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俺を殺せる者はいるか!  作者: Tkayuki 冬至
第二章 狙われた女神の分身体達《ヒロイン達》
32/47

九十九篝は、幼女を躾る

お待たせしました☆


大体どんな展開にするかは殆ど固まりました!


あとは、執筆して終わらせる────これが、意外と大変。


感想・評価ありがとうございます!



さて、無事に帰宅した俺、九十九篝は魔糸によって操り人形の様にして強引に連れてきた奴隷幼女をクッションの上に座らせた。だって、そうしないと今にも暴れそうになるからな。家を滅茶苦茶にされたくはない。



「ぐるるるっ」



さっきから唸り声をあげつつ、俺を睨み付けるケモミミ幼女。あのね、一応俺ご主人様だぜ?まあ、そんなバチバチな殺気を向けてくれる方がいいからな。



「おい、貴様───」


「がぅっ!」


「……」



対話する気ゼロですか。ゼーロー、ですか。そうですか、そうなんですね?そこまで話す気が無いのであれば仕方がない。



「うぎゃっ!?」



俺は幼女の胸ぐらを掴んでお返しに殺気をこの子の身体の芯までぶつけ込んでやった。そもそも幼女の服は布一枚なので、俺の握力だけで破けそうになっている。だが、そんなの関係ない。幼女は睨み返しているが、瞳には涙を一杯溜まっている。


は?


可哀想?


まあ、そうだろうな。


けど、俺はこの幼女を、俺よりも強くしたいんだよ。その為なら、この幼女に嫌われようがどーでもいい。そもそも幼女なぞ、興味無いからな。こんなちっぽけで貧相な身体に興奮など抱くか、馬鹿者。



「ぐるる……」



さて、いい加減してもらおうか。


事情は何であれ、今はこの幼女は奴隷で俺はご主人様。


それだけでも理解してもらわなければ困るんだよ。



「…………み」



み?


は?なに、何変な声を出して───。



「みぃ~~~っ!!!」



……まさかの、泣いた。


みーみー子猫の様に泣きながら左手で頭を抱えながら、身体を震わせている。そして立っていた筈の脚も、自分の力では立っていられず……しかも今まで威勢の良い顔付きは、恐怖に染まって、そこらにいる子供の様に泣きじゃくっていた。だが、泣き叫ぶ、というより静かに泣いていたのだ。



「みゃー?」



あ、ごめんね黒猫さん。家に帰ってから黒猫さん専用のもふもふの家から顔を出しながら不思議そうな顔でこちらを眺めている。そりゃぁ、気になるか。


泣き叫んではいないものの、泣き続けられるとご近所迷惑だな。それにしても……ほんと、ガリガリだ。手足、そしてお腹もガリガリ。恐らくロクに食事を与えられなかったのだろう。腹が減っては戦ができぬ、とはこの事か。手の付けられない奴隷は食事を減らす、或いは無くせばいい。しかし、それでは困るんだよ。俺を殺せる程、強くなるには食事は不可欠なのだから。



「……そこで待て」


「み……」



恐らく抵抗しても無駄だと判断したのか、死んだ目でその場で座り込んでいた。その死んだ目は、床しか見えていない。奴隷の館の支配人からは、何度も犯されたと聞かされている。簡単に言えば、ロリコン野郎共がこぞって集められて、この幼女を四六時中犯し続けたのだ。……こうなっても仕方がないか。


そう言えば、よくある異世界ハーレムものとかでヒロインとなる奴隷を引き取るけど処女とかあるけどさ……現実はそーでもないな。可愛いとか綺麗だけで犯すには十分なんだよ、奴隷は。こんな事を考えて、正直気分が悪いがな。


うむ。


それでは作るか、飯を。


暫く飯を食べていないなら……重湯か。お粥でもいいけど、それは夕食にしよう。絶食・飢餓状態に飯を無制限に食わせたら、普通に死ぬからな。ってか、一度ループの失敗でそれで死んだからね俺。あれは違う意味で嫌な死に方だったわ。


重湯は簡単に作れるからな。夕食とかこれだけでも十分。だって、寝るだけの行為で何故必要以上の栄養を取る?意味無いでしょ。まあ、夜の運動するなら話は別だけどな。



「待たせたな」


「……み」



自分で食わせるのも駄目か。ガッツク可能性大だし。仕方があるまいか、俺が食わせてやろう。久々の食事に少し生気が瞳に蘇った気がする。スプーンで掬い、それを幼女の口に持っていくと鼻をヒクヒクさせつつも空腹には耐えられなかったのか恐る恐る重湯を食べた。いや、飲む……啜るか。



「みぃ……」


「とりあえず、これだけは全部食べよ。話はそれからだ。いいな?」


「……みゅ」



警戒心ありありありー、ですわ。


飯一つで心開ける程、チョロくはなくてむしろ安心した。十分警戒しろ、それでいい。それが普通なんだからな。だが、俺の言葉は分かっているのか渋々頷き、重湯を啜っていく。



「うむ」



完食したな。


綺麗さっぱり、嬉しい。


で、言葉がわかるということは話せる……よな?



