表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/67

第19-2話 ニュースリリースができました

 先日、ついに二人目の聖女が現れたという御触れが発表された。

 肝心の聖女を選ぶ方法についてはまだ触れられなかったものの、どちらか一方が大聖女に決まるという点は明かされており、巷ではその話で持ちきりなのだという。


 身分を隠して視察に行ったジャンの話によると、


「で? どっちがどっちなんだ?」

「名前が長くてわかんねーな」

「一人は平民で、一人はお貴族さまだって話は聞いたわよ」

「なら平民の方を応援しようかしらねえ。私たちのこともわかってくれそうだわ」


 と、一般市民の反応は概ねコーデリアの予想通りだったらしい。


(でも、ひなが一般市民のことをわかってくれているなんて考えるのは大間違いよ……。あの子こそ、『パンがないならお菓子を食べればいいじゃない』マインドで生きている子なんだから)


 ひなの実態を知らずに噂している人たちの事を思うと、乾いた笑いが出てしまう。


 そんなコーデリアを回想から引き戻すように、アイザックが口を開いた。彼は彼で、日々密偵を使って貴族たちの動向を探ってくれているのだ。


「現状、まだほとんどの貴族が様子見を決め込んでいる状態だ。一部野心のある者たちは早々にヒナ派に回ったが、残りは条件次第でこちら側に引き込める可能性が高い」

「でしたらやはり、後は努力するのみですわね」


 コーデリアは拳を握って気合を入れた。努力だったら、こちらには女神さまがくれたチートスキルがついている(はず)なのだ。


「それに、ヒナ派にはもう一つ弱点が存在している」

「弱点?」


 アイザックの言葉にコーデリアが不思議そうに問い返す。


「聖女に決まった“後”だ。今はコーデリアという敵を前にヒナ派の貴族たちが団結しているが、仮に聖女がヒナ殿に決まった場合、味方だった貴族たちはあっという間に王位を奪い合う敵に変わるだろう。もちろん私たちにも言えたことではあるが、ヒナ派はさらに顕著。既に、牽制や腹の探り合いが行われていると聞く」

「うっ……。嫌ですわね、今の味方が後の敵かもというのは」


(そんな人たちに囲まれるひなも、大変そうですわ……)


 聖獣が暴走した事件から一ヶ月ほど経つ。ひなは元気にしているのだろうか。最後に見た、呆然とした顔は未だ忘れられない。


「あの……殿下。つかぬことをお聞きしても?」

「何だ」

「ひなは、元気にしていますの?」


 おずおずとその名を口に出すと、彼は一瞬面食らったようだった。それからゆっくりと口を開く。


「……調子は取り戻したみたいで、()()()()()()()()()()()()()。最近はラヴォリ伯爵家の嫡男といつも行動を共にしていると聞くが――会いに行くか?」

「あっいえ! お話だけで十分です。元気にしているならいいんですの」


 コーデリアは慌てて手を振った。気にしておいて何だが、今ひなに会っても、何をどうすればいいのかさっぱりわからない。


(それにしてもラヴォリ家の嫡男……。ヒーローの立ち位置にいてもおかしくないはずなんだけど、全然思い出せないわ)


 必死に記憶を探ってみるが、残念ながら何も情報がなかった。どこぞの陰気な男のように、後から追加されたタイプかもしれない。


(それより! 今は新聞を配る準備をしなくては)


 二人目の聖女発表の流れに乗るため、今ケントニスとスフィーダの二社には大急ぎで配布の準備をしてもらっている。最初の告知新聞は王都のみの配布とは言え、部数を用意するだけでも結構大変なのだ。


(印刷をしてくださっている間に、私も早く()()を仕入れなければ。それをつけてこそ、完成ですものね)


 コーデリアは早速、目的の物を仕入れるために出かける準備を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆ 広報部出身の悪役令嬢ですが~ 12/28発売! ◆
広報部書影
― 新着の感想 ―
[一言] 呉越同舟、疑心暗鬼…ある意味スゴイな!ひな派!(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