第十二話 牢獄の鳥
このショッキングなニュースを見て3人はこれを悪魔コック・ラヴィンの仕業としたがこの悪魔鳥をどうやって倒すか考えた。
「俺はシャイターンにいたからこいつはコック・ラヴィンという魔界の怪鳥だ。恐ろしいほど獰猛で人間の生肉を好んで食うらしい。」
「そんな鳥がなぜこのフランスに向ったんですか!?」
ルナールは困惑していた。
「シャイターンはとにかく俺たちをはめるためにこいつを召喚したに違いない。どこまで往生際の悪い連中なんだ?」
「確かなな厄介な悪魔だが流石に一般人のいるところで派手に倒してはサマンサを探すのに面倒なことになる。」
グレンは冷静な判断でこの怪鳥の捜索はなるべく騒ぎにならないように控えめにして殺しておくと決めた。
「悪魔の鳥コック・ラヴィン・・・きっとシャイターンのメンバーが姉貴を探すことを妨害するために放たれたのか。」
ケビンはコック・ラヴィンはシャイターンの仕業だと判明した。だからと言って一般市民の被害がないように対処するにはまず作戦を練り込んだ。
「この鳥が一般市民に被害がないようにバレずに倒さなければ騒ぎになってサマンサさんを探すことも不可能になってしまいます。」
「確かにそうだな・・・こいつらのことは他の人間達からしたら恐ろしくてたまらないゲテモノ料理とパフェを同時食いするようなものだからな。それに真実を叫ぶものは常に僅かだ、大多数の人間には理解されない。要するにいるかいないかの存在を現実的に否定する考え陰謀論だと考えるのは思考停止の羊たちと一緒だ。」
このグレンの言葉にケビンとサマンサは心に深く刻んだ。
「お前ら次の奴が行く場所はパリから離れたマルセイユだ・・・遠出になるがサマンサ探しに支障をきたしたから一々面倒だから速攻にコック・ラヴィンを討伐する。」
「はい!」「わかった!」
3人はマルセイユに向かった。
フランスマルセイユフランス南部の地中海沖にある観光街でその広さはフランス都市第5位である。
「予定の時間にコック・ラヴィンは現れる。奴は昼過ぎ14時30分にここへ来る。俺の勘が当たれば奴はここに現れて甚大な被害を与えるかもしれない。」
ケビンはフランス マルセイユにてコック・ラヴィンが出てくる時間を予測しその時間は14時30分ちょうどに出てくると予測した。
「そんなことになったら余計大惨事になってしまいますよ!」
ルナールは少しパニックになり息遣いも荒くなっていった。
「そう慌てるなルナール、こっちとしては私に提案がある。」
「提案?」
「お前達は羊肉丸々一頭を買いレンタカーを借りてコック・ラヴィンを誘き寄せる囮となれ、これは命懸けだがお前達ならやれる仕事だ。できないわけはないだろう、サマンサのためにも・・・」
「・・・・・・」
グレンは2人を説得させ作戦通りに羊肉丸々一頭とレンタカーを手に入れた。
「本当にこんな作戦大丈夫なのかな?命の保証はないだろうけど・・・」
ケビンはいつ死んでもおかしくない作戦に不安を感じた。
「何言っているんですかケビン。あなたはいつも命懸けでしたよね。」
「まぁな。」
「だったらその期待に応えましょうよ!サマンサさんを探すためにもこれはきっと運命なのですから。それにあまり戦闘経験の浅い私を守ってくれるのはいつも過敏じゃないですか。」
ルナールはケビンを励ました。
「ありがとう・・・俺も頑張るよ・・・」
ルナールの励ましもありケビンも一応サマンサのために作戦に励むことを第一にした。そして
