理性
私の理性は
弱い
すぐに言葉を失って
意味のない鳴声を
叫ぶ
指を
私の中へと
差し込んでよ
その立派な中指を
その逞しい中指を
その長い時を生きて来た中指を
固くなって世界から身を守ろうとしている
私に差し込んで
柔らかく溶かしてよ
内側から私を壊してよ
キラキラの光を浮かべる白いゼリーのように
じっとしてて
嫌
動かして
私を動かし始めて
私を人間ではない別の何かの生き物にさせて
そのままの姿で外へ飛び出して
自由な声を空に響かせて太陽へ向かって駆け出していきたい
どこにも帰る場所がないのなら
せめて身を溶かす炎に幸せに焼き尽くされに
いきたいの
どこにもない羽根を
広げて