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紅蓮の炎  作者: 深水拓海
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第二十二話 血塗られた鳩

「なっ!なぜ私の正体を見破ったグレン!」

パラサイトは自身の正体を見破ったグレンを罵倒した。

「お前のやり方がクソすぎるのとサマンサと似ても似つかないやり方がバレバレだってことだ。お前はもっと演技いいのに役よりも自分を優先したから結局の所バレバレなんだよ!」

「あなたは役に徹すればもっといい役者になれたはず。しかしあなたはすでに大罪を犯した悪人。そんな奴がみんなから愛されるはずがありません!」

パラサイトとサマンサの思想はカードの裏表の様に違っており何よりパラサイト残虐さサマンサは優しさという全くもっと逆の価値観を持っていたのだから早めにバレてしまって当然であった。

ケビンは姉を利用してシャイターンを設立して大多数の人間を殺したパラサイトを自分の手で殺そうとした。

「やめろよケビン・・・復讐からは何も生まれない。」

パラサイトは往生際が悪いほど「復讐からは何も生まれない」などと命乞いをしたがケビンはその言葉を決して耳にはしなかった。

「そんな言い逃れが通用すると思っているのか!?」

ケビンはパラサイトを憎み殺す様な勢いで斧を振り翳してパラサイトの顔を真っ二つにした。

ズシャン!

「ウギャァァァァァ!!」

パラサイトは顔を穴で真っ二つにされ出血多量で悶え苦しんだ。それと同時に女の命でもある顔に傷をつけられたものだから彼女のプライドも真っ二つになっていた。

「ありがとうケビン・・・でももういいの、私が油断していたから多くの命を奪ってしまった。私はそんな自分が許せない・・・心から憎いくらいに。」

サマンサはパラサイトに洗脳されてシャイターンを作り出しそして多くの人命を奪った罪悪感に苛まれていた。

ケビンは自分を決して許さないと覚悟していたがケビンはそんな姉を許した。

「姉貴は何も悪くねぇ・・・むしろ悪いのは俺だ。俺があの時感情的になってモロッコ警察を射殺して姉貴の為に人を殺したのも全部俺の責任だ・・・だから姉貴は何も自分を責め立てなくてもいい・・・それより俺は自分の夢を見つけた・・・!」


俺はナイジェリアを変えたい!


ケビンの覚悟と決心に涙を流すサマンサ・・・

「ケビン・・・逞しくなったのね・・・」

「ああ、俺はこの腐ったナイジェリアの情勢を自分の力で変えてみんなが誰もが憧れるナイジェリアに変えて見せるんだ!貧富の差もない治安もとてもいい経済的にみんなに優しく豊かなナイジェリアに変えて見せるんだ!俺は!」

ケビンの故郷を変えたいと言う強い決意に涙涙のサマンサと見事と言わざるほどにグレンはケビンの覚悟を認めた。

「よく言えたなケビン・・・これでお前は他国に甘えることなく自分自身の力で故郷ナイジェリアを変える戦士に成長したな。大した奴だ・・・」

そしてグレンは無言でパラサイトの元へ行き、紫龍剣を手にパラサイトの息の根を止める。

一方その頃パラサイトはケビンにつけられた切り傷を蔦を縫い合わせて顔面を元通りにしたが顔面にくっきり傷がつけられたので彼女はお気に入りの自分の顔が傷物になって傷心した。

「ああ、私の美しい顔が・・・あのクソガキによって傷物になってしまうだなんて!恨めしい!恨めしい!」

パラサイトは自分の大事な顔に傷をつけたケビンを許さなかった。

ジャキン!

