第二十六話 アルバイト
「さぁ、エミリア・アンナに会いたいなら俺の手伝いをしてもらわなけらばならない。まずは荷物運びから始めるぞ!」
「荷物運び!?」
それはルナールが働き蟻みたいに重い荷物を運んで手伝うというものである。
「私あんまり力持ちじゃないんで・・・」
「そう、だったらこの話は無しということで。」
「ちょちょちょちょっと待ってください!重い荷物を持ち上げられますから手伝わせてください!」
「そうか・・・お前、なんか空気変だがまぁ俺は気楽になれるし助かるよ。」
そしてはルナールは重たい荷物を腕が折れるくらい重い荷物を漬物石を多く持ち上げるかのように神風丸と共に行動したが・・・
「もう限界・・・!無理!この役割に何が意味あるの!?中身がどんなものかも知らないけれどもこの重さは計り知れない!」
ルナールは必死に堪えて重い荷物を運び続けた。
「頑張れよルナール、あと15分程度で着くからのんびり亀みたいに歩いていいからね。」
「あと15分!?」 ガーン!
ルナールは先の見えない苦行に落胆していた。
「こんな意味もない荷物運ばさせてあの人は本当にエミリア・アンヌさんのことを知っているのかな?」
ルナールは神風丸が本当にエミリア・アンヌと何らかの関係があるのかすらも疑っていた。
「それでもどんな苦行が待っていようともエミリア・アンナさんに会うまでは辛抱しなければならない!ふおおおお!!」
大声を上げてルナールは大きい荷物を運んで自ら苦行の道を歩んでいた。彼女はエミリア・アンヌに会うまで神風丸にどんなことをされても利用されても構わないのだった。
そして神風丸とルナールはハリウッドを遠回りしてハリウッドの外へ行ってしまった。
「さてと、ここで遠回りっと。ふぅ、俺が行きたかったのはここの何もないハリウッドから外れた街並み。ここへ来るのに随分と世話になったなルナール。」
ここへ来て20分だってルナールはへとへとの汗だくだくになって重い荷物を運んで下ろした。彼女の顔はまるで工事現場で休みなしにへとへとになっている工事現場の作業員のようにくたくたで目にクマができていた。
「はあ、はあ、こんなのいつまで続くのですか・・・・」
ルナールはもうクタクタで立ち上がるのがやっとの事であったが神風丸は少し空気が変わったかのように威圧感があった。
「なあルナール、このハリウッドは眩い夢と希望に満ち溢れていると思うか?」
「な、何ですか?」
ルナールは疲れて聴く力はないがハリウッドに関する話ならどんなに疲れていても聞いた。
「いいかルナール・・・このハリウッドの眩い夢は幻だ。光があれば闇があることもお前が一番よく知っているだろうよ。」
神風丸が語ったのはハリウッドにおける光と影の話であった。
「このハリウッドは腐っている。お前の愛するハリウッドはどこにもない。」
神風丸はハリウッドの残酷な話をした。
「いいかルナール、人は努力をすればいずれ夢は叶うは幻想に過ぎん。この世の中には努力したって叶えられない夢だってたくさんあるんだ。努力で名誉や富がもらえたら世界中が貧しくならない。それでも叶えられない夢を最も簡単に叶えられるには枕営業や性接待などの不正極まりない行為を受け入れるかもしくは悪魔に魂を売るしかない。いくら頑張ったて叶えられる夢はそうそうない。だが裏ルートを使えばどんなに才能なくても努力せずそうそうにハリウッドの大物になれるって訳。」
その現実をルナールは真剣に聞いていた。
「わからなルナール。世の中絶対うまくいくということはないに等しい。確かにハリウッドには夢があるが悪夢もある。この他にも小児性愛、秘密組織、諜報機関の監視、米民主党強制崇拝、不正、犯罪の揉み消し、麻薬、性の乱れ、謎の血清、人身売買、児童誘拐、臓器売買、謎の圧力、反社会組織のつながりなどなどお前さんの想像するハリウッドにはこんな汚いことが当たり前のように行われているんだぞ。そんなところに何で夢を見るんだ?」
神風丸の言う通りハリウッドの本質は腐っていて悪の巣窟とも呼ばれるくらいにもなっている。
「この話を聞くと確かに反吐が出ます。」
ルナールは今の話を聞いて嫌気が刺した。
「そうか・・・」
神風丸がルナールを心配そうに見つめる。
「しかし私はそんなハリウッドを内部から変えたい!祖母がかつて愛したハリウッドを私は変えさせたい!」
その眼差し心打たれた神風丸だが残酷な話はまだ続いた。
「お前の言う夢は確かに認めるが期待しないほうがいい。」
「それはどうしてですか?」
「ハリウッドの不正は全て陰謀論とされて誰も信じてもらえない。真実を叫ぶものは俺たちを含めてわずかなんだ。大多数の人間からは誰からも信用されないしむしろ嘲笑う方だ。」
その言葉通りに悪い人は自分達の悪事を全て無かったことにしそれを陰謀論という絵空事にすれば誰も信じようとしない。ルナールはグレンが誰も信じないことを少し理解した。
「それって保身ですよね。」
「へっ?」
「悪い人は嘘を使うけれどもそれは今を変えたくない都合の悪いことはみんな無かったことにするのは自分の日を認めたくないからだと私は思います。だがらそんな奴らの悪いことを全てさらけ出せばみんなも真実に気づくはず!」
ルナールの提案に賛同する神風丸であったがそれでも無理だと思った。しかしルナールは決して諦めることは一切しなかった。
「私がもし名作「波風」の出演俳優でそのデビュー作で助演女優賞を取っている人が今この近くにいたらあなたは私に力を貸すことになります。」
その言葉に神風丸は目を疑った・・・まさか幻の女優ルナール・ポランスキーという名前になんか変だと思った時から思っていたが・・・
「嘘だろ・・・まさかお前があの幻の最年少受賞女優だなんてな・・・」
神風丸も驚くルナールの少し昔の出来事とは? 続く