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紅蓮の炎  作者: 深水拓海
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第二十八話 ハリウッドの悪夢

ルナールと神風丸がエミリア・アンヌがいる撮影現場に向かっている所グレンは一方的にある人物と会う為にハリウッドの郊外のスラム街に足を踏み入れた。そこは輝かしいハリウッドからはかけ離れた貧富の差が激しくホームレス達が細々と生きている。そこに中国から来た妖女が占い師をしているとの噂を聞いてグレンは薄紫色の大きめのテントにいる。

「会うのは何年ぶりだろうか・・・とはいえ早速入ってみるとするか。」

あたり一面注射針や麻薬入りのお菓子、売春宿にネズミの死骸など治安がとても悪く背中を丸めて腰の曲がった爺の様に苦しみながら歩き回る重度の薬物中毒患者がいることからハリウッドにも嘔吐物に塗れたものはここに蔓延っている。

「このハリウッドにも光と影がある。それはどこへ行っても同じか・・・」

そして紫色のテントの中に入った。

「お邪魔するぞ。」

その中には中国から来た占い師がいた。彼女はダッキ、古代から生きる妖狐の妖でグレンとは腐れ縁である。

「よく来たわねグレン、私が出した以来のことちゃんと覚えててくれてるのかしら。」

「忘れるはずもないだろう。ついさっき携帯のメールで受け取ったからな。」

「あら、やけに素直ね。ここ最近まではメールを送っても見てくれないから。何か変わったことでもある?」

「少しな。」

グレンは少しムスッとしているがメールの連絡をしないグレンがメールの依頼に来ることにダッカはホッとした。彼女はわかっているのだ。

「その以来ってなんなんだ女狐。」

「その言い方やめて。メールで見たでしょう、ある中国人女性があなたに依頼したいことがあるのをね。」

「依頼を受け取るのは20〜30年ぶりか・・・長くはないようだがな。」

「これでも十分長いでしょうに・・・」

ダッキは呆れるように言ったが依頼を素直に受けるグレンの姿を見てホッとした。誰かを信じずに依頼なんか受けるつもりなどないと思ったグレンが・・・

「何があなたを変えたのか知らないけど多分いい出会いをしたからかもしれないわね。」

ダッキはグレンの変わりようを見て少し微笑んだ。

「それで?依頼とは一体なんなんだ?」

グレンは依頼の内容を教えて欲しいと言った。

「ええ、かなりしんどい思いをするかもしれないけれど覚悟しといてね。」

その意味深な言葉と共にある古びた服を着て何かに怯えるようにガタガタ震えている中国人女性が現れた。

「誰だこの女は。」

グレンは見ず知らずの女は誰だと聞いた。

「彼女を刺激しないで・・・!この子は魔の巣窟ハリウッドから命からがら逃げてきて心身もろともボロボロの状態で逃げ延びていったのよ。少しは心配でもしたらどうなの!?」

ダッキはグレンの心無い対応を非難した。

「わかっているよ・・・で、それであのハリウッドに浅はかな夢を見て痛い目にあったのが間違いないだろうな。命からがら逃げてきたのはいいのだが私に依頼する理由をお前が話せ。」