「おい、お前・・・死ねや。」

「ひっ!」

パラサイトは紫龍剣の目の前にして怯え腰を抜かした。

「さぁ、どうするパラサイト。お前は選択権が二択あっても死ぬことしかない。当然の結果お前は死んで当然のことをしたアホだからな。選べ・・・自分で死ぬか私に殺されるかの二つはどうだ?」

グレンはパラサイトにとって最悪の決断をさせた。自ら死ぬかもしくは紫龍剣の鯖となるかどちらかとなるしかなかったのだ。

「くそっ!このままじゃ死ぬだけしない!はっ!あそこに小娘がいるじゃないか!これは滅多にないチャンス!このままあたしがあの子に取り憑き洗脳すればより強力な力を手に入れることができる!勝った!グレンよざまぁみろ!私はなんとしてでも生きてやる!」

パラサイトはルナールを見つけて彼女に取り憑いた。

「お前の体いただき!」

しゅ!

そしてパラサイトはルナールに取り憑いて強大な月の力を手に入れグレンの前に立ちはだかる。

「ハリガネムシ・・・お前、そこまでして生きながらえたいのか?見苦しい。」

グレンは醜く生きようとするパラサイトに呆れ顔になった。

「うるさい!お前にどうこう言われようとも私は生き延びる!その為にはどんな手を使ってでも生き抜いて見せる!」

そしてグレンとパラサイトの最終決戦が始まった。

「お前を焼き殺す!」

パラサイトは月の光と闇の力で暗黒の黄色い炎をグレンに食らわせた。その力は圧倒的で天にまで届くくらいに燃え盛った。

「グレンさん!」「グレン!」

ボオオオオオオオ!

姉弟はグレンを心配したが当の本人はそんな攻撃など一切通用しなかった。

「どうした・・・お前のチンケな技はそこまでの力なのか?お前の力は随分とあの時より衰えたな・・・ま、私にしちゃ全盛期のお前を手を抜いた状態で殺せるはずだが・・・」

グレンは余裕こいてパラサイトをおちょくった。

「じゃあなぜお前は炎に強いんだ!?」

パラサイトの質問にグレンは答えた。

「私は一応75歳の長寿で私は1945年に広島の原爆で死んだ・・・そこで閻魔大王に人鬼の素質を見抜かれお前ら悪魔を屠る為に地獄で修行に積む修行をしてきた。お前らが憎くて憎くてたまらなくて今にでも皆殺しにしてやろうと牙を研いできたのだ。そしてまた1人大物の悪魔を殺してゆく快楽はたまらないなぁ・・・お前もそう思うだろ?」

グレンは今にでもパラサイトを殺したがる目をして彼女を恐怖のどん底に突き落とした。

「なんなんあよあの人は・・・本気になるとああゆう風に狂気に満ちた顔になって悪魔を殺していたのか・・・凄い!」

「あんな顔・・・見たことない。グレンさんの狂気に満ちた笑顔を。」

2人はグレンの凄みに腰を抜かした。

「だが私の体をルナール・ポランスキーだ!私をこいつごと殺せばこいつは私と一緒に死ぬことになるんだぞ!」

パラサイトはルナールを人質にしたがグレンを怒らせるバカラで彼女の威圧は凄まじい程にパラサイトを水圧で紙切れのように圧縮した。

「ひょ!」

グッ!

そしてグレンは素手でパラサイトから抜け出たルナールの気を引っ張り出しパラサイトから引き抜いた。まるで株をみんなで引っ張るお爺さんの仕事ををたった1人でやるグレン。

