第五話 ~俺、なんかやっちゃいました?~
は!?は?ハァ!?
待て待て待て待てっ!!堕天使?第六天SUPER大魔王??!はぁ!?
名前が一緒!?WHATS!?
意味が解らない、てゆうか大魔王ばりばりの日本人じゃねぇ
か!!!
「待て待て待て!?その名前は俺の国いや、世界ではよくある普通の名前なんだ!!」
「黙れ!何故その名前を知っていると聞いているんだ!!」
「今言ったじゃねぇか!!さっきから人の話全然聞かないよねお前!?」
こいつ脳みそ城で出来てんじゃないのかってくらい話聞かないなほんと!
ダメだ、こいつじゃ話が通じない。
何とかしてこの誤解を解かないと…。
「違うんだよ王様!おれは…」
「大魔王様・・!」
「NO!!違う!!お前は状況を悪化させないと生きれないの!?」
俺のほっぺに顔をすりすりしながら余計に誤解を招く。
発言をしてくれやがったヴァンタを引き離そ…うとしたけどビクともしない。
まぁ、わかってたけどね!
というかどうしよう、このままじゃ本当にヤバいぞ…!
「キング王!これは処刑ですよね!」
「は!?何いきなり怖い事言ってるんだよ!!」
「大魔王様…旦那様と処刑…なんてステキ♡」
上には俺の首を絞めるウォーリアー。
横には俺の腕をちぎれるように掴むヴァンタ。
誰か!誰か助けてくれ!!!!!!!!
「いい加減にしろウォーリアー!」
「キング王?」
「早合点はおまえの悪い癖だぞウォーリアーよ、
まだ彼が魔王であると決まったわけではあるまい」
「しかしキング王…!」
「その手を離しなさい、ウォーリアー」
「…はい、わかりました」
ウォーリアーは渋々頷くと俺の肩を一回殴ってから首を放した。
子供かよ!
「…一つ、昔話をしよう。私のおじいさんが話してくれた話だ」
王様は咳払いを一つしたあと、真剣な顔で話し始めた。
今から百年以上前の話。
突如現れた魔王を名乗るモノの手によって世界は支配され、
多くの人々の命が無残に奪われていた暗黒の時代。
王国は何度何度も魔王討伐の為に軍を興したが、
魔王には剣も矢も魔法でさえも一切通じず、
結局傷一つ与えることすら出来なかった。
このままでは人類が滅ぶのも時間の問題。
困り果てた王は禁を破り古来より王家に伝わりし異世界召喚の儀式を行い、
勇者を召喚することに成功した。
召喚されたのは一人の少年だった。
見た目は可もなく不可もなく、
中肉中背でとても戦士とは程遠い。
不思議な服を着ているという事以外は、
どこにでもいるようなただの少年にしか見えなかった。
不安になりながらも王はこの少年に頼るしかなかった。
「魔王退治…いいね、面白そうじゃん!」
彼は二つ返事で頷くとすぐさま城から旅立っていった。
正直な事を言うと王は期待などしていなかった。
あのような年端もゆかぬ少年が魔王を倒せるはずがない。
王だけではなく誰もがそう思い、絶望していた。
しかし翌日、少年は戻ってきた。
王国から旅経つ前と何も変わらない姿だった。
片手に魔王の首を持っている事以外は。
「魔王ってさぁーこんなもんなの?
