第三話 ~全裸から始める異世界生活~
「ええええええええええええええええええええええええ!?」
俺はまだ叫んでた。
まさかいきなり結婚を申し込まれるとは思わなかったからだ。
しかも初対面でだぞ!?
「いやいや落ち着け俺!まずは落ち着け!!
いま俺は街のど真ん中で裸で叫んでいる変態だ!Sexy~」
俺が何か変な趣味に目覚めちまう前に
一刻も早く着る物を探さないと…。
そうやって俺が真剣に悩んでいると、
思春期の乙女みたいに頬を真っ赤に染めたヴァンタが、
俺の腕に抱きついてきた。
「お名前を教えていただけませんか?旦那様!」
こいつ!もう俺の事を旦那呼ばわりしてるゔぅ!!!!!!
落ち着けマイ リトル ヒーロー(テ〇ンコ)!
ビッグヒーロー(ティン〇)になるんじゃない!
STAY DOWNだ!まじでSTAY LOWしろよな!!
俺は死んだグランマの事を思い出して必死に息子にブレーキを掛けた。
そんな俺の葛藤なんて知らないと言わんばかりに、
ヴァンタはその柔らかくて薄っぺらい胸を腕にすりすりと擦りつけながら、
ちょっと照れながら話した。
「ふむ、ふむ、これが人と触れ合うという感触…。
悪くない!何かむず痒いけど、これはこれで癖になりそう!」
あっ…!♂
やだおめぇきもちわりぃ!こいつ変態だ!!(かわいいけど…)
服も着なきゃいけないし一刻も早く離れないと…!
俺は頑張ってこの場から離れようとしたが、
この握力MONSTERに掴まれてるせいでびくとも動けない。ゴリラなのか!?
周りの人もめっちゃ見てるし、このままじゃ本当にやばい!!!
PLEASE NO HELP ME GOD!!!
その時、俺の叫びが天に届いたのか
見回りの兵士が何事かとやってきた。
「おい!おまえ!何をやってるんだ!?!」
「お巡りさん!助けてください!!この変態が俺の事を殺そうとするんですぅううう!!」
「ふざけた事を言うな!変態はキサマだろう!!」
ジーザス!そうだった!!!俺は は・だ・か なんだ!!!
全裸で女の子にくっついてる変態じゃん!どう見ても悪いの俺じゃん!!!
「あれは…!おい、犯罪者を見つけたぞ!」
お巡りさん(見張り)に泣きついていると、
俺を追っていた兵士達(30人)にあっという間に囲まれてしまった。
やべぇ、俺追われてるんだった!!
逃げなきゃ!でも、逃げ場なくね?どうしよう!
「邪魔だ!前を開けろ!」
俺が必死に考えていると、
向うから兵士達を押しのけながら一際大柄な女の子が出てきた。
見た目は、ものすごく美女で巨乳で背が高い。
たぶん180以上あると思う。
肌は真っ白で髪は茶色のロング。
いかにも兵士ですよって感じのキツイ目元。うん、good!
「私の名前はウォーリアー!貴様だな!お姫様に狼藉を働いた不埒者は!!」
びし!っと俺を指さしながら自己紹介をする美女。
…っていやいや、狼藉ってなんだよ!
「待て待て待て!誤解だ!SUPER誤解だ!!」
ヴァンタが目を開けて俺の方を見た。
「お姫様の…部屋?もしかして浮気?」
「浮気も何も付き合ってもないだろ!いってぇ!?腕を摘まむな!」
ウォーリアーは腰の剣を抜き、俺の目の前に剣先を突きつけた。
「問答無用!ここで貴様を捕縛する!覚悟しろ!」
まずいぞ、このままだとマジで捕まるかもしれない! なんとかしなければ!
すたすたすたっ
ん…? あっ!
あれはさっきナンパしようとした褐色エルフガールちゃん!
さっき俺に絡んでた兵士に話しかけてる…あっ!
そうか、俺を助けに来てくれたんだ!
あの子は俺がこいつに殺されかけてたのをずっと見てたし、
きっと誤解を解いてくれようとしてるに違いない!
やったー!俺はなんてhappyなんだ!thank you my god!
これからはサボらず毎日お祈りするぜー!
「あの人です!さっきから裸であの子を誘拐しようとした変態です!!!!」
です!!!
です!!
です....
エルフの子の言葉が俺の心にエコーみたいに響いた。
oh my god…もう二度と祈らねぇ。
ダークエルフちゃんの勇気ある嘘の告白を聞いた兵士達が
一斉に俺のことを睨みつけた。
おいよしてくれよ。俺は男に見つめられて喜ぶ趣味なんてないんだぜ!
女の子はありかもだけど!!
「やはりな、姫様に恥をかかせ、無垢な少女にまで手を出した罪、死んで償え」
ウォーリアーが俺を罪人を見るかのような目で睨みながらゆっくりと剣を構えた。
ちくしょう…俺の味方は誰もいないのか。
「ふっ、モテる男はつらいぜ…So Sexy…」
俺はそう言って一滴の涙をこぼした。キランッ☆
「囲め!囲め!!!あいつを捕まえて!その子を助けるんだ!!」
しびれを切らした兵士の男たちが俺に向かって突っ込んできた。help me!
「うぁあああ!!」
ShuuuuuuuuuN……
俺からヴァンタを引き離そうとした2人の兵士がヴァンタに触れた瞬間、
灰になった。
えっ?灰になったって…マジ?
じゃあ、さっきヴァンタが言ってた事って本当のこと、なのか…?
こえぇええええええええええええええ!?SCARY!!