「うっ・・・!私は一体・・・」

「まったくお前は油断も隙もないな・・・お前を殺すのとても惜しい。」

グレンは呆れながらも改めてパラサイトを殺そうとした。

「なんだその目は!私を殺したがる目をするな!」

パラサイトは恐怖に慄きながらも悪あがきでもするように反撃した。

「この私がお前を殺してでもお前と一緒に死ねばもちろんそれは問題はないようだな!」

「まさかお前私と共に道連れにしようってんじゃないよね。」

「ああ・・・」

瀕死の状態のパラサイトはせめてグレンだけでも道連れにして殺そうとした。

「このまま終わったつもりでいるなら死ねや!」

パラサイトの毒毒しい棘がグレンを襲う。

「グレンさん!」

しかしグレンが紫龍剣を手にした時点でパラサイトの敗北は決まっていた。

「私は下品な女は嫌いだ・・・死ね。」

そしてパラサイトはグレンの紫龍剣によって沈んだ・・・

剣技 荒城の月

スパパパパパ! グレンの紫龍剣がパラサイトを小松菜のように切り崩した。

「これがグレンさんの本気の力・・・圧倒的尊敬!」

ルナールはグレンに対して尊敬の意を込めた。そしてケビンとサマンサは自分達を苦しめたパラサイトを糸も簡単に倒す姿を見て驚愕した。

「これがグレンの力・・・」

「まさしく、悪魔を屠る死神・・・私達はこんな凄い人と出会っていただなんて・・・」


そしてグレンはめちゃくちゃになったフランスパリを元に戻して死んだ人間達も生き返らせた。

「間も無く、ナイジェリア行きの飛行機が出発します。お忘れ物のないようご注意ください。」

そしてケビンとサマンサは自分達の故郷ナイジェリア行きの飛行機に乗って帰る場所へ行く。

「もう言っちゃうんですか?」

「ああ、俺達はナイジェリアを良くしたい。2年前はあんなんだったけどお前と出会ってから俺たちは目が覚めてこの国を生まれ変わらせることができたのもルナール、お前のおかげだ。感謝するよ。」

「あなたがいなければ私達はどうなっていたか・・・この恩は決して忘れはしないわ。」

2人はルナールに感謝の言葉を言った。元はと言えばルナールがグレンに出会ってからケビンと一緒にサマンサを探しに行く旅をしていたのが始まりであった。もしグレン一人であったら彼らは出会うどころかさらに酷い展開になっていたのかも知れない。

「そんな・・・私は非力で何もできなくて・・・」

「嘘つけ、お前の月の力がなかったらあの化け物は倒せなかったんだからもっと自分に自信持ってくれよ。」

「大丈夫あなたならきっとその力をより正しい方向へ向けれるわ。私はあなたを信じている。この世界を救える程のヒーローを。」

「そんな・・・私はヒーローにしては凡人であって、何もできない役立たずでして・・・」

ルナールは褒め言葉にオドオドしながら照れる。

「お前はまだ未熟だがいつかきっとみんなを救うヒーローにお前はなれる!俺たちを救ってくれたように。」

「ありがとうケビン!サマンサさん!お元気で!」

そして姉弟はナイジェリアの飛行機に乗りそしてルナールはグレンと一緒にスペイン行きの列車になった。

「あの・・・グレンさん・・・」

「ん?なんだ?何か私に質問でもあるのか?」

ルナールがグレンに質問をした。

「グレンさん次の目的地は何処になりますか?」

二人はまだ次の目的地については考えていなかった。

「お前が行きたい場所を言え。そしたらそのところへ向かわせてやる。」

グレンはルナールに何処でも自由に行かせてやると言った。

「じゃあハリウッドで・・・ごめんなさい。」

「ハリウッド・・・あの魔物の巣窟か。」

ルナールは次の目的地にアメリカカリフォルニア州のハリウッドに行きたいと言った。

「あそこに私のけじめをつける人物がいます。その人も悪魔に魂を売ったゲスな俳優がハリウッドを牛耳っていることをご存知ですか?」

「ああ、そいつか。私もちょうどそこへ行きたいと思っている。あそこは犯罪の温室だからな。よしわかった・・・次の目的地はアメリカのハリウッドに決まりだな。」

「ありがとうございます!」

こうして二人は次の目的地であるハリウッドに向かった。

「それとまたケビンとサマンサさんに会いたいですね。」

そのルナールの何気ない言葉にグレンはこう答えた。

「何を勘違いしているんだ?私に情がないことはわかっているだろ。」

「え?」

「私はそもそも友情などない・・・全てのことは絵空事に過ぎん。所詮は芝居。」

そう、グレンに感情などない・・・全てはお芝居だから・・・ ハリウッド編に続く

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