「準備はいいかお前たち。」
グレンは刀を持って車でコック・ラヴィンを待ち構えているルナールとケビンに合図を送ろうとした。
「任せておけグレン。こっちは準備万端だ。」
持ち出されたのは丸々とした羊肉のレア一頭を買いコック・ラヴィンを誘うために車の上に乗せていた。
「重い・・・!っしよっと!この羊肉丸ごと一頭をコック・ラヴィンが追いかけて私たちを餌だと思い込んで食い殺されてしまうんじゃないでしょうね・・・ゼェ・・・ゼェ・・・」
ルナールたった一人で羊肉丸ごと一頭を車まで運んだため疲れていた。
グレンのコック・ラヴィン討伐作戦は簡単なものだった。まず奴が羊牧場を襲ったことを参考に肉屋からAランクの羊肉を丸ごと一頭買いそしてレンタカーに鎖で繋げて血が出るようにナイフで少し切り傷をつけておく。そしてコック・ラヴィンが時間ちょうどに現れたその時車を飛ばしてコック・.ラヴィン型の匂いを嗅いで車の方へ向かっている。その先にグレンが刀でコック・ラヴィンの首を斬れば一網打尽にすることができる。
「本当に大丈夫でしょうか?道のりはなるべく人気ないところがいいと思います。」
「そうだな・・・俺たちは人気のない場所へ車を動かしていこう。」
そして14時30分・・・
「なんだか作戦に対して不安が止まりません・・・もし失敗してしまったらと思うと震えが止まらなくて・・・!」
ルナールは命懸けの経験が不足しているせいか先の見えない作戦に意味はあるのかと恐怖していた。
「大丈夫だルナール。俺がついている。」
ケビンがルナールを落ち着かせたが、一面暗くなり暗雲から何かが降り掛かろうとしていた。
「くるぞルナール!奴が!」
ギャァオオオオオオオ!!
その雲から現れたのは悪魔鳥コック・ラヴィン。人の顔をとった猛禽類で獲物は見つけ次第に食い荒らし殺してしまう。
「なんだあいつ!?」
「空が暗くなってわけかもわからない奴が空から降ってきてこの世の終わりか!?」
マルセイユの人たちがコック・ラヴィンの姿を見て困惑している。そして携帯で写真を撮る人もいた。
「民間人がコック・ラヴィンの姿に困惑している・・・!」
「まずいな・・・このままだと大事になる。その前にこの化け物に餌を与えてやらないとな!」
ブルルルルル!!
ケビンはルナールと共にコック・ラヴィンをマルセイユの人たちから離れさせるためにさっき切り傷をつけた羊肉を車の後ろにロープで閉めて猛スピードで逃げようとした。
「クンクン・・・何やら血の匂いがする。俺の大好きな羊肉と人間肉があるじゃないか!?」
「え!?喋った!?」
「たしかコック・ラヴィンの上位種は人がを話すことができると聞いている。こいつはその上位種だ!」
ルナールはコック・ラヴィンが人語を喋れることに困惑しながら車を飛ばして人気のない場所に誘い込んだ。
いつ被害が出てもおかしくない状況でコック・ラヴィンを二人はグレンに合図をした。
「グレン聞こえているか?!」
「今コック・ラヴィンを人気のないところへ誘き寄せています!」
ケビンとルナールがグレンに応答を呼びかけた。
「そうか、ご苦労だったな・・・」
いつも通り冷静なグレン
「今、街の人たちを避けながらドライブしているがこいつは猛スピードで俺たち、いや無関係な人間を容赦なく殺しまくる可能性が高い!今あんたがなんとかしないとこのマルセイユは生臭いケチャップのようになっちまう!」
ドシン!ドシン!