めちゃくちゃザコだったんだけど、
“俺なんかやっちゃいました~?”」
年端もゆかない少年が、
たった一夜にして魔王を討った。
子供の夢物語ですらもっとマシな嘘をつく。
絶望に慣れ切った人々は中々信じようとはしなかった。
しかし、それも短い間のことであった。
暇を持て余した少年が気晴らしに
魔王軍の残党をいとも簡単に殲滅していき、
各地から魔物が一匹残らず皆殺しにされた後、
そこでようやく人々は本当に魔王を討たれた事を実感したのであった。
王は大いに喜び、感謝の証として国中のありとあらゆる贅を与え、
彼を世界を救った英雄”勇者”として称えた。
勇者様がいればもう何も恐れる必要はない
これからは魔物に怯えることなく生きていける。
勇者。勇者。勇者。勇者。
勇者様がいれば大丈夫。
これで世界は平和になったのだ。
そう思った矢先であった。
「飽きちゃった」
勇者はいつもと同じように何の気無しに剣を取ると、
気が向くままに目に付いた「人間」を切り殺していった。
誰もが望んでやまない理想郷が、
瞬く間に阿鼻叫喚の地獄と化した。
魔王を倒して数年間。
退屈しのぎに魔物を殺し、
毎日毎日貢がれる世界有数の美酒を飲み、
ありとあらゆる種族の美女を抱きながら、
黄金のベッドで眠りにつく。
そんな毎日に彼は「飽きて」しまったのだ。
「う~ん、まぁ、魔物よりはちょっとマシだったかなー」
死骸に溢れた血だらけの部屋の中心で勇者は少し愉快そうに呟いた。
「おぉ、勇者よ!何故こんなことを…!」
王は目の前の光景を受け入れることが出来なかった。
それほどまでに異質な光景だったのだ。
「あっ、王様じゃん!丁度よかったー」
「オレさ、今から大魔王だから、そこんとこよろしく~」
王は言葉の意味が理解出来なかった。
いや、理解などしたくなかったというのが正しかった。
魔王から世界を救った勇者が魔王になるなど、
それこそ出来の悪い夢物語に他ならないのだから。
「あれ?おーい、もしもーし?ちゃんと聞こえてる?”俺なんかやっちゃいました?”」
呆然と立つ王様が滑稽に見えたのかケラケラと笑いながら小馬鹿にする勇者。
その瞬間、王は気付いてしまった。
我々が呼び寄せたのは勇者などでは無い。
冷酷無比。
残虐非道。
魔王など比べ物にならない、
魔王を遥かに超える魔王、
大魔王であったということに。
「それじゃあオレ、どっかに適当に城作るから。気が向いたら殺しにおいでよ」
待ってるからねー。
彼はそういうと出会った時と同じ少年らしい笑顔を浮かべながら、
一瞬にして遥か彼方まで飛んで行ってしまった。
しばらくしてある噂が世界中に広がる。
「魔王が復活した」
誰も信じようとはしなかった。
魔王が復活したことではない。
魔王を倒した勇者が魔王になった、そんな悲劇をだ。
前の魔王が倒されてまだ数年。
ようやく訪れた平和を噛みしめていた人々は、
これ以上にない絶望にまた突き落とされたのだった。
束の間の、平和であった。
それから約百年が経った今。
今もなお、世界は暗黒に支配され続けている。
異世界からの転生者。
元勇者にして最悪の裏切り者。
「”大魔王”サトウソウマの手によって―――」
シーーーーーン…
王様が話を終えても重々しい空気が晴れることは無かった。
なるほど、そういう事だったのか。
正直難しい用語ばっかりで途中からよくわかんなかったけど。
なんとなく理解した…と思う。
まぁーでも、うん、一つだけ言いたいんだけどさ。
「あのーそれ俺と同じ名前なだけのただの日本人ですよ!?」
「大魔王サトウは勇者であったころから凄まじい力を持っておったのですぞ?
そんな人間が勇者様の世界にはごろごろいると?」
「いやいやいやだから違うんだって!?
あのね!佐藤って名前は全国、オレの世界(日本)では一番人気で、
大体え~っと確か180万くらいいるんだぞ!?180万も魔王がいるって言うのかよ!!」
「いいや!キサマこそが大魔王サトウソウマだ!」
「ちがうって言ってるだろ!?俺は本当に魔王なんかじゃない!!」
「ちがわない!違うと言うのなら証拠を出してみるがいい!」
「ねぇよ!というか逆に証拠ってなんだよ!どんな感じで証明すればいいの!?」
ウォーリアーは一瞬固まって考え込んだ後、
目を細めながら困ったように言った。
「なんか…あるだろう…魔法とかそうゆう感じの!」
「だせねーよ!俺はただのNORMALな人間だよ!!!」
「ほら見ろ!証拠を出せないではないか!
