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紅蓮の炎  作者: 深水拓海
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第二十七話 懐かしい映画

「ちょっと私の淡い記憶によると私は昔子役として映画「波風」の映画に出ていたことを思い出しました。」

「波風って梅毒にかかった異母姉を看病する異母妹のドラマ映画じゃないか!あのシャロン監督の話題作にお前が出ていたのか!」

「知っているんですかあの映画?」

映画好きのルナールにとって同じ映画を共感できる人と初めて出会った。

「勿論さ!ハリウッド映画賞で一位二位を争ったという2008年の米国最高傑作として名高いあの波風か!?ありゃ俺もあの映画を見て涙が滝のように流れるくらい泣いたよ!」

「また嘘のよう話を・・・」

ルナールは神風丸の嘘の話を聞いて呆れるも波風という映画はシャロンの最高傑作として名高い作品で腹違いの姉妹が梅毒を患う姉の看病をする異母妹の物語である。ハリウッド賞では主演と助演の女優賞と衣装デザインの三部門を受賞したが作品賞を含む主要部門は全てインド映画が持ち去ってしまった。

「あの時はあのインド映画がとても強かったな。」

「ええ、悔しいですが認めるしかありませんね。おばあさまであってもあのインド映画はとても評価が高くてとても私じゃ追いつかないくらいに素晴らしい作品だったっていってたから。」

神風丸は波風の大ファンであり飽きるくらい映画館で何度も見たことがある。

「はぁ、困ったものです。同じ映画を何度も飽きることなく見続けているとというのは普通の私から見ればなんとも不思議に感じます。」

ルナールは熱狂的なファンの心理に呆れて苦笑いした。

「それはさておき私は昔この波風で助演女優賞を取ったこと覚えておいて小さい時に初めて演技してそこでは小児梅毒にかかって苦しんでいる子役を演じて仲違いの姉妹を結び合わせるキーポイントのかなりプレッシャーのある役どころを見事演じ切ったのです。」

「ほほう、おまえさんが初出演にして初受賞をした子役かいな?」

「ええ、まぁ・・・」

ルナールは照れながらもそれを認めた。

「でもその役やるのにとても苦労しただろう?」

「はい、この役は並大抵な子役でも骨が折れる演技でメイクアップに5〜6時間かけてメイクして食事制限もとても厳しかったのを思い出します。あとそれから役になりきるために性病や末期患者の写真を見て考察しなければなりません。」

役に成り切るためにはまず梅毒という病気を1から学び見たくないものもこの目で見て役の理解をしなければならなかった。シャロンはその点に関してはとても厳しかったという。

「なるほどな。確かに梅毒患者の写真など小さいガキ共には刺激が結構強すぎる。まるで子供にアルコール度数の高い酒を無理やり飲ませる感じの虐待紛いなことを心から受け入れなければ役になる資格はないってわけだな。」

「はい、祖母はあんまりこういったやり方を子供達に押し付けるつもりは最初からなく私に目を向けて彼女ならこの役をやり切れると理解したのです。普通だったら精神崩壊して発狂したり泣きじゃくって演技に集中できなくなり親からのクレームで制作に難が出たりなどそば粉のことに関してはかなり苦労したと思います。」

「そうか・・・あの偉大な女性映画監督であってもこの映画はオホーツク海で大量のタラバガニを一攫千金の為に安全無しで海に出る男達のようにならなければならないからな。そりゃ、このシャロンの婆さんも骨が折れる訳ってね。」

それもそのはずこの映画には全てがかかっており妥協している暇もないのだ。

「それでも私は1人の役者として、というかこの頃の私は素人どころか今役者の演技をやったのは2〜3年前にやったきりで本当に久しぶりだから大根役者のようになまってしまってないか心配ですが・・・」

ルナールが本格的に役を演じたのは2〜3年前とブランクがある。あの時の演技ができているか彼女は心配していた。

「何気にする必要ないぜ。ブランクがあろうとなかろうと初心を大切にすればそれでいい。」

神風丸は優しく宥めた。

「ですね、昔祖母の顔に泥を塗りたくないと力んで演じた時祖母からそれでは良くないと指摘して私は何度も100テイク以上やらされてうまくいかずに悔しくて涙が出てしまいましたが祖母から「何がなんでも1人で演じようとしないで。役と心と体を一つにし役の心を理解し尊重することが大事なのです。」と私にわかりやすいように教えてくれました。そして翌日に私は役の心を理解し尊重をすることで役の幅を大きく広げることができました。そしてその演技はみんなを驚かせるほどに良い演技をしました。そして私はこの役で助演女優賞を得ることができました。それが最初で最後の映画での演技なるとは思いもよりませんでした。ある事件が起きるまでは・・・」

ルナールは自身の演技経験を変えた「波風」での映画撮影と正しい演技の仕方を学んだがそれと同時に彼女の過去に暗い影を落とすようになった。

「それで主演はエミリア・アンヌでしょ。あの女結構大物じゃないか?」

「ええ、ですが久しぶりに会うにしても怖いんです。私の顔覚えてないか・・・子役の頃だったからあんまり覚えていないかと。」

ルナールはエミリア・アンヌとの再会に緊張してきた。自分の顔を覚えてないかそして神風丸はいいアイディアを思い浮かぶ。

「チャンスを得るには急いだほうがいい。今日エミリア・アンヌはハリウッドで撮影するらしいぞ!」

「本当ですか!?」

「ああ、俺を誰だと思っている!情報屋にしても腕が抜群なんだぞ!」

なんとエミリア・アンヌがこのハリウッドで撮影しているという朗報があったのだ。

「早速撮影現場に行くぞ!」

「えっ!?今からですか?」

「当たり前だ!善は急げってんだ。早くしないと撮影が終了しちまうぞ!」

そして2人はエミリア・アンヌのいる撮影現場は必死に走った。

「待っててくださいエミリアさん。あなたならきっと分かり合えるはず。」 続く

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