第2話:出発
転機が訪れた
僕が16歳の時、村にイシュール王国でも最強と言われている騎士が訪ねてきてくれた
その騎士の名は『イーフ』
炎騎士と言われている最強で最高の憧れの王国騎士団総団長である
まさかの彼がこの村に来たというのだ
「おい!サンスネル!!王国騎士最強のイーフ様が村に来たらしいぞ!」
僕が村の裏手にある山で剣の素振りをしていると、山の斜面からスローンとスインスが走ってきて、衝撃な言葉を言った
「え!それは本当!!?」
僕は興奮しながらスローンに聞き返した
「本当だ!村で畑作業をしていたら見えたんだ!」
「・・・・・お前、彼のこと尊敬してたろ?」
「もちろん!急いで村に戻ろう!!」
僕らは急いで下山し始めた
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・・
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村に戻ると、村長の家に人だかりができていた
そのうちの一人が僕らに気が付き声をかけてきた
「おい!3人とも!早くこっち来い!」
僕らが人だかりに近づくと、中から憧れの人が家から出てきた
「君がサンスネルか?」
「は、はい!!!」
「俺は王国騎士総団長のイーフだ。よろしくな」
憧れのイーフ様が僕に握手を求めてきた
「よ、よろしくお願いします!!」
僕がイーフ様の手を握ると、イーフ様は頷いた
「うん。良い手だ」
「え?」
「これは、何年と木刀を振ってきた者の手だ。俺は風の噂で、この村に将来有望な子がいると聞いてな」
「え?」
「どうだ?俺らと一緒にイシュール王国最大の都市、王都イシュタリアへ行かないか?」
「ど、どういうことでしょうか?」
「俺は後継者を探していてな、お前なら良いと思ったのだ。どうだ?考えてくれないか!」
「行きたいです!・・・でも」
「大丈夫だ。後ろの2人は後継者としてではないが騎士見習いとして、共に来るのを許可するつもりだ」
「本当ですか!」
僕は嬉しかった
憧れの人の後継者に選ばれたこと
スローンとスインスも一緒に王国へ行けること
「よっしゃー!」
いきなりスローンが声を上げた
「サンスネル!スインス!ここで鍛えといてよかったな!!」
「ああ!!」
「・・・・ああ」
「話は決まったな。親御さんとは話をつけてあるから、出発は明日の早朝だ。それまでに準備と別れを済ませておけ」
「わかりました!」
僕らは準備をするために家へと帰った
当分はこの村へは帰ってこれない。そう思うと少し寂しい気持ちになった。
僕はその気持ちのまま眠りについた
そして翌朝、両親と別れを告げ、イーフ様たちとともに王都イシュタリアへと出発した