グレンは女性に高圧的な態度で接した。

「ちょっと!いくらなんでも言い過ぎよ!」

「いいんです・・・全てあなたは他に話します。」

「え・・・いいの?」

「はい、ここに来たことくらい間違いでした・・・私の考えが甘かったからこんなことになったのです。」

「でもあんまり無理しなくても・・・」

「いいや話せ・・・全部な。」

グレンは女性からの話を聞いた。そしてダッキの抑えて女性はハリウッドで起きたドス黒い闇を余すことなく話した。

「最初はテレビで思ったようにハリウッドは夢と希望が溢れていると思い込んだ哀れな女の子が私なのです。」

彼女は当初ハリウッドには夢があると思い込み夢を叶えようとしていたが・・・

「そこがお前の人生を滅茶苦茶にすることとなるとは知らなかったのか。」

グレンは女性の気持ちを考えずに冷たく言った。

「ちょっと!それは言い過ぎじゃないの!ごめんね・・・この人人の心がわからないようでしたので・・・あとでちゃんと謝ってよね。」

「大丈夫です。」

ダッキはグレンを止めようとするも女性は気にしないでいた。

「そして親の反対を押し切ってハリウッドに入ったものの、そこには地獄が待っていました。ハリウッドは現実とは違って、枕営業や性接待をしなければのしあがれない仕組みになっていましてそれがどれほど残酷なことか想像し難い世界がこのハリウッドにはあるんです。それに格差による上司やスターたちによる嫌がらせ、ADは奴隷扱い、非合法な麻薬の売買、差別的な役割や表現やハリウッドでは考えられない安月給、パワハラセクハラの横行、セックスで出世するようなクソみたいなシステムがこのハリウッドにはありまさに悪魔を作り出している感じで怖いです。」

女は震えながらハリウッドの闇を余すことなく話した。

「それで、お前はそこで何を見たんだ?」

グレンが質問すると女性はさらに震えて辛い過去を話した。

「私はそんな希望もクソもないハリウッドに流されて生きてきてしまいには父親が誰かも知らない子供を身籠ってしまいました。」

彼女は望まない妊娠をしたことを話すとダッキが止めようとした。

「ありがとう・・・もう十分よ・・・これ以上話さなくても大丈夫だから。」

脱気が止めようとするも女性は嘔吐物を吐くように話した。

「それで中絶はしたもののその代償は大きく私は2度と妊娠できない体になってしまったのです。それからというもののそのことが仲間内にバレて仲間だと思っていた優しい人がプロデューサーにチクられて裏切ってしまいプロデューサーの怒りを勝った私は暴力を振るわれ何もしてないのに被害届を出しただけなのに仕事を干されて今はうちに帰りたくても帰れないホームレスの状態です。私は気が狂いそうな人生を強いられてきたのです。」

女性はハリウッドに足を踏み入れたことを激しく後悔し自分の愚かさとバカさを呪った。

「もう十分でしょ・・・わかったグレン、彼女は私が見つけた時は歯が全部虫歯だらけで身体中アザが見つかってゴミを食べていたことから体調が良くなかったけど私の決死の看病でここまで来れたのよ。お願いグレン、彼女を故郷へ帰らせて。」

ダッキはグレンにお願いしたがグレンの答えは真逆なものだった。

「自分の過ちを他人に押し付けるとか人間としてクソだろ。」

バン!

グレンは手に取った拳銃で女性を殺した。

「何するのグレン!あなたって人は相変わらず血も涙もないのね!」

ダッキが涙ながらにグレンを訴えた。

「私に頼んだのが彼女の間違いだった。他のやつなら潔く受け入れたものの・・・なんとも哀れな女だ。」

そしてグレンは何もなかったようにダッキにたった一つの質問をした。

「お前、エミリア・アンヌというあばずれはどこにいる?」

その言葉にダッキは隠すことなくエミリア・アンヌはハリウッドのスタジオにて撮影に向かっていると話した。

「あのエミリア・アンヌね・・・あの女狐なら今ハリウッドで撮影しているわ。」

「そうか・・・あいつがエミリアの餌になる前にボコボコにしなければな。」

そう言ってグレンは顔色変えてルナールの所へ向かった。

「行ってらっしゃいグレン・・・たとえ考えは変わらないけれどもきっといい人に出会ったのかもしれないわね。」

ダッキはグレンを心配しながら見送った。

「まずいな・・・エミリア・アンヌはルナールのバカが手に負えないようなクソ野郎だ。これはきっと想像以上に大きな仕事になりそうだ。」

グレンはルナールにはなく伝えなければならない。エミリア・アンヌが悪魔に魂を撃った売女だと!


そしてハリウッドの某撮影現場にて神風丸とルナールはエミリア・アンヌのある撮影現場にスタッフとして入ることが許された。

「ここがハリウッドの現場・・・8年ぶりとはいえとても緊張する。」

ルナールは久々のハリウッドに緊張が止まらなかった。

「まぁ、ここはリラックスしてルナール。あ あそこにエミリア・アンヌがいるぞ!」

「本当に!?」

そこには大女優エミリア・アンナの姿があった。 続く

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