「言葉、わかるな?」


「……はい、でしゅ」



……何処かのアニメキャラですかね、おぬし。


でしゅ、ですって奥さまぁ?本当にそんな話し方、なってないですわ───とふざけたい所だが、まだ年齢的に幼い。いや、幼すぎるな。俺から見て10歳いくかいかないか位にしか見えない。ま、話せるなら何でもいいか。



「貴様、名前は」


「……」


「ならば───」


「ネメア」


「ぬ?」



まさか答えるか。


大抵答えることなどないと思っていたがな。しかし、ネメアか……何処かで聞いた名前だな。この世界、というより前世の記憶か?ネメアネメア────ん?本当に何処かで……。



「あなたは、なにものなのでしゅか」


「何故奴隷である貴様が問う───が、まあいいだろう。九十九篝だ。篝で構わん」


「では、かがり。なぜあなたから───いくつものめがみのにおいがするのでしゅか?」


「……何だと?」



女神、だと?しかもいくつも……。


どうやらこの幼女───いや、ネメアはイレギュラーな存在。だが、嬉しい誤算だな。まさか、女神の事をしる存在だとは───無論、やはり只者ではない。が、俺には敵わぬがな。



「何者だ、貴様」


「いえまちぇん」


「左様か。まあよかろう。しかし、一つ女神とは何だ。奴等の目的は───何なのだ」


「……わかりまちぇん。でしゅが、あなたはあのめがみたち(・・・・・・・)のつごうよくつかわれている、とだけはわかりましゅ」


「……哀れみか」


「……」



返答がない、ということは肯定か。


女神達に都合の良い様に扱われているこの俺を、哀れと。なんだろうな────面白くない。これは、俺の人生。女神だとかどうもか関係ない。俺の人生に、他人は、他の神は邪魔だ。次邪魔してくれば、ヒロインは兎も角、その背後にいる女神を殺すか?今思えば、奴等のレールに乗っかってるだけなんだよ、俺は。クソッタレ、ムカつく。



「まあよい。貴様が女神と関係あるのは理解した。で、貴様これからどうする?恐らく、その様子から仲間がいるのだろう。今なら解放してやっても良いが?」


「こんな……わたち、もう、もどれまちぇん。できるなら、ここでころしてほしいでしゅ」


「ハッ!何を言うかと思えば……。勘違いするなよ?貴様は俺の奴隷だ。解放は構わぬが、死ぬことは許さぬ。そもそも、解放するには条件がある」


「じょう、けん……?」



条件、それはただ一つ。


無論、それには時間が掛かるだろうがな?



「俺を殺すことだ」


「……は?」


「だが、只では死なぬ。互いが全身全霊で己の全てを出して、その上で俺に止めを刺すことだ」


「ばかなことを」


「まあ、それが一般の反応だろう。無論、今の貴様は弱い。弱すぎる。だからこそ貴様をこの俺が鍛えるのだ」


「───」



何も言えぬ様子のネメアちゃん。


ポカーンとアホ面はちょいと可愛いぞ?


しかし、その為にネメア、お前を買ったんだ。後悔はさせないでくれよ?



「わたちを、きたえる……?」


「あぁ、そうだ。俺が生きている間は、住居に炊事洗濯付きだ。あぁ、後で服も必要だろう」


「なじぇ、ここまで───」


「己の願望の為だ。精々、強くなれよネメア。俺を越え、俺を殺す為にな」




▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼




「やーめーるーでーしゅー!!!」



はいはい、ども。九十九篝でございまぁすっ!


現在、ネメアちゃんの身体を浴室で洗ってます。あ、勿論俺は服のままだぜ?身体洗わずに湯船に浸かろうとするから洗ってんだよ。全く世話が焼けるな……強くならねぇと、わかってるよなネメアちゃん?



「イ゛ッ!?」



あ、傷染みるか。けど、泥だらけだからなー。一応傷は透明な防水タイプの絆創膏してるから大丈夫だとは思ってんですけども!で、諸君等の想像力通りネメアちゃんは全裸。だが、興奮はいけねぇぜ?



