品である最先端ICチップでも実現出来てはいない。多分に現行の科学技術では再現不可能な高等技術だ。


 それを……でもさ、何だか大げさすぎないか? 火をつけるだけならマッチ一本でよくね。リンが貴重ならそれこそ『火打石』でよくね? クロマニヨン人さん達も使ってた。譲って『オイル式のライター』だって一ナノの精密器具よりはコスパだって構造的にも断然いいはずだ。

 でも突っ込まない。黙ってる。大人だから。


「十(イエン)硬貨一枚では薪に火を灯す程度ですが、五十両立ての汽車では一(キョロ)に十万圓分が必要と言われています」


 なぬ!?今、五十両立ての汽車って言ったか? 大量輸送手段が確立されている?


 この世界の文明度を中世程度と思っていたが、考察の再度の変更が必要か?

 大量輸送が可能であるならば必然に産業革命は済ませているはずだが? それでも王様や貴族が存在している? 直接統治は行なわない立憲君主制なのかな? 王室はいらっしゃるけどの議院内閣制ではないだろうが、サキュバスっ娘《サチ》たちの話しぶりからはやっぱりの専制君主制っぽいんだけど……お決まり魑魅魍魎系っぽいんだけど。


 元世界(あっち)の近代研究で判明している事がある。

 産業革命が自然発生する絶対条件はただ一つ、経済成長に伴う一般平民の生活及び文化レベルの向上だ。即ち拙くても民主主義が絶対条件となる。経済発展は民主主義からしか生まれない。

 その後を独裁政権が簒奪し活用するのはまた違う話し。

 産業は上から下向する事はなく、下の底上げ・積み上げから生まれる。ごめんなさい、思想じゃないです。万人の欲です。


 ()れと。

「汽車って言ったけど、もしかして蒸気で走るあれか?」


「そうか、田舎者は見た事ないか、ウムウム」

 何だか悪い方面で嬉しそうだ。それに、今更ながら現況会話が成立している……よな。やっぱり通じてる。

「そうだ、魔力で蒸気を造りだし動く。見たら驚くぞ。大陸を横断して各国を繋ぐ。国同士で戦争を起こしても汽車を止める事は無い。大昔からの決まりだ」



 異世界のインフラに不思議有り。


 火力発電も原子力発電も実は得られたエネルギーを一度蒸気に変換して使用している。蒸気変換はもの凄くエネルギー変換率が悪く無駄の極地だが、それでも使い続けるのは使い勝手がいい、元々の大きすぎて手に余る力をコントロールにしやすくする。その一点だけが理由だ。


 ただし、炉の大きさがネック、小さく出来ない。汽車が限界、自動車程度では効率が悪い。蒸気自動車って早いうちに廃れたでしょ。うんちく。


 でもさ、魔力だろ。一ナノの魔法陣だろ。夢の魔法だろ。どうして直接車輪を廻さないのかな。なんで蒸気に一度変換する必要がある。


 何度でも言う。火花を飛ばすのに一ナノ幅の回路を持つ魔法陣って?……一瞬の火花で十円って高くない? 確実な燃焼を維持するマッチなら時代的には十円は高くないかも知れないけど、火花だぜ。一瞬の。

 サキュバスっ娘《サチ》の好きな言葉じゃないけど。費用対効果最悪じゃね?


 そしてサキュバスっ娘《サチ》の話しでは()()から蒸気機関車は在るらしい。どうして其処(そこ)から長い時間が経っているのにしていない。そして、これが最大の疑問、『戦争してたって止まる事は無い』だって?


 複数諸国が入り乱れている中、その干渉を受けず、どうやってその独立性を保っていられるのか。

 それって経済活動に限っているのであろうが、元世界(あっち)でも実現できていない国連を超えた高度な『統一世界機構』じゃないか。

 人格者(できた人)の集まりか? いい人なのか? でも戦争はしてるっぽい。

(後の後の、本当の一番最後に知る事だが、いたらしい……一千年前に)



「ねえ、サッちゃん。お話は解ったけど、薪に火が着いてないわよ。ちょっと寒くなってきたからサッサと火を起こしたちょうだいな」

 ハナ、全てを壊す怖い子。

 そして今までの話し、現代日本人(転生者)として解ってないだろ。僕のシリアスを返して。


 その後、軽く二千圓分をたっぷり(ざっくり2千円分)使い、やっと火をつける事に成功。ホントに野宿したことあるのか? 設定では案内人を専門とする冒険者だよな? ポツコンか?