俺死ななくてよかったぁあああああ…!
「おのれ~怪しげな魔法を使いおってー!」
ウォーリアが忌々し気に俺を睨みつけた。
「えー!?いやいやいやいや、俺じゃねーよ!こいつ、こいつのせい!!」
俺じゃないからね?無実だからね?って意味を込めてヴァンタを指さした
「ちっ…皆の者待て!」
ウォーリアーは舌打ちしながら兵士たちを止めた。
さっきからずっと黙って目を瞑っていたヴァンタが
目を開けながら、だるそうに兵士たちに話しかけた。
「ダメだよ。勝手に私に触れたら。死にますよ。」
すると、兵士の一人が何かに気づいたのか、
顔を真っ青にしてウォーリアーに話しかけた。
「ウォーリアー様!見てください!あの女の子を!
あれは!暗黒MAX!死の魔女のヴァンタです!」
「な!なんだと!!!」
暗黒MAX…?って何それ。
「えっそんなに有名なのこいつ?」
俺がヴァンタをじっと見つめると、ヴァンタは恥ずかしそうに顔を赤くした。
確か…とウォーリアーはアゴに手を当てて考えてる。
「噂によると彼女の闇魔法が強すぎて自分すらコントロールできず、触れた者はみな死んでしまうだとかなんとか…」
ヴァンタはあーそれそれと大きくうなずく。
「うん、それ私だね~。だから触んないでね~マジで死ぬからさ~」
ヴァンタの話し方はさっきよりだいぶ砕けたものになっていた。
たぶんこっちが素なんだろうなぁ。
「信じられるものか!だったら!なぜ!その変態と抱き合えるのだ!!?!」
「不思議でしょ~?私もわからないんだよね~?でもなんか運命って感じだと思うよ?ねっダーリン♡」
「だれがダーリンだ!とにかくこれで誤解は解けただろ?俺は無実なんだよ!」
だから早くこいつから俺を解放してくれ、そして誰か服をくれ!
ぷしゅ~……
ぷしゅ~?
おっ?ウォーリアーの様子が変だぞ?
何かイライラした様子で頭をガシガシと掻いてる…MADなのか?
「えぇーい!めんどくさい!!貴様ら二人とも有罪だ!!」
「ええええええええええええええええええええ!?」
こいつ俺の話ちゃんと聞いてたのか!?
俺、無罪!何も悪くない! OK?
「姫様に対する不敬!狼藉!不法侵入に公然わいせつとその他諸々!
暗黒MAX?触ったら死ぬ?知るか!ここで二人とも死刑にする!!
お前達、こいつらを殺せ!!」
「はっ!!」
ウォーリアーが手を挙げると30人以上の兵士達があっという間に俺達を囲んだ。
Mother Fu〇ker!
俺は本当に何もしてないんだって!!!!!!!!!!!!!
冤罪にもほどがあるだろ!まぁ、胸は揉んだけど!
とにかくこのままじゃやばい、本気で殺される…そうだ!
「おい!ヴァンタって言うんだっけ?お前強いんだろ!?
俺と一緒に死刑にされたくないだろ!?何とかしろよ!」
俺はヴァンタの肩を掴み、ガタガタと揺らしながら頼み込んだ。
俺を殺そうとしたヤツに頼むなんておかしな話だけど、
今はこいつに頼むしか生きる道はない!
「名前覚えてくれてたの!?うれしい!!!!」
ヴァンタは目をキラキラさせながら喜んでいた。
「おい!そういう場合じゃねーだろ!死刑されるんだぞ!」
「一緒に死刑にされるのも、なんかロマンチックかも…なんて…♡」
忘れてた、こいつイカれてるんだった…WOW…
ちくしょう!こんなところで俺は死ぬのか!?
まだ全ッ然美少女ちゃん達とEnjoyしてないってのに!!
もうだめだ!おしまいだ!
そう思った俺は咄嗟に背を向けてしゃがんだ。
「「!!?」」
ガチャ、ガチャ、ガチャン
シーーーン
いつまで経っても痛みが来ない。
え?なんで?もしかして俺、もう死んじゃってる?
俺は恐る恐る振り向いて兵士達の様子を見ることにした。
兵士たちが驚いた表情でぴったりと静止してる。
ウォーリアーも信じられない物を見たような目で俺を見てた。
え?!何!?俺何かした?
ん?いや、何かおかしいぞ?
何かみんな俺を見てるけど見てないというか、
具体的にいうと俺のお尻に釘付けというか…。なんで?why?
不思議に思った俺は俺のCuteなお尻に目を向けた。
なんか月のマークみたいなのが付いてた。
「えっ!?!なにこれ!?いつから!?!?はぁ!?」
「そ、その紋章は、異世界より召喚されし者にのみあるという伝説の紋章!!」
「えええええええええええええええええええええええ!!??」
伝説の紋章!?これが!?というかよりによってなんでお尻にあるんだ!?
「来てくれたんですね、勇者様!」
さっきまでの殺気は嘘のように消えて、
好きな有名人にあった時のファンみたいに顔を輝かせながら
ウォーリアーは片膝を突き深々と頭を下げた。
「勇者?俺が、ヒーロー!?What's??????」
周りの兵士達も次々と武器を落としながら、
ウォーリアーと同じように片膝を突き、頭を下げた。
「お待ちしておりました、勇者様!!!!!」
「えええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!」
それを聞いたヴァンタは俺に強く抱きついてきた。
「やっぱり!ダーリンは私の運命の相手だわ!!お尻もかわいい!」
「もう何でもいいから誰か服をくれええええええええぇぇ!!!!」