やはりキサマは嘘つきだったのだ、この嘘つきめ!」
「はぁ!?お前ふさげるなよ!このTシャツがどうなってもいいのか!破くぞ!」
「やめろ!!正気か貴様!!!」
「やめねーよ ばーかー!」
「おのれ~…!!露出狂の変態三日月尻大魔王の分際で…!」
「おいやめろ!そこに触れんじゃねぇよ!!見せたくて見せてるわけじゃねーんだから!!!」
俺の反応を見て勝ちを確信したウォーリアーは、
やーいやーいと手を叩きながら小学生みたいな煽り方をしてくる。
ちくしょー!コイツ俺と同じくらいバカの癖に!むかつくー!!
「よし、決まりだ!貴様は死刑!!服を脱がして死刑だ!ですよね、キング王!!!」
「えぇ!?また死刑かよ!!お前どんだけ俺を殺したいんだよ!」
「うむ…確かに、証拠もない以上、これ以上の審議は無駄か」
王様は自慢の髭を撫でりつつ、うーむと唸りながら絞り出すように呟いた。
「Really!? マジで死刑なの??」
「安心しろ、そなたはまだ死刑にはせん」
「え!?」
目に見えて不満そうな顔をするウォーリアー
「王様…!」
王様…なんて良い人なんだ!
ウォーリアーは納得いってないみたいだけど
王様の言う事は絶対だからね!!
「キング王!何故そうまでしてヤツを庇うのですか!?」
「事はそう簡単ではないのだ、ウォーリアーよ」
「彼が仮に大魔王になる器ならばここで始末すればよい」
「しかし、彼が真に勇者であったならば、
我々は大魔王を倒す唯一の力を失うことになる
それだけは何としても避けねばならぬ」
そういえば俺って勇者だったんだよなぁ
え?でもどっちみち魔王なんて倒せないぞ?
自分で言うのも何だけど、俺イケメンなだけでめちゃくちゃ弱いからな!!
「それに、まだ彼が何故死の魔女と共にいるのかも聞いておらぬしな」
「しかし、それでは…!」
「わかっておる、みな迄ゆうな」
そう告げる王様の目はこれ以上ないくらい真剣で、
ウォーリアーは黙って頷く事しか出なかった。
「勇者よ、聞いていた通りこれが最後のチャンスじゃ。
胸の内にあるもの全て、洗いざらい吐き出してくだされ。
我々全員が納得できるようにのぅ」
「ワシにまだ、そなたが勇者であるということを信じさせておくれ」
「王様…!!」
まじで!本当に!!なんて良い人なんだ!!!!!!!
この世界に来てからひどいことばかりで辛かったけど、
こんなに優しくしてもらったら頑張るしかないじゃん!
「…OK、わかりました!頑張って説明します!!王様!!!!」
ガチャッ
ギィィ……
俺が説明しようとした瞬間、ギィィっと音を立てながら扉が開いた。
「お父様~お昼ご飯まだ~?お腹空いたよ~」
寝起きのような緩い声で場違いな発言をしながら。
一人の金髪美少女が眠たそうに目をこすりながらトボトボと部屋に入ってきた。
かわいい!じゃなくて!誰だよこんな時に!
俺は今から命乞いのために必死で、
説明しなきゃいけないところだったのに!
…あれ?ちょっとまてよ?
あの女の子、どっっっっかで見たような…?
「おぉ~我が愛しの姫君よ!!ごめんね~?パパ、今お仕事中だから~。
でも大丈夫!す~ぐ済むから!それが終わったら美味しい美味しいステーキを
パパと一緒に食べようね~」
王様の口調が変わった。
さっきまでの威厳はどこにいったんだ?
というかお姫様、お姫様ねぇ…。
あっ!?朝のベットで一緒に寝てたあの美少女だ!!!
やばい、まじでやばい!
「ん…?」
俺たちはまるで海外のラブロマンス映画みたいに目があった。
姫様は俺をじ~っと見つめてる、まるで何か大切な事を思い出すように。
NO!やめろ!!思い出すんじゃない!!まじで頼む本当に頼む!!
「ああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
俺の祈りも空しく姫様は驚いた表情で俺を指さして大声で叫んだ。
「あんたあの時の変態!!」
「いやいやいやいやいや!」
「え?え?え?っというか何で生きてんの!?あんなに高い処から落ちたのに!」
「いやいやいや知らない知らない!人違いだからマジで!REALLY まじで本当に!!」
「ん?どうしたのだ二人とも?まさか、顔見知りなのか?」
慌てふためく俺達の様子を不思議に思った王様は俺達に質問してきた。
「全然知りません!俺はなんにも知りませんよ王様!!ほら、そんなことより
さっきの説明の続きを聞いてください!」
頼む頼む頼む!頼むから余計な事を言わないでくれお姫様!!!!!!!!
「パパー!!そいつ、勝手に私のベッドに忍び込んでエロい事しようとした変態よ!!」
王・ウォーリアー・兵士達「「「ベッドッ!?」」」
「お前えぇ!!なに勝手に話を盛ってんだよ!!違いますからね王様!?
俺はただ間違って胸をほんの少しだけ触っちゃっただけでででで!!」
王・ウォーリアー・兵士達「「「胸!!??」」」
「あなた!わわわ私のお胸触ったの!?!?」
「いやいやいやわざとじゃないから!?事故だから事故!」
「へぇ、ダーリンってあんなのが好きなんだ~」
「好きだけど違うんだって!!いたたたた!!!!!!」
ヴァンタに腕を強く握り絞められて悶絶する俺。
というかそんなことしてる場合じゃねぇんだよ!
「王様!!!説明させてください!!これには深い訳があって」
「黙れ」
「え?」
「貴様は死刑だ」
王様の目は死んだ魚のように濁っていた。
「ええええええええええええええええ!?!?」
「よっしゃああああああああああああああぁぁああ!!」
「「「おぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」
満面の笑みで天高くガッツポーズをするウォーリアー。
地響きと思うくらいに大騒ぎで喜ぶオーディエンス達(兵士)。
未だにイラつきながら俺の腕を掴んで離さないヴァンタ。
突然の死刑宣告に脳がイカれる俺。
「大罪人大魔王サトウソウマは死刑!よってこれより
絞首斬りつけ串刺し火あぶりの刑に処す!!」
いやいやいやいや待て待て待て待て。
おかしいおかしいおかしいってぇえええええ!!!???
「WHY!!?何で!?さっき信じるとかなんとか言ってたのに!!? 」
「黙れ下郎!!我が愛しきスイートハニーに
近づくだけでも許し難いというのに、
よりにもよってその汚らしい手で触れるなどと…
死んで当然!万死に値するであろうが!!」
「だから事故だって言ってるだろおぉおおお!!?」
ダメだ!もう、神も仏もいやしねぇ!!
「なぁおい!これ何とかしてくれないか?
お前に聞いても何も解決しないのはわかってるけどさぁ!」
「ダーリンって大きい胸好きなの?
わたし魔法で自分の胸を大きくできるけど、どうする?」
「今それどころじゃねんだよ!てゆうか、え!?できるの!?すご!」
カチャ
「えっ?」
俺がヴァンタの胸に気を取られている内に、
いつのまにか両手に手錠を掛けられていた。
「やっと、お前を死刑にできるな」
目の前には今まで見た事もない位に穏やかな顔をしたウォーリアーがいる。
「おい何!手錠かけてんだよ!?外せよこれ!?」
「心配するな、私はこうみえて処刑の達人だからな。心置きなく死ぬが良い」
「俺が死ぬ前提で話してんじゃねぇよ!!いやだ!!死ぬ事も嫌だけど
こんなバカに殺されるのはもっと嫌だー!!!!」
俺はただ、無様に泣き叫んで許しを乞うことしか出来なかった。
「黙れ!!貴様の罪は死してなお!決して許されざる
永遠のモノであると心に刻むが良い!!…ところで隣の魔女よ
お主はどうしたいんじゃ?別に帰っても構わんが」
「ダーリンと一緒なら私も一緒に死にます♡」
「じゃあボクが代わりに帰ってもいいですか!?」
「貴様は死ね」
もはや一片の猶予も与えん。
そう言わんばかりに王様は俺を睨みつけながら最後の死刑宣告を告げた。
「自らが犯した罪に苛まれながら聖なる業火に身を焼かれ
地獄の底へと堕ちるがいい!大魔王"サトウソウマ"!」
ズンッ
パラパラパラ…
ざわざわざわ…
おい、聞こえたか…
なんだ今の音は…?
