第二話 暴力しかなかろう
悪魔退治の旅に出たグレンとルナールはフランスにてシャイターンの情報を得る為に旅に出た。
「それではまずなぜ私がシャイターンに関係あるかという理由についてはだな。」
グレンがルナールにシャイターンについて改めて話した。
「その理由に関して詳しく説明してください。私もシャイターンによる被害者の泣く顔を見たくないので。」
ルナールも悪行の限りを尽くすシャイターンを倒したいという気持ちが強く彼女もシャイターンの詳しい情報を求めていた。
「なるほど・・・正義の味方を名乗るつもりだがそれで事件が解決できるほどに現実は優しくない。私がシャイターンを倒す理由は三つ、一つ奴らは悪魔崇拝組織であること、二つ奴らのバックにある大物悪魔が裏で働いている。それを探るために奴らに吐かせる為にな。、三つ目は少し私情を挟むがサマンサという女を探している。」
「え?サマンサ?誰ですかその人は?」
ルナールはサマンサという女性についてはわからなかった。
「そいつはアフリカからの移民で喧嘩別れした弟を探している。そして弟の名前はケビンと言って今はシャイターンの見習いテロリストとして活躍しているがつい最近シャイターンを抜け出したという絶好のチャンスにいる。シャイターンより先に奴を見つけておかなければシャイターンに殺されるのも時間の無駄になる。とにかく私は勘が鋭い、今奴は盗んだ車でシャイターンに追われている。今すぐ行かなければなるまいな・・・」
グレンは感知能力が鋭く今人が何をしているのかわかる。
「では早く行かなければならないといけないですね!」
「ああ、奴は今トロワにいる。パリのすぐ近くだから早足でも問題ないがお前は亀のように足が遅い。私におんぶされる形で行け。」
「は、はい!わかりました!」
そしてルナールをおんぶしてグレンはトロワへ向かうために勢いよく走った。
ブォォォォォォォ!! 「なんですかこの速さ!尋常じゃないですよ!」
「少しは我慢しろ・・・!慣れればなんとかなる。」
「なれる問題じゃないですよー!」
その速さは街に大きな甚大な被害を与えて巻き込まれた人たちは形すらなくズタズタにされてしまった。グレンは無関係な人間であっても邪魔と見做されたら容赦なく殺してしまう死神である。
「無茶苦茶だこの人は・・・でもそれでもあの人にとって人を殺すのは顔を洗うように簡単なことなのかな・・・なんか信用できない気がする・・・」
その黒い蛇の道はトロワへと向かっていった。
そしてトロワにて・・・
急速に黒い車が猛スピードで走っている。その車を運転しているのはなんとテロリストの少年であった。
「クソ!何のためにシャイターンに入ったんだ!畜生!早く姉貴を見つけないといけないのに!」
この黒人少年の名はケビン、サマンサの弟でシャイターンの元でテロリストとして働いたが生まれて初めて人を殺して以来テロリストとして生きるのが嫌になってそしてサマンサを探す理由がないとシャイターンを離脱し裏切り者は決して許さないシャイターンのボスに命を狙われて以来盗んだ車で逃げ回っている。
「おい!俺の車を盗まれた!あのクソ野郎!ぶっ殺してやる!」
男が車を盗まれたことに憤りを感じている。しかし・・・
「あ・・・」
ドゴォン!!
「きゃー!」
男を轢き殺して現れたのはシャイターンイタリア支部の支部長が車の集団でケビンを追い回している。
「このクソガキめ!我々を裏切って逃げられるなんて爪が甘いんだよ!」
ブロロロロロロロロロ・・・!
何台もの車の集団がたった一人のケビンを捉えて殺そうと血眼になって襲いかかってくる。
「待て裏切り者!」
「我らの秘密を抱えたまま逃げられると思うなよ!」
どうやらケビンはシャイターンが隠したがっている機密情報を持っているためその口封じに殺そうとしているのであった。
「クソ!俺は人を殺したくてこの組織に入ったんじゃない!俺は姉貴を探しに入っただけだ、元はと言えば俺のせいで姉貴と喧嘩別れになってしまったから俺が姉貴を見つけ出す!」
ケビンとサマンサは元々ナイジェリアからの移民で危険な航海の後にいざこざで喧嘩別れになってしまった。ケビンはこのことを自分の責任と感じ生き別れたサマンサを探す為にシャイターンに入った、しかし・・・
「俺は人を殺した・・・姉貴を探すどころか人としてやってはいけないことをしてしまった・・・」
ケビンはシャイターンに入って一ヶ月くらいに無関係な人間を殺してしまったことへの罪悪感苛まれている。
「助けて・・・私まだ死にたくない!」
「早くしろ新人・・・お前がテロリストなら人を殺すなど顔を洗うも当然だろ。」
後ろで嘲笑うかのように他のテロリストが煽ってケビンは思いのままに・・・
「許してくれ、これはこうするしかないんだ・・・!」
バン! そしてケビンは生まれて初めて人を殺してしまった。
ギュイイイン!
