九十九篝は、プレゼントを買う
今回は少し短めであります。
申し訳ない。
イチャイチャ回です。
……チキショゥっ( ;∀;)
「あんた、どーゆうことよ」
第一声がそれだった。
俺は何故かギャルの前で正座している。
何故……こうなった?
「……かわいい」
「……」
現在、ネメアちゃんは狼女に拘束されてます。狼女、うっとりとネメアちゃんを抱き締めていますね、はい。ネメアちゃん、反抗したい所だろうが、狼女の力を侮ってはいけないぞ。俺も夜には経験するが、抱き締める力は凄い。たぶん、というかもうネメアちゃん狼女の力で身動き取れないんだもん。そして狼女が脅威だと感じたのか、大人しく胸の谷間に顎を乗せている。けども、やはりその瞳は少し恐怖心があるな。
「……なんで奴隷を買ったのよ。しかもこんなに幼い子を!」
何これ、端から見たらロリコン扱いされてね?
心外でありますなぁっ!
と、言うことで俺は自分の願望は言わず、代わりにネメアちゃんを強くなれる逸材だと考えて買ったということ。そしてネメアちゃんは元御主人にどんな扱いをされたのかを語ったのだ。
まあ、うん……こんな事を言えばお通夜モードですわな。
ギャル達三人はネメアちゃんは無言で頭を撫でたり、抱き締めたり等をしている。ギャル達いいやつだからな。幾らセフレの関係だったとしても傷付ける奴がいるなら叩きのめす。だからネメアちゃんもギャル達三人には手を出すなよ?
……流石にしない、か。どうやら同じ同性だからだとは思うけど、俺の時よりかは大人しく落ち着いている。
「でも、強くしてどうすんのよ?」
「……それは将来、冒険者としてでも働ける様に───」
「強くなるだけじゃ駄目でしょ。……わかった。私が勉強を教えるわ」
「……は?」
いやいやまて、ギャル。
それは問題ない。俺が教えればどうとでも───。
「あんたじゃ、特訓だけしか教えなさそうだから心配よ」
「だが」
「それに……別々に分担した方がいいでしょ」
「いや、」
「私に任せなさいよ」
……むむ。
困った。
こういう状況は、絶対ギャルは曲げねぇな。こいつもこいつで少しな……。けど、男である俺とズーッと共にいるのはネメアちゃん自身ストレスが溜まるか……?そうなれば体調が悪化したりして、強くなるどうこうの話では無くなってしまう。
仕方がない。
頼む、か。
「わかった」
「えぇ、任せなさい」
「あっ、ウチも協力するッスよ!」
「……任せて」
……いつの間に増えてしまったが、今更だ。
ネメアちゃんが増えたくらいで問題はないさ。よかったな、ネメアちゃん。お姉さん達が見てくれるってよ。これが、ネメアちゃんがネメアくんだった場合、凄いハーレムだよな。うむ、俺ネメアちゃん位に若返ってみたい。それはそれで楽しそうだし。
「……おねがいしましゅでしゅ」
おぉっ。
まさか、ネメアちゃんがお礼だと?
……あれ、俺には?
俺には無いのかなーネメアちゃーん?
「……かがり、しね」
「ほんと、何にもしてないわよね?」
「怪しいッスねぇ?」
「……信じてる」
何故、疑う。
そして、狼女はありがとう。そして、ギャルは真顔で言うのは辞めて。中々キツイものがある。ビッチよ、ニヤニヤするのはやめれ。
ネメアちゃん、後で覚えておけよ……?
「こわぃ」
「何怖い顔してんのよ、ばか」
理☆不☆尽。
まあいいや。
そう言えば、ネメアちゃんの服を買いに行かなければならない。今から行っても空いている店はあるからなー。ほんと、最近は便利よ?
「何処に行くのよ?」
「その娘の服を買いに行く。何時までも汚ならしい服では困るからな」
「じゃーっ、うちが着いていくッスよ!」
「……ネメア、見とく。勿論黒猫も」
まさかの同行者がビッチか。
ギャルと狼女は留守してもらい、ビッチと共に服を買いに行く事となった。てか、ビッチの服装エロいな。白き童貞殺しのバックレスニットセーターである。ブラしてる?と思うくらい、背中の素肌はさらけ出している。いやん、エッチ♪しかも下から見える太股は、その奥を覗き込んでしまいたくなる魔性のもの。
しかも季節的にもう十分に暗い……。
すると仏頂面で歩いていた俺の右腕に抱き付いてきたギャル。何時もの三つ編みではなく、下ろして大人びた感じ。うん、色っぽさもマシマシである。
「デートッスね、かがりん♪」
「服を買いに行くだけだ」
「冷たいッスねぇ?でも、うちは嬉しいッスよ。かがりんと二人っきりになれたんッスから……」
すると、服の胸倉を掴まれたと思えば引き寄せられる様にギャルは俺の唇を奪う。……いゃん、強引♪幾ら夜だからって、他に人見てるんだよ?あまり他の目があるのにこういうのは好きじゃ無いんだけども……。
「はやく行くッスよ♪」
「全く……」
洋服店に到着。
端から見れば、カップルとかそういう風に見えるんだろう。と、いうよりそれ以上か。だって、子供服見てるんだもん。店員からお似合いですね、だってさ。てか、この店に来る前にナンパされたんだけど……俺とビッチにな。いや、俺男だし……。何かショック。
「どうするッスか?あの子なら、こーゆうのが似合うんじゃないッスかね♪」
「何でも良かろう……」
「駄目ッスよ。大事なあの子の為ッスからね、ダーリン♪」
いやまておい、誤解を与える言い方するなよ。
そして周りの店員と他の客達、暖かい目で見るなぁぁあ!!!
