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第七話 ~嵐を呼ぶ30分ポッキリハネムーン~


こんにちは、サトウ...いや、その名前使ったらまためんどくさいことになるな、

ア、アーサーです。


本当に長かったけどやっといろんな誤解が解けて、

普通の人、いや、勇者として王様達が歓迎してくれました。


「今までの非礼の詫びると共に何かしらの謝礼を渡そうと思うのじゃが…おぉそうじゃ!服が欲しいと言っておったな!衣装室に案内させる故、好きな物を持っていくと良い。ウォーリアーよ!彼を…しまった。あれはまだ治療中であったな…」


「わたくしが行きますよ、お父様」

「姫自らが?……大丈夫か?ヤツは変態だぞ?(ボソッ」

「聞こえてるぞじじぃ」


お姫様に案内されて俺とヴァンタは衣装室に来た。

壁際には社交界とかで使われてそうな派手なドレスとかマントが一杯並んでる。

その部屋の真ん中にカーテンの付いた着替え室があった。


「じゃあそこに入って。あなたに合いそうな服を色々と渡すから好きなの選んで頂戴」

「まじで!?」

「ダーリン、服選んであげる!!」


ワクワクしながらあれやこれやと服を物色するヴァンタ。

嬉しいよ!!やっとこのダサTから卒場だよ! ありがとう神様!!


「そうだ、良い事思いついちゃった!」


何かを思いついた姫様は着替え室の前に椅子を2つ置いた。

そこにヴァンタとお姫様が椅子に座り、

お互いに顔を見合わせるとぐっと親指を立ててGOODサインをした。


なんだよこの状況?個人ファッションショーかよ!?

それから俺はいろんな衣装を “着させられる”ことになった…。

姫様が最初に持ってきたのはRPGによくある感じの鎧だった。


「これかっこいい!正に勇者って感じで素敵じゃない!?」

「うーん、でもダーリンぽくないよね?」

「あのー全然動けないんだけど....」


この鎧は俺には重すぎるぅうう…骨が砕けそうだ!


次の服装はヴァンタが着てる服と全く同じおそろいの服


「うん、これだな」

「待て待て待て待て!!どっからまったく同じ服を持ってきた!?!?!」

「普通に魔法で作れるよ~」

「そうなの!?すごいな!おい!」

「ふーん、でも何か地味じゃないですか?30点」

「ムカ」



次の服装はお嬢様が着そうなキラキラした女の子用のドレス。



「くっくっ…ッ…あははははははっ!」

何のツボに入ったかわからないけど腹を抱えて爆笑するド畜生、もとい姫様。


「........」

「ダーリンかわいい♡」

「ありがとう」


「よく似合ってるわよ…ぷっ!」

「You shut up!もういい!俺が決めるから!お前らは何もするな!」


これ以上こいつらのおもちゃになってたまるか!

適当に軽くてフィットするハンサムな俺にピッタリな服装を選べばいいんだ!

そして俺はちょっとダボっとした大きめの英国紳士っぽい服装を選んだ。


「ふーん、う~ん……いいじゃないか(キリッ」


鏡に映るイケメン(俺)は最高にクールでハンサムだった。

これだ!絶対これだ!HERE WE GO! 俺のモテキ!!


「どうよ!」

俺はカーテンを勢いよく開けて堂々と二人に見せた!


「ふーん、いいんじゃないですか?つまらないけど」

「ダーリンはなんでも似合うよ!」


何でテンション低いんだよちくしょう!なんか納得できねぇ!!!


「それじゃあ服も決まった事ですし、城の入口にいるお父様の所に戻りましょう」

「えっ?何で城の入り口にいんの?」

「さぁ?あっでも確か「勇者様に渡したい武器があるんじゃ!」…とかなんとか言ってたような…?」


「おお!マジで!?武器!!!」


そうそう!勇者って言えば武器だよね!!ワクワクが止まらないぜ!YES!!



そうして俺たち3人は王様のいる城の入り口へと向かった。


「おお!勇者よ!とてもよく似合っておるぞ!」

「ドヤァ)ありがとうございます!キング王!」


「しかし本当にそれで良いのか?それ、ワシの母君の服なんじゃが…」

「え!? まじで!?だったら ちがうのを...」


二度手間を避けるためか、姫様が無理やり会話に入ってきた。


「そ、そんな事より!お父様、何か渡す物があるのでは?」


「おぉ、そうであったな!すっかり忘れておったわ」


そういうと王様は王座から立ち上がり俺に近づいて剣を渡して来た。


「これは王家に代々伝わりし「勇者の剣」。その名の通り勇者のみが使いこなすことが出来るという伝説の武器じゃ。これをそなたに授けよう」


「すごい!か...かっこいい!!超COOLじゃん!!!」


勇者の剣で超華麗に魔王を倒す俺。

超絶可愛い美少女達に囲まれてモテモテな俺。

頭の中でイメージした俺の姿は正にスーパークールなヒーローだった。


「ほれ、これも渡しておこう。旅の足しにするとよい」


王様からじゃらじゃらした袋を貰った。

結構重いな、10kgあるんじゃないかな?