「設定言うな! 失礼な! たまたまだ! たまたま。私は(れっき)としたな乙職二種だ!」


「設定なの」とハナ。


「違います。私は立派な独り立ちした“案内人”を生業とした冒険者です」

「犯罪に手を染めるやつだ。食いっぱぐれのポンコツなんだろ。察しててやれ」

「サッちゃんポンコツなの?」

「酷いですエリエルさま! 食いっぱぐれはホントですが、仕事はオババ様に命令されて仕方なくです」

「食いっぱぐれは本当なんだ。ところでさ、僕の異世界語(ことば)、理解してらっしゃいますよね」と僕。


「……えっ、なにが?…アナタのコトバワカライ」

「頭悪いだろ君」


「……取り敢えず、主様の御国を含め、この大陸の全ての国々の公用語で有る言語が使えるようになって何よりだ。訛りが酷くて下品でも良しとしてやる」と偉そうにサキュバスっ娘《サチ》。



 それ、元世界(あっち)ならポリコレ差別発言で摘発されるぞ。それに何故に上から。まぁそれは置いといて、またまた驚いてやる。

 全ての国の共通公用語だと? 嘘だろ? あり得ないだろ? それは全ての異種間で言語の差異が無いって事だぞ。戦争(ドンパチ)するほど仲がいい国家間で?


 元世界(あっち)では驚く位に狭い範囲でも言語の差は激しい。例えば欧州では元の言語がラテン語系でも今ではフランスやスペイン、ドイツ等、その民族・人種・国家・地域・宗教その他あらゆる事情で明確な異差が生じている。それが当たり前だ。


 それとも過去に超巨大で強固な統一国家が存在し、強制的に変革されたのか。それはあるか。

 そう考えると統一された通貨も言語も廃れた工業技術等の各種謎も一様の解答となるか。


「そんな統一国家など、この大陸にはなかったはずだ。私が知る歴史ではこの一千年のうちではな」



 無いのかよ?

 設定、雑か?

 結局は異世界ファンタジーのなんちゃって世界観なのか。

 それでも。

『魔晶石硬貨』の話に戻る。

 何だかんだ言ってお金の話は大事。大概において社会運営 (インフラ)の基盤は良いも悪いもお金のお話し。


 今までの話で異世界(こっち)の通貨はそのまま魔力=国家の基幹エネルギー源|(石油や電力等の事)、おそらく軍事力にも直結した話だと思うけど。 


 消費と需要の関係からバランスが取れているのか? 魔物を狩れば魔晶石は取り放題だから貨幣は鋳造放題なのか?

 そうかも知れない。今や主流に成りつつある? 経済理論『お札はどんどん刷っていい理論』に当てはめると納得だけど、それを行うのには強固な国家基板が前提となり精密なバランスコントロールが必須だ。出来ているのか? 異世界(こっち)で?


 それと『お札はどんどん刷っていい理論』で行くと、もっと経済発展していなくてはならない。経済発展はすなわち設備投資からの技術発展がメインだから。

 出来てるのかなぁ異世界(こっち)で。


 落国の民(アッシュ)がマジで世界銀行的な経済金融業務を担っているのか? なんで? そんな労ばかりで理の少ない面倒臭くて手間ばかり掛かる苦行を好き好んで行ってるのか? 何故に?


 魔物狩り=魔晶石取得=主要エネルギー資源の獲得が完全管理されてる。それは魔晶石の買取価格でどうにでも出来るってことだ。国を滅ぼすことも。世界の嫌われ者で蔑みの対象である落国の民(アッシュ)がだ。

 結論、世界は落国の民(アッシュ)が動かしている。


 そしてやっぱり異世界は不思議がいっぱい。

 まあ、魔法が有る時点で充分に可笑しいんだけどね。



「ところでちょっといいですか?」とサキュバスっ娘《サチ》。


「警報機の二万圓とか焚火着火五千圓分とか、逃避行に伴う道案内業務に於いてですね、これから増え続けると懸念される、その他諸々の出費はですね、別途経費で落として頂けないでしょうか。そうじゃないと非常にですね、困る事になりまして」


 ハナとサチが僕の思考を無視して隅でごちゃごちゃ言い争っている。

「領収書出してね、ウチの執事は何かと五月蠅いのよ」

「そんなー、警報機に領収書を出す機能は付いてないですよ。二万圓は痛いですよー」

「それはウチでは無く、自分の会社(アッシュ)に文句を言って。今時領収書の発行を渋る業務体系なんて鼻で笑われるわよ」

其処(そこ)をなんとか」

「それと、あんた露骨に料金高くなってない。二万圓とか五千圓とか。細かくてゴメンね、至微で申訳ないのね。でも一万圓だし二千圓だよね」

「手数料です。落国の民(アッシュ)ですから」揉み手モミモミ。


 ほのぼので何より。

お読み頂き、誠にありがとうございます。


前話に引き続き、『お金と経済』っぽい話が出てきます。

 本文で語られる事柄は私の一方的な見方に過ぎません。

端折ったり大雑把だったり極論・歪曲もあるかも知れません。

その事によってお怒りの方やご不快に思われる方もいらっしゃるかも

知れません。申し訳ありません。

 しかしながら『お金と経済』のお話しは魑魅魍魎系です。

色んなご意見が御座います。いろんな見方も御座います。

現にお上の為さりようもゴニョゴニョ。


 やっぱり自分は『雰囲気』って言葉が大好きです。言い訳です。

ですが所詮妄想物語です。ファンタジーです。どうぞ寛容に笑って

許して下されば有り難いです。よろしくお願いいたします。


少しで面白いと思って頂けたならば、ブックマーク・いいね ・評価を

ポチッと、お願いいたします。

毎日更新しています。


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