もう、さっさと選んで帰ろう、とは思っていても店の人から色んな子供服を勧められてしまう。しかも俺達を完全に夫婦だと勘違いしているのか、夫婦お揃いの服まで勧めてくるのだ。加えて服だけではなく、ネックレス等のアクセサリー……いや、もうやめて?
「どれにするッスか、あ・な・た♪」
いやこれ絶対確信犯!
……しかし、まぁ……何だかんだと色々と肉体的にお世話になっているからな。ビッチだけじゃなく、ギャルと狼女もだ。毎度毎度色んな事させてもらって、少しは労わないといけんと思うとですよ!
と、いうことで!
「その服と、それとそれ……あとは、それ。うむ、この服もいいな。それも買おう。サイズか?確か───」
「か、かがりん?」
ネメアちゃんだけではなく、服とかアクセサリーをギャル・ビッチ・狼女にプレゼントしよう、はい決まり。かなりの金額にはなるが問題ない。例え、セフレであろうとも相手をしてくれるのだから感謝は必要だ。別にお返しとか要らないから、後でよく言っておかなければ。
そ・れ・に♪
前、ヴァッカスに渡した『属性宝石』と『属性石』が想像した遥か高値で振り込まれていたのだ。多分、何度もループしている中で一番ヤベェ額。
宝くじ一等を三度当てたレベルの額……それほど高価だったのね。いや超超超高価だわ。金持ちだよ、普通に俺。特に何を買おうとか考えていないから、風俗とかにしか消費しないけども。
「だ、大丈夫なんッスか?」
「戯者。貴様等の働きに褒美がない訳がなかろう」
「褒美って」
「お前達に似合うとは思うが……嫌なら捨てるか、他の誰かにやってもよい」
まあ、これは俺の自己満足だからな。
相手がどう思おうが関係ない。気に入らなかったら、正直捨てるよりか誰かに上げて使ってほしい。事前に店員に指示していた服とかアクセサリーをそれぞれ分けてもらった中の一つ、ビッチ用に先に渡しておく。
「……ありがとうッス」
「礼など不要だ」
だって、下々の事でお世話になってるから。
袋をギュっと抱き締めて、滅多に見せないビッチの素の嬉しそうな表情は中々レアだ。何時もはからかった様な、作りのある表情だったからな。こんな風に純粋に喜んでくれるなら、買った甲斐があるものだ。
さてさてっと、今日の晩御飯はネメアも居ることだし、お粥だ。お粥だけじゃ、少し物足りないだろうから……確か漬物とか買っていた筈。
晩御飯が少なく、軽い分は翌日の朝は豪華にしておくか。見た感じ、明日の朝にはある程度は食べれるようになるだろう。ネメアちゃん、肉とか好きそうだな。うーん、なやみどころだ。
そんな事を考えていると、ビッチがちょんちょんと服の裾を引っ張っていた。そして本当に珍しく、恥ずかしそうな表情と声で俺に頼んできたのだ。
「これ、つけてほしいッス……」
そう渡されたのが、今さっきプレゼントした1つのネックレスだ。洋服店では衣服だけじゃなく、お洒落の考慮をして中々高価なアクセサリーも売ってるからね。
ビッチは俺にネックレスを渡した後、後ろに向いて首筋を見せる様に髪を手で上げる。うーん、エロい。後ろから見たらほぼ見えてるから。首筋から下の背中まで。
俺は黙ってビッチにネックレスを着けるのだが、ビッチはビッチで何時もよりおしとやかな感じが、何とも調子狂う。
「ありがとうッス、かがりん」
まあビッチなら何でも似合うな、うん。
……さて、明日はどうするか。
特訓だな、特訓。
「そう言えば、知ってるッスか?」
「なんだ?」
帰宅途中、ビッチから耳を疑う事を聞かされたのだ。
「王国騎士団の中で最年少で第三団長となったリベリア・ルル・ミラルークが何者かに襲われて重体らしいッスよ。しかも、相棒の賢竜までも戦闘不能にさせられたとかッス」
「なんだと?」
「まあ、貴族とか騎士団の威厳がどうのこうのって公表してないッスけどね♪」
羨ましいとか、ある。