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俺を殺せる者はいるか!  作者: Tkayuki 冬至
第二章 狙われた女神の分身体達《ヒロイン達》
29/47

九十九篝は、風俗へイクッ!2

お待たせしました



やっと参りました、俺の行き付けの風俗に!!!


ほんと、色々ありすぎて疲れちゃったよ。身も心も癒されたいっ!ギャル達、今日は女友達の家に遊びに行くらしい。一緒にと誘われたが、断った。



だって、風俗行くし。



それに、予約も事前にしたからね☆


行かない訳が無いでしょ?因みに監獄から帰った後、バイトもいきましたよ、はい。無論ちゃんとサボらずに働くし。特に面白い事もなく、淡々とした日だったな。あるとすれば平常運転で、店長が俺のお尻を触ってくること位?店長、あの人女にも関わらず煙草を吸うクールービューティーな見た目をしているが中身はおっさんだ。美人だから、許すけど。しかもあの人、料理滅茶苦茶上手いんだよなー。長らくっていうかアホみたいに料理作ってるけど、あの人には敵わない。


話を戻して、どうやら俺のお尻は触り心地が良いみたい。酷い時は揉んでくるからな。困った人だよ、全く……。そんなんなのに、何故か女性からモテるという意味わからん構図。あの人、稀に見かけたと思えばその時によって女性とデートしてるしな。羨ましいなこんにゃろー!


と、言っている俺だが再来週のバイト終わりにその店長と飯行くことになってしまった。……何でだっけ?まぁ、店長が行く店に外れは無いから多少は楽しみだけど。



「こんばんわぁ、篝はん」


「久しいな、ツバキ」



黒髪おかっぱ美少女のツバキ。この風俗店いや、風俗街の中で最も不動の人気を誇るNo1風俗嬢『ツバキ』である。多分、俺個人としては滅茶苦茶タイプなんですよ。俺より背の低い割に、何処か危うさと不思議さを身に纏う彼女なのだが、とりあえず可愛い。


仕草とか甘い声とかもう……好きぃっ♥️



「……む、一人か?」


「それなんやけどなぁ」



どうやら、ケンタウロス娘はお腹を丸出しにして眠るのが頻繁だってらしくその為に風邪を引いたんだとか。そして前に相手をした顔黒ギャルについては、よくわからん。事前に誰が相手をするかは聞いてたからな。



「堪忍なぁ」


「構わん」



いいんだよ、ツバキだけで。


それだけで十分さっ♪


部屋でベッドの上に腰を掛けながら話していたのだが、突然ツバキが俺の方に両手を伸ばして抱きついてきた。そして伸ばされた手は正装、つまり黒スーツの上着を脱がしたかと思うと次はその手を俺の頬に触れ、そのまま顔を近付けて唇を共に重ねたのだ。頬に触れた両手は首に回して、簡単に離すつもりはないらしい程の抱き付きをしてくる。


言葉等、要らなかった。


ただ、一度も離さずに唇を重ね続け、そして徐々にディープに激しいキスを交わし続けていく。俺もツバキを抱き締めながらも、その花魁の様な着物を脱がしていく。しゅるりしゅるり、と着物は紐がほどける様にベッドの上に落ちていく。


その身体は、まさしく美だ。黄金比とか、理想だとかそう言うのが彼女の全てに集約されている様である。真珠の様に白くキメ細やかな肌を、無意識に誰にも触られたくないという独占欲に刈られてしまう。



「かがりはん……もぅ、わっち……」



ぴょこっ、と彼女の頭の尾骨から髪色と同じ黒い猫耳と三又に分かれた(・・・・・・・)尻尾が姿を現す。その三つの尻尾を俺の方へ近付けてくる。それに応える様に俺も本来の姿である九尾の天狐として、その九つの尾を彼女の三つの尻尾に絡ませていく。


彼女は、ツバキは猫又の仙猫(せんり)。そして俺は九尾の天狐。まるで互いが嘘偽りの無い姿で互いが互いを貪り合う様に求めていく。


恐らく、俺は獣の様になっていただろう。全く……理性を失うとか、笑い者だ。けれども、ツバキだけは理性を保つのは無理。


誰にも見られたくない、邪魔されたくない。今、ツバキは俺のもの。誰にも渡さない。絶対に……。はぁ、何やってんだかね俺は。完全にツバキの身体に溺れてるんだよ、要するにね。


手を繋ぎながら、俺は唇を離しすとツーッと透明な糸が引いて妙に色っぽさを醸し出すツバキに対して更なる興奮を高めてしまう。唇離した時に、ツバキは「ぁ……」と寂しそうな顔をしてきた。何時もの妖艶な笑みを浮かべるツバキからは想像も出来ない顔だ。


はい、エローい。


これで理性崩壊しないとか、無理でしょ?


前世で漫画とかアニメを観る機会がよくあったんだけども、ハーレム主人公って、よくエロチックな展開になっても理性保てるよなー。いや、本当に。


別にへたれとかそんな事は思っていないサ!


むしろ、その理性を保てる精神の強さには敵わない……まあ、当初の俺はそうだったかもだけど。無理だよ、こんなの。てか、風俗店だから尚更だけど。そういう店なんだもん、仕方がないもんっ!



「あかんよ……」



と、染々思っていると、ぷーっと膨れたツバキが唇が離れたのがよっぽど嫌だったらしい。次はツバキが強引に俺の唇を重ねてきた。そして、押し倒されてしまう、お☆れっ♪


もう、凄い音を経てながら俺の口内までも舌を捩じ込み、侵入させてそれから数十分後。


ツバキは唇を離すと身体に馬乗りになった状態で、俺を見下ろしながら妖艶な笑みを取り戻しながら言う。



「あんなぁ篝はん」


「なんだ?」


「わっちが前に言ってたこと、覚えてはる?」


「……?」


「もぅっ、わかってる癖に……いけずっ」



そう