「しねっ!おまえ、しね!」


「ならば今ここで俺を殺してみせよ」


「うがーっ!!!ころちてやるー!!!」



諸君等は思っただろう。何か勝手にネメアちゃん心開いてるよねって。だが、残念。ネメアちゃん、実は全くなついてません!そりゃそうだよ。だって、ネメアちゃん男性恐怖症だもん。触れられるとケモミミの逆立てて食らいつくからな。現に今、腕ガチで噛みついてます。が、残念だなネメアちゃん。俺、何度も殺されたりしてるから今更こんなので痛いとかねーんだよ。



「しねっ、おまえ、しねっ!」


「ふはははは!腕を噛みついた所で簡単に死ぬわけがなかろう、戯け!」


「おまえをころちて、わたちをさんざんおかちたやつもろともけちてやるー!!!」



涙を流しつつ、怒り狂うネメアちゃん大変だな。実はネメアちゃん、水が大の苦手らしくそれなのに強引に入れてるから余計にキレてる。え、前の話で仲良くっぽく?と思われた方もいるだろう。簡潔に言うと、それはそれ。これはこれなのだ。元から嫌っているのには変わりはない。



「馬鹿者、身体が洗えぬではないか」


「ふがーっ!」



噛み付きが収まらないな。


確か……噛み癖がある子猫にはアレ(・・)をすればいいんだよなー!


ネメアの首にロックオンっ!


そぉぃっ!


がぶりっ、となっ♪



「んぎゃぁぁ!?!?」



悪いことをする子はお仕置きですことよ!


噛まれたら噛み返す、倍返しはしない。むしろ歯を少し立てるだけである。別に噛まれてもいいけど、他の人にもやるのはちと不味い。それこそ、ネメアを強くする前に騎士達に捕まってしまうからね。だからこそ、今のうちにやってはいけない事を教えとく。ま、俺の手から離れたとしたら関係無いけども。



「しね、かがり!」


「全く……」



ほんと、口悪い。


で、お風呂に上がった後だが、一応女の子なので髪の毛はしっかり乾かそう。髪の毛って、水でダメージを受けているらしいからな。そして肌も、ちゃんとケアをしないとっ!



「やめりょぉぉ~~~」



やめません。


きっちり、髪も肌もケアするのは常識です。ぶっちゃけ男とか女とか、かんけーねぇ!


そんなこんなでケアを終わらせた後、お次は柔軟である。



「いたいでしゅ!?」


「身体が硬い……これでは強くなれんぞ」


「ぜったい、うそでしゅっ!そんなあし、ひらかないでしゅよ!?おまえがやってみろでしゅ!」


「───ほれ」


「!」



柔軟は基礎中の基礎だぞ。


俺は両足を広げ、そのまま前へ上半身を全体にくっつけた。このままヨガっぽい事も出来るけど、ネメアはそんな軟体動物の様な身体の柔らかさにビックリ仰天である。


正直、強くかるかはわからんけど、様々な動きに対応出来るから柔らかい方がいいと俺は思う。敵の魔法の攻撃を上手く回避しやすいからね。



「わ、わたちもできるのでしゅか?」


「毎日欠かさず柔軟をやればな」


「……やるでしゅ」



うん、正直な子は好きだよ俺は。


今のネメアは、心は開いてはいないものの強くなるならば何でもする気なのだろう。だが、やはり特訓でも何でも一度見本は見せた方がいいな。


それと。



「背筋を伸ばせ、顎を引け」


「うぎゅっ」



姿勢だな、やはり。


俺、めちゃ姿勢は気にしてるからな。


前世の父に口煩い程、言われ躾られたのが今でも身に染みている。どんな時でも姿勢を正す事はその時の心の姿勢でもあるって、ね。懐かしいなぁ……。


それに漫画とかアニメ、ゲームに登場するカッコいいキャラクターは胸を張って姿勢がいいな。それも関係してるのかな?え、気のせい?ソンナー。



「鍛えるとはいえ、姿勢が正さなければ意味がない。そんなに嫌なら辞めてもよいぞ?」


「うぬぬぬ……やるじゅっ!」



意外と負けず嫌いなネメアちゃん。


うんうん、強くなりそうな予感!


買い始めてまだ数刻しか経っていないが、とりあえず暫くは姿勢と柔軟を重点的にやってもらうか。


で、だ。


俺は壁に掛けてあった時計を見ながらフッと何かかっこつけながら内心嵐の様に慌てていたのだ。


現在午後7:50。


そろそろ来る時間帯。



────ギャル達にどう説明しようかな、と。



そんな時既に遅し、な状況の中、玄関の扉がガチャっと開かれるのであった。




ネメアちゃんを見て、ギャル達の反応は────?

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