「またフラッシュバックか!いつまでも寄生虫みたいに頭にへばりついて・・・!」
ケビンは運転のバランスを崩しながらもシャイターンから逃走した。
「獲物を逃すなよ野郎共!奴は見つけ次第残忍なやり方で殺してやる!」
とその時
「うわあああ!!」 ブン!ドシィーン!
突然にテロリストの乗った車がシャイターンのイタリア支部支部長の車にぶつかりそうになるも危うく回避したがその車は爆散して民間人に多大な被害を与えた。
「なんだ今のは!?」
「ボス!例の女です!」
「あのスピーカーが殺し損ねた女がなぜ俺たちを狙っているんだ!?」
グレンはけんけんぱをするようにテロリストの乗っている車を踏み潰してそして他の車を持ち上げるや否や野球ボールのように投げつけた。たとえそれが民間人を巻き添えにしようともグレンは邪魔するものは排除するつもりだ。
「なんだあのクソ女!道徳心がないのか!?」
イタリア支部長も人のことを言えないがグレンのやっていることに動揺を隠せなかった。
「私が自分自身しか信じない。私は真っ向的に保身的かつ非道徳的な殺戮主義者だ。」
グレンは行き過ぎた個人主義者で自分自身しか信じなくて他の人はたとえ無関係な一般市民でも邪魔であれば容赦なく殺しまくる残虐無慈悲の死神である。
「支部長!他の車も残りわずかになりました!そしてその投げた方向も結構民間人に大ダメージを当て得て・・・わぁ!」
ブン! そしてグレンは残り二つある車のうち一つを投げ飛ばしそしてそれを走ってきたルナールに目掛けて投げ飛ばした。
ドゴォン!そして投げ飛ばした車は見物しにきた人たちを潰れたトマトのように潰しておいた。
「すみません皆さん!それはあなた方の自業自得なのでご勘弁願います。」
「遅いぞルナール!お前は私の足手纏いか?」
「すみませんグレンさん!」
グレンはいつでもルナールを殺す勢いで圧をかけた。
「あいつら仲がいいのか悪いのかどっちなんだ?」
ケビンは何が何だかわからないだけでイタリア支部長も動揺を隠せなかった。
「お前は追いついた・・・だから私はより良い方法で殺すことを決めた。それはただ一つ・・・この車をペシャンコのチーズみたいにして壁に投げ飛ばす。」
グレンが恐ろしいほどのスピードでイタリア支部長の車に追いつきそして車を持ち上げた。
「な、なんだこれは!?」
グレンが車を持ち上げるとそれをバンズみたいに押し潰したがイタリア支部長をなんとか抜け出したがしかしグレンがそれを許すはずはなかった。
「お前はなぜ逃げる?」
「そりゃ命が惜しいからだろ!」
「そうか、残念だったな・・・」
ドシィン! グレンは押し潰した車でイタリア支部長を潰した。そして潰れたトマトのようにあたり一面血まみれであった。そしてその光景を見たケビンは抵抗するのをやめた。
「あんたらすごいよ・・・俺はケビン、助けて・・・」
グレンが突如としてケビンの胸ぐらを掴みそしてルナールは黙って見ているしかなかった。
「離してくれよ!俺が何をしたって言うんだ!?」
「お前はまだわからないのか?元はと言えばお前ら姉弟が移民としてフランスを訪れ些細な喧嘩で別れ別れになった。だがしかし元はと言えばお前が喧嘩のきっかけを作ったようなもの。このまま逃げられると思うなよ?」
元はと言えばサマンサを探すきっかけはケビンとサマンサの大喧嘩で元はと言えばケビンがきっかけを作ったようなものである。
「お前は生きるために来ているのではない・・・死ぬために来ているのだ。それを肝に銘じない中途半端な貧弱ものは何があろうとしくじるのが見えている。」
グレンは非情で口調で諭した。それにケビンは何も言い返せなかった。
「確かに俺は姉貴を救う・・・違った謝りに探している。元はと言えば俺が元凶だ・・・言い訳はしない。俺は姉貴を探しているだけだ・・・」
ケビンは嘘をつくことなく素直に全てを曝け出した。自分のせいで姉を行方不明にしたけじめはつけると言った。
「なるほどな・・・これでお前の意見を聞けた。」
グレンがケビンの胸ぐらを離した。
「あぁ・・・助かった。あの人一体なんだったんだろう・・・」
ケビンはなぜ姉の名前を知っている人と会うのは初めてであんなに彼女の名を慣れているように言う人は初めて出会った。
「初めまして私はルナール・ポランスキー、きっとあなたのお姉さんと仲が良かったと思うの。私にはそう見えている。」
「そうか、俺はケビン。よろしく。」
ルナールをケビンにグレンとサマンサの状況について話した。
「それはそうとこれは自論だがお前の姉サマンサは死んでいるのかもしれないな。」
「えっ!?」
その言葉に衝撃が走る。 続く