ズンッ
パラパラパラ…
天井からパラパラと石と砂が混じったものが落ちてくる。
ざわざわざわ…
ズンッ ズンッ ズンッ ズンッ
「これは一体…何の音なのだ!?」
「これは、まさか…!」
「ぶえっくしゅ!へぇ~っくしょん!!
え?え?なになに、何が起きたの!?」
王を庇い剣を片手に身構えるウォーリアー。
王様は何か察したようで顔が青ざめてる。
俺は落ちてきた砂が鼻に入ってくしゃみが止まらなかった。
ズンッ ズンッ ズンッ ズンッ
………
ピシッ
ド――――――ん!
BOOOM!!!
「「うわぁああああああ!!」」
何らかの衝撃で破壊される外壁。
四方八方に吹き飛ばされる兵士達。
外壁の破片が額にぶちあたる俺。
「いってぇえええ!!顔に当たったぞ今!?なぁおい血ぃ出てない?俺大丈夫!?」
「血いっぱい出てるよ ダーリン」
「OK THANK YOU! ありがとよ!ちくしょー!」
「ええい、黙れ貴様ら!気が散るだろう!!」
ヒュゥゥゥゥゥウ…
ゴォッ!!
暴力的な風が巻き起こる。
固そうな鱗で覆われた巨大な尻尾。
城さえも包み込めてしまえそうなほどの巨大な翼。
砂埃が晴れてゆくに連れて浮かび上がる姿は。
神話に出てくるdragonのイメージそのものだった。
というかぶっちゃけモンハンで見た事ある。
「魔法で護られた城壁をいとも簡単に破壊、しかもドラゴンだと!?貴様何者だ!?」
ウォーリアーが剣をドラゴンへ向ける。
いや、正確にはドラゴンではなくその上。
ドラゴンに跨りながらニヤニヤとこっちを見下す。
一人の青年に向けられていた。
年齢は俺と同じ10代後半っぽい感じ。
身長も同じくらいだからたぶん170前後かな?
髪の色は日本人特有の典型的な黒髪で腰まで届く長髪。
見た目は俺よりはちょぉっと下かなってくらいのイケメン ギリ70点ぐらいかな?
簡単に言うとライトノベルの主人公でよくいそうな黒髪の青年だった。
「魔法?そんなの掛かってたんだ、それにしてはめちゃくちゃ脆かったんだけど…
あれ、””僕なんかやっちゃいました?””」
あっやばい。
コイツ絶対イヤなヤツだ。
「ボクを殺す勇者が現れたって聞いてね、居ても立っても居られなくて来ちゃったよ」
ガクガクガクッ
周りを見渡すと俺とヴァンタ以外の全員が震えていた。
寒い訳じゃない、むしろ気温的には暑いくらい…の筈だ。
うぅ…
あっ…あっ…
バタバタバタッ
気を失った兵士達が一人、また一人と倒れていく。
えっ?なにこれ?覇気?
あいつ覇王色でも持ってるの!?
「くっ、何故だ、何故震える!!」
震える手を抑えながら懸命に剣を握るウォーリアー。
「決して誰にも従わないという伝説の暗黒ドラゴン、
それを容易く操る暗黒色の髪の青年…ま、まさか、おまえは!?」
顔を真っ青に染めた王様はまるで幽霊でも見てしまったかのように
震えながら、目の前の青年の名前を力の限り叫んだ。
「大魔王”サトウソウマ”!!!!」
やっっっべえええええええええええええええ!!!!
本物の大魔王来ちゃったよ!!!!
OH MY !!!!!!!OH !!!MY GODDDDDDDDDDDDDDDDDDD!!!
NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!