気になって中身を見たらゴールドコインがぎっしりと入ってた。


「うぉおお!!これもしかしたらMONEYなのか!?」


「僅かばかりの餞別じゃ、少ないが我慢してくれ。大魔王に破壊された街を修復せんといかんのでなぁ」



え?これで少ないの?こんなに一杯入ってるのに?

もしかして俺の世界の通貨とは全然価値観が違うのかな?

気になった俺はヴァンタにこっそり聞いてみた。


「なぁヴァンタ。これって少ないの?」

「ん?」

俺は袋の口を広げてヴァンタに見せると、

ヴァンタは首を傾げながら袋の中をのぞき込んだ。


「そうでもないよ?えっとねぇ~、普通の生活するだけなら一生何もせずに暮らせるくらいかな~?」

「まじで!?WOW!」

Really!?マジでこんな大金貰っちゃっていいの!?


「ありがとうございます!!!キング王!!!」

「ほっほっ、礼には及ばんよ。それより魔王達の討伐、期待しておるぞ?」

「わかりました!…え?魔王たち?」


ガラガラガラ


ドスンッ!


城門を支える鎖がガラガラと音を立てて外れると、

俺と王様たちの間にドスンッと落ちてきた。


「一生懸命頑張るのじゃぞ~応援しておるからな~!」


「ッ!?おい待てよくそじじぃ!?お前いま魔王たちって言ったよな!?ねぇ!?おい!門を開けろおお!」


どれだけ叩いてもビクともしない、ちくしょ~騙しやがったな!

叩きつかれて息切れした俺は取り合えず深呼吸して息を戻す。

落ち着いた俺はヴァンタに質問をした。


「なぁ?ヴァンタ。魔王って何人もいるの?」

「いるよ~」

「マジでか」


俺は顔に手を当ててがっくりと項垂れた。


「えーと、ちょっと魔王について説明してくれない?」

「もちろんいいよ~?ダーリン♡」


ヴァンタが優しく説明してくれた。


「えっとね~この世界には大魔王も入れて、魔王が10人、いや9人いるよ~」

「9人!?なんか微妙な数だな…というか何で9?」


「私が殺した」

「お前が殺したの!?なんで!?」


「アイスクリームの取り合いになって...つい..」

「アイスクリームの取り合い!?!どういう事!?」


「話し続けるね」

「あ、ごめん、どうぞ。」


「9人いて,,,,」

「いて?」


アゴに手を当ててうーん…と考えるヴァンタ。


「それだけかな」

「それだけかよ!!」


魔王が9人も居て、それ全部俺が倒さなきゃいけないのかよ...ヘビーだぜ... wow

まぁいっか、とにかく一番近い魔王を倒しに行こう。

失敗してもぼろぼろになって帰ってきたら許して貰えると思うし…うん、それでいこう!


「じゃあヴァンタ、一番ここから近い魔王の場所へ案内してくれないかな?」

「いいよ~ダーリン!一番近いのはね~多分、歩いて1時間ぐらいで着くかな」

「マジで!?近っ!まぁいっか…よーし! 俺の剣(相棒)アメージングエクスカリバー(POWER)が唸りを上げるぜぇ!!」


「でもそろそろ夜だから宿を探そっか」

「えええええええ!?城から出て30分もたってないぞ!?もっと冒険させろよ!」

「夜寒いよ?モンスターとかたくさん出るよ?」



「うん、よし!宿探そう!」



何事も身体が資本。腹が減っては戦は出来ねぇ!

言っておくが俺は別にモンスターにビビってるわけじゃない、寒いのが苦手なだけだ。

そう、YES、風邪とか引きたくないしな!不死身だけど!!


