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かくれんぼ
「佐藤君、見っけ」
花ちゃんの明るい声とともに、ぼくは見つかってしまった。とうとう見つかったなという少し悔しい気持ちと、見つけてもらえてホッとする気持ちと。
「あと誰が残ってる?」
「佐藤君で最後だよ」
差し出された手と共に、明るい日差しの下に出る。慣れた暗闇が、一気に遠くなる。ぼくとかくれんぼをした頃より大きく、お姉さんになってしまった花ちゃんが、目を細める。
「こんなに長いこと、見つけてあげられなくて、ごめんね」
「ううん、いいんだ」
隠れている間に、ぼくがいたトンネルは取り壊されてしまった。時間はかかったけれど、花ちゃんは、ぼくの骨を見つけてくれた。
「見つけてくれて、ありがとう」