ケビン達が車で走っているところをコック・ラヴィンが追いかけ回り街に甚大な被害を与え死傷者の数も計り知れない。
「この鳥は私達、いや この街の人間達をアリンコを潰すように殺しまくっている!外道は外道でもここまでやらないと思います!」
「なんなんだこいつはよぉ!レンタカーだからいくら早く走りたくても・・・」
2人はカーチェイスしている合間にパニックになって落ち着かなくなっていた。
「慌てるな、あとで街を元に戻して死んだ人間を生き返らせてレンタカーを修理すればなんとかなる。深く考えるな、狭いところだと他の車や民間人に多大な被害を与える可能性があるがそこをゆけ。そこならコック・ラヴィンは車や人間達を攻撃しながらスタミナを食物しやすいのでそこがおすすめだ。」
ケビンはグレンの言う通り多少の犠牲はつきものだがこれ以上の犠牲を出さないようにグレン意見を重視した。、
「そうだな、こいつらには悪いが少しの合間死んでもらわないといけないな。」
グレンにとって無関係な人間の命などどうでも良かったのだ。そう言ったグレンの非情な作戦に少し納得しなかったのがルナールであった。
「確かにその作戦なら確実にコック・ラヴィンを消耗させられますが、あなたには人の心はないんですか!?」
「これもサマンサを救うための踏み台としてもらう。お前が首を突っ込んでいいはずはない。」
人の命を軽視した作戦にルナールはグレンに文句を言った。
「こんなところで喧嘩するな二人とも!前と後ろをチェックしろよルナール。お前の気持ちもわかるよ俺も同じ気持ちだがどっちが最優先か考えるんだ。確かにグレンは人の命をなんとも思ってないがあの人の厳しさは俺達を期待しているからこそ人の命を無視からにしても姉貴を救う悪魔を倒すということをあの人なりにやってんだ。少しはグレンの気持ちを考えろルナール。」
その言葉に少し不満を募らせるものの・・・
「わかりました・・・グレンさんのやり方はメチャクチャですが必ず分厚い壁に大きな風穴開けるほどの期待をします。」
しかしコック・ラヴィンもしつこくコンクリートにへばりついたなかなか取れないキシリトールガムみたいに羊肉をつけたケビンとルナールが乗っている車に執着していた。
「どうやらこのレンタカーにも限界が来たようだな・・・!」
もちろんレンタカーなのでエンジンに限界が来てガソリンも初っ端から猛スピードを出しまくりだったのでスピードも落ちてもうダメな状態になっていった。
「そろそろ頃合いか・・・」
その時グレンは早足でルナール達に追いつきそして刀を抜いたがその時は手遅れでケビン達は海に飛び込もうとしていた。
「おい海に落ちたら俺達奴から追われないかな?」
「多分無理でしょう・・・私たちに目をつけて鋭い鉤爪で捉えられてそして握り潰されるのがオチなんじゃないでしょうか?」
その問いにケビンは背筋が凍ってぞくっとした。
そして海に向かって海岸沿いに行った。
「もうダメだ!こんな時は一か八か海に飛び込むしかない!」
ケビンの咄嗟の判断にルナールは仰天した。
「ええっ!そんなの大丈夫ですか!?」
「でもやってみなきゃわかんねぇー!」
うわー!
二人は一か八かの影で海に飛び込んだ。そしてコック・ラヴィンが首を長くして待っていた羊肉に向かって首を上げたがその時にグレンが刀でコック・ラヴィンの首を切った。
ザン!
「やれやれ困った青二歳達だ。」
グレンはケビンの乗っている車と一緒に海に沈んだ。そしてコック・ラヴィンの死体も海の藻屑となっていった。
「これはまずいな・・・!」
そしてグレンも海に落ちた。
そして3人は誰もいない海岸にて海へ上がった。
「いやぁー流石に間一髪の賭けだったなグレンさん。」
「お陰で服も海臭くて敵いませんけどね。」
3人はびしょ濡れになりながらもコック・ラヴィンを倒して一安心した。
「ああ、俺が海へ飛び込まなければ民衆にバレて一大事になっていたぜ。」
「そうだな・・・知らなくてもいい情報は最初から知らない方が身のためだからな。出なければ世界中が大パニックなるところだった。あとで民衆は生き返らせるから安心しろ。」
そしてルナールは疑問に思ってた。
「そういえばなぜあの鳥はこのフランスに現れたのでしょうか?何者かが召喚したのかもしれません。」
確かにコック・ラヴィンが突如現れていることに関しては3人は思ったがケビンはあることを思い出した。
「確かシャイターンのベルギー支部にボーグナインという変な奴が魔術の天才だと言っていたな。そいつが関係しているとなると納得がする。」
「!!?」
そのボーグナインという名前にグレンは驚きを隠さなかった。
「どうしたんですか急に!?」
「おい!お前あいつと何か縁があんのか!?」
二人が質問するとグレンは重い口を開いた。
「ああ・・・ちょっと昔な・・・」
グレンの口から語られるボーグナインとの過去とは・・・!? 続く