「それだったら私がよく通ってる宿が近くにあるよ?めちゃくちゃ大好きなんだ~」


本当に嬉しそうに話すヴァンタ。


「へー、ヴァンタが好きな場所か~…それは見てみたいかもな!HAHA」


寒さ(SCARY)に震える俺を抱きしめながらヴァンタは宿に連れて行ってくれた。


……………

…………

……



DAN !!DAN!! DANNNNNNN!!!(オルガンのホラーの効果音)

きゃああああああああああああああ! (女性の叫び声)

KRAA KRAA KRAA!!(カラスの鳴き声)






「..........」

「ほら!早くダーリン!部屋を借りましょう~♪」


真っ暗闇に浮かぶ満月。枯れた木の枝に乗って鳴くフクロウ。

窓から見える光が逆にホラーチックに見える真っ黒な建物。

ヴァンタに連れられてきた俺が見た物は正に、

ホラー映画に出てきそうな雰囲気のおどろおどろしい温泉宿屋だった。



「泊まれるか!!!!!!!」



モンスターとかいうレベルじゃねぇ!

これ無理だろ?怖いわ!!


看板には明らかに血で描いたような文字があるし、

宿の周りには何か不気味な紫色のオーラが漂ってるし…。


「どうしたのダーリン?入らないの?」

「入れるか!!!!!!」


いや、待てよ? ここは異世界だぞ?

俺はここに来てからというもの、見た目が全裸ってだけで散々な目にあったんだ。

そうだよ、見た目で判断しちゃいけないよね?よし、入ってみ....



「いらっしゃいませ」



MONSTERが受付やってるうううぅぅSHITTT!!!!


「マスター、また泊まりに来たよ」

「これはこれはヴァンタ様、いつもありがとうございます」


しかも常連かよ!!!!


「いつもの部屋空いてる?」

「すみませんヴァンタ様、その部屋は既に他のお客様がご利用しておりまして…」

「え~!?もう!ダーリンにお気に入りの部屋見せたかったのに~!」


「それでしたらVIPルームはいかがでしょう?ヴァンタ様には日頃からご愛好頂いておりますし、今回は特別に無料でご利用頂けますが…どういたしましょう?」

「うーん... わかった…」


不満気に頷くヴァンタと正直どっちでもいいから早く休みたい俺。

マスター?らしいモンスターに俺たちは部屋へ案内してもらった。


外から見た時はマジでやべぇと思ったけど

廊下は意外と普通だなぁ…


「お部屋がこちらになります」

「お、どれどれ? Let me see!」



ガチャ

ギィ~…



部屋の扉を開けると見渡す限り壁が真っ赤。

床が真っ黒でキングサイズのベットが真ん中に一つ。

全体的に薄暗くてどことなく紫色にモヤがかかったようにボヤけていた。



「え...?」



「ではごゆっくりどうぞ」



ギィ~ 

バタン




「できるか!?こんな部屋で!!」




「なぁヴァンタ、嘘だよな?ここで俺たち泊るの?疲れをとるって言うか命取られそうっていうかメンタル狂うわこんなん!!」


「え?なんで?すっごく良い部屋じゃん」

「どこがだよ!?」


こいつのセンスどうなってんだよマジで!?

ヴァンタはすたすたとベッドに近寄るとそのまま腰を掛ける。


「ほらベットがギシギシとなるところとか」

「え!?それがいいの!?」


「それにほら、クローゼットの中にワームホールもあるしお得だよ」

「何がお得なんだよ!?!」


やばい、マジで疲れた

俺、異世界から来てまだ一日しか経ってないんだぞ?1DAYだぞ!


「あのなヴァンタ、もうちょっと何だろう、普通の施設とかないの?」

「う~ん…あっ、それなら一階に温泉があるよ?」

「え? マジで? 温泉!?」


「うん」

「あれだよね!?お湯が全部血とかいう変な温泉じゃないよね!?」


「えへ、ダーリン面白い事言うね」

「マジで冗談じゃないから!!」


まぁそうだな、ヴァンタが嘘とか付く必要ないし。

無理してでも温泉に行って疲れをとるか…



そして俺は1階にあるらしい温泉に向かった。




~温泉の暖簾前~




へぇ~、モンスターの温泉でもちゃんと男湯と女湯は分けてあるんだな~ 不思議

よし、服脱いで、温泉に、入るぞ!!



ってならないよね!!!!



だって、ヴァンタがまだ俺の腕にくっついてるんだもん!!!!!!!



「私も入る♡」

そういうと俺の腕から離れて服を脱ぎ始めた。

今までぶかぶかのローブを着てたからわからなかったけど、

ヴァンタって意外とスタイル良いんだな…じゃなくて!


やばいぞ、ヴァンタ完全に俺と温泉に入る気だ!!

いくらヴァンタとはいえ女の子だぞ?俺の理性がぶっ飛んでしまう!

ここは何としても止めなきゃ…っ!


