第十話 最後に言い残すのはなんだ?
モガミは食虫植物人間、このような輩をどう対処すべきか二人は考えた。
「モガミは食虫植物人間で火に弱い・・・なら火を使えば対処できるはず。」
「そうだなルナール、奴を倒すには蝋燭の火を使って焼き殺すしか対処法はない!」
その言葉を耳にしたモガミは。
「なるほどな・・・俺を焼き殺そうとするとはいいアイディアの持ち主だなお前らは。だがその若さ故に甘さもある!プッ!」
モガミは口から消化液を吐き出して溶かそうとしたが・・・
「ケビン危ない!」
「わかってるよ!」
ドピュ!
二人の息はぴったりで交わした。
「危ねぇ・・・今この攻撃を食らったら一発即死だった。」
ケビンが安堵してある暇はなく。
「お前らが交わしたのはわかっていた!本当はお前らが避けた先に下から生える蔦をとりもちのように引っ付かせて捕まえることなのさ!」
モガミが強力な蔦で二人を拘束した。
「しまった!」
「この攻撃はフェイクだったのか!」
「さぁ!どう料理しようか!」
そしてモガミは二人を雑巾を絞るかのように締めた。
「ああ・・・あ・・・!!!」
「ルナール・・・!がばっ・・・!」
「ほほっ!もっと苦しめ!俺は人が苦しむ様を見るのが大好きなんだ!」
「お前・・・!」
アンリ・ブルーノの秘密を知った二人を生かすわけにはいかないモガミは口封じを彼らを殺そうとした。
「お前らがこのフェイク写真を辿って姉貴に会いに行こうとしたのはバカみたいだったな。まるで鼠取りに引っかかりやすいネズミみたいに口封じとして殺処分しておかないとな!」
二人がもがき苦しみ蔦の圧力が最大限になるとアンリ・ブルーノがやって来た。
「モガミ・・・あんまりぐちゃぐちゃに殺さないでおくれよ。それだと奴らから情報を得られなくなる。」
「テメェ・・・よくも俺達をはめやがったな!」
ケビンは姉を利用したアンリを決して許さなかった。
「悪いがお前らを殺せとボスから言われたもんだね・・・サマンサの写真の俳優は素人だったがお前らはすぐに騙されることなくサマンサの偽物写真を見抜いたのはとても誇らしいと私は思うよ。」
アンリ・ブルーノ シャイターンイギリス支部支部長
「よくもサマンサさんを利用した罪はきっちりと償ってもらいますからね!」
ルナールが怒りをぶつける。
「お行儀の悪いお嬢ちゃんじゃないかね。私は礼儀知らずの女は好きではないんだがね。」
「それはそれで結構です!」
ルナールは鋭い目つきでアンリを睨んだ。
「しかし、シャイターンイギリス支部支部長の名においてお前らを殺さなくてはな。」
アンリは不適な笑みで二人を煽った。
「くそ!ルナール!月の力でモガミの蔦を焼き切ってくれ!」
「わかりました!」
ジュオオオオ・・・!!
ルナールは月の力の熱光線でモガミの蔦を焼き切ろうとしたが・・・
「何がしたいんだあいつら?」
「さあね、こんな光の力で焼き切ろうなんてアホらしい。奴は植物人間であることを忘れたか?光合成になることを忘れたか?」
そしてルナールの熱光線は光合成によって逆効果となり2人を掴む蔦はさらに強力なものとなり余計自分達をピンチにしていた。
「ああああ!!」
「くそ!俺の計算違いが通い苦しめる展開になるとは!」
ルナールは声を上げるも骨はボキボキに折れ肺も圧迫されてもがき苦しんだ。
「声が・・・出ない!」
助けを呼ぼうにも2人は圧死になる寸前であったので思うように声を上げられなかった。
「哀れだったね2人共・・・もう時期楽になれるからそのままで死んでくれても構わないよ。」
「これで最後だクソガキ共!!」
モガミがとどめを刺そうとしたその時!
ビュオオオオオ!
「何なんだ?この爆薬が空から落ちるような音は?」
アンリはこの不穏な音に気がつきそうになったが・・・
「これは・・・!!」
ドジュウウ!
「熱っちゃあ!!!」
モガミは炎の矢で右肩を焼き突かれて苦しみ2人を縛った蔦は力を失いケビンとルナールを解放した。
「大丈夫じゃないみたいだな2人とも・・・私としてはお荷物は2人もいらないはずだったがな。」
炎の矢を放ったのはグレンでアンリ・ブルーノの様子がおかしかったのか様子を見に来たら2人が命の危機であったので仕方なく助けたのだった。
「ありがとうグレン、助かったよ・・・!」
「でもなぜアンリたちの正体を分かったんですか?」
「私は最初から知っていた・・・あいつらを脅かそうとしてあえて知らないふりをしただけ。悪党のやることは見え見えだ。」
グレンはアンリ達を睨みアンリは絶体絶命であった。
「こうなったら仕方あるまい!この城も全部破壊してやる!!」
ポチ! ドカァーン!
地下が崩れアンリは自爆スイッチを押して自分達だけ逃げようとしていた。
「野郎!俺達を生き埋めにする気か!」
ケビンは血眼でアンリを追ったが・・・
「早く彼女達を助けないと!」
ルナールは人質となった女性達を救おうとするもグレンによって止められた。
「離してくださいグレンさん!あの人たちを置いといて逃げたくない!」
ルナールが必死の説得をするもグレンは無言のままルナールを持ち上げて脱出した。
「ちょっと!何をするんですか!まだ助けないと・・・!!」
その時すでに遅くグレン達とアンリとモガミは逃れられたものの被害に遭った女性達は生き埋めとなった。グレン達は地上から上がっていったもののルナールは安心していなかった。アンリに弄ばれた女性達を助けられなかったからだ。
「何で彼女達を見捨てたんですかグレンさん!あなたは人の心のない最低なクズ野郎だったんですね!」
ルナールはグレンの非情のな決断を否定し涙を流した。
「ルナール!グレン・・・お前ら無事だったのか。」
「よくもぬけぬけと自分だけ助かろうとしたのね!ケビン!あなたには失望した!」
「なんだよ・・・俺も必死だだから・・・ごめん。」
ケビンが来てもルナールの熱は治らなかった。
「私達を助けた時傷を癒したのにあなたと来たら人質よりも自分を最優先にしている自分勝手な大馬鹿野郎の情けを受けるくらいならあの時死んどけばよかった!」
ルナールの悲痛な叫びにグレンは答えた。
「答えは簡単だ・・・あいつらが連れ去られて嬲りものにされていたのがいけない。弱い奴に人権はない・・・以上。」
そのグレンの出した答えにルナールは飛びかかった!
「このクズ野郎!」
そのルナールを止めたのはケビンであった。、
「やめろよルナール!お前の気持ちは俺にもわかる!」
必死に止めようとするケビンはを力ずくで投げ飛ばそうとする。
「離せよ!あいつが全部いけないんだ!人の心もない非情な鬼!悪魔め!」
「あの時急に爆発が起きて俺達はどうしようもなかったんだ!」
「それだったらお前も死ねよ!」
グレンを殺そうとするルナールとそれを抑えるケビンは喧嘩をしてしまった。
「やれやれ、人間というのはなんと浅はかな奴らだ・・・」
その2人の見苦しさに呆れ顔になるグレンであるが突如モガミの鋭利な蔦が2人を襲いかかる!
「お前らよけろ!」
ガチィン
グレンがダガーナイフで攻撃を跳ね返した。
「2人とも悪いが私はアンリをしばきに行く。そしてお前らは自分達の手でモガミをぶっ殺せ!」
その答えにわがままを言っている場合じゃないとルナールは切り替えた。
「わかりましたよ!やればいいんでしょう!」
ガキィン!
ルナールは月の光線刀で何とかしのぎからケビンは逃げる最中に拾ったハンマーでモガミに応戦した。
「こいや!コスプレ雑魚悪魔さん!俺があんたを倒して姉貴を助けてやるから死ねや!」
ゴーン!