「あのね、ヴァンタ」

「な~に?」


「お前には悪いけど、俺は一人でお風呂に入りたいんだ。そう、将来の為に!」

「将来?」


「そうさ!俺はヴァンタを大切にしたぃんだ!一時の感情に任せて過ちを犯すような事を!俺は!絶対に!したくないんだ…!」



俺は全力で出来る限り頑張ってかっこいい言い訳をヴァンタに告げた。

どうだ!これでいけるか…!?


「も~!ダーリンったらそこまで私のことを…きゃ♡

わかった、お風呂ゆっくり楽しんでね~♡」


俺の激熱な命乞いが伝わったのかヴァンタは俺から離れて、

顔を赤らめながらニコニコと嬉しそうに女湯へ入っていった。



~温泉の中~



ガラガラガラッ


カポーーーン…



ふー…マジで疲れたぁ~

不死身の癖に疲れは消えないんだな...damn

温泉は普通にいや、結構いい温泉!HAPPY!




ガラガラガラッ




俺がお風呂をモーレツにENJOYしてたら、誰かが温泉に入ってきた。



ペタペタペタ


シャー……バシャバシャ


…キュッキュ


ペタペタペタ


ガターン!「いたっ!?」



湯気が濃くて誰なのか見えないけど何かぶつかったらしい。大丈夫かな?



ペタペタペタ


チャポン…



何かにぶつかった人がお湯に入ってきた。

湯気で見えないけど結構近くだな…




シーーーーーーン…

….




「あの~、ここ、良いお湯ですよね!」

沈黙に耐えきれなかった俺は反射的に挨拶をしてしまった。


「そうだな、いいお湯だ!」


おお!ちゃんと返事してくれた!

異世界に来てまともにコミュニケーション取ったのは初めてかも!

ちょっと嬉しくなっちゃった…もう少し話してみよう!


「僕はここ来るの始めてなんですよ~」

「そうなのか!ここのマッサージはいいぞ!オススメだ!」


「マジで!?いいですね!後でやってみようかな!」

「あぁやってみろ!ところでお前はどっから来たんだ?見ない顔だが」


え?俺の事見えてる?こんなに湯気が濃いのに?

すっげぇ目が良いんだなこの人!!


「僕ですか?僕は異世...じゃなくて近くの街から来たんですよ~!haha…」


あっぶね!!異世界って言いそうになったよ!

またあの時みたいに捕まったりしたらやばいもんな…SAFE!


「異世界?」


え!?やべー完全に聞こえちゃってたよ!?この人耳もいいのかよ!?


「え?異世界?HAHA!俺そんな事言ってないっすよ!”いせ”って言ったんですよ!”イセ”って言う街から来ました!!」


「だけどお前、いまはっきりと”異世界”って言ってたぞ?」

「言ってませんよ!話変えましょうね!?ね!」


「あ、うん...」

「あ!ちなみに!そちらはどっから来たんですか?」






「俺か?俺は魔王城から来た」











!!?!??!?!??!???!!


ええええええええええええええええええええええぇぇ!!??



待て待て待て!

魔王城ってことはこいつもしかして魔王じゃね!?

俺、魔王と一緒にお風呂入ってたのかよ!?!?!


いやいやそんな分けないだろ、こんなに早くエンカウントするわけないもんな!?



「そういえば自己紹介がまだだったな」



ザバーンッ!!!



目の前の人が勢いよく立ち上がり、その風圧で湯気が薄れる。

俺の目の前で堂々と名乗りを上げたその姿はまごうこと無き…、




「俺の名前はキティ。灼熱の魔王”キティウィンク”だ」




バリバリの魔王じゃねぇかああぁああああああああああぁ……えっ!?


さらさらと流れるように美しい赤み掛かった茶色のロングポニーテール


キラーーン!!



筋肉質でありながら大きくやわらかでキュッと閉まったお尻



ドーーーン!!



健康的な褐色の肌に薄っすらと脂肪を纏ったパツパツで張りのある太もも



デーーーン!!



目の前で豪快に揺れるメロン並みにデカい胸



BoooooooM!!



あ、あ、あ…



!?!?!



はぁはぁはぁ え


ええ


えええ


ええええええ

えええええええええええええええええ




俺は、自分の目が信じられなくて何回もこすった。


キティウェイク....さん





「お前の名前も教えてくれねーか?」



ニカっと笑いながら睫毛の長いキリリとした釣り目で、

俺を真っすぐに見つめてくる彼女は、メチャクチャ....かわいかった。





んっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!






女じゃねーーか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!








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