ケビンはモガミを手に持ったハンマーでぶん殴って挑発しながらモガミと戦った。
「こそこそ逃げ回ってクソガキめ!」
そのモガミも怒りのままに応戦した。しかしルナールは人質となった女性達のことで頭がいっぱいになった。
「私はあの人達を救えなかった・・・どうして現実は非情なの?」
ルナールは助けられなかった罪悪感に心が押しつぶされそうになっていった。
「ルナール 足元!」
ケビンの声にびっくりしたルナールは勢いを止めるもケビンは足をつまづき転んだ。
べちゃ!
「うわぁ!」
モガミのモウセンゴケみたいなとりもちがケビンの顔面をとりついた。
「何ですかこれは!」
「この俺の粘着液は人間の皮をじわじわと溶かすことができる。ほーら早く取らないと顔が溶けて無くなっちゃうぞ!ちなみに無理に剥がそうとすると顔の皮剥がれるどころか首をもぎ取ってしまうかもしれないから気をつけろよな?」
「何だこれ!野郎!おい、聞こえているか!?ルナール!おい!」
ケビンの声にルナールは・・・
「私は過去に縛られてはいけない・・・そう、あの時だって。」
ルナールは幼い時に両親を亡くし兄姉から軽蔑されたった1人で寂しく生きてきた。しかし今は仲間がいる!
「ケビン!そのままじっとしていてください!」
ブォン!
ルナールは月の斧でモガミの硬い蔦を切った。
「あううう・・・!!」
そしてルナールはモウセンゴケのようなとりもちを月の光で引き離した。
「大丈夫ですかケビン!」
「ああ、何とかな・・・俺の声がお前に届いてよかったぜ・・・へへ。」
2人は安堵している暇もなく悪あがきのように襲いかかるモガミを待ち構えていた。
「小癪なクソガキが!俺は悪魔人間になったからにはお前らを食い殺してやる!」
ケビンはルナールがくれた石ころをモガミの足元に転がした。
「うぉ!」スッテンコロリーン!
「アイデデデデ!!」
モガミは一端に走り込んだため目の前が見えなくなり足元に気づくことなくつまづいて転倒。激しい痛みのする捻挫に襲われた。
「そろそろか・・・」
「ええ・・・」
ルナールの思惑通りに石ころはカチカチ音を鳴らしている。モガミは痛みに苦しみながら動けなかった。
そして・・・
「なにがおごっ・・・!」
ドッカーン!
その石ころは次の力で作られた威力の凄まじい爆弾でモガミを容赦なく爆殺した。
「俺たち自身の力で悪魔を倒せたのか?」
「その通りみたいですね!」
そして2人はハイタッチをした!
「はっ・・・!モガミが・・・あのモガミが殺されてしまった・・・!」
アンリは動揺を隠せないまま逃げようとしたがグレンがそれを許さなかった。
「お前はいつも爪が甘い。偽名を名乗る奴はいるがお前は偽名の扱い方が下手すぎんだよ。」
瓦礫の上で逃げているアンリだったが・・・
「ここまでくれば・・・あっ!」
アンリは足をつまづいて瓦礫に頭以外埋まって身動きができなかった・・・そこにグレンがやってきて。
「ここまで逃げても無駄だぞコソドロ。お前はあの写真を使って何がしたかった?」
グレンは尋問をした。
「し、知るかボケ!俺たちはシャイターンのボスの命令で嫌々やらされたんだ!文句あるならボスに言え!」
アンリは見苦しい言いがかりをしたがグレンには効果なしであった。そしてグレンはアンリの口に刀を入れて。
「最後に言い残すのは何だ?」
と聞いた。
「だったら俺らのボスの正体を言ってやる!その正体は・・・!」
ザンッ! グレンはアンリがシャイターンのボスの正体を話そうとしたとき呆れたのかアンリの頬を刀で切って殺した。
「お前から情報もらっても結局は嘘800だ。もう騙されないからな。」
グレンは虚しい顔をして偽物のサマンサの写真を眺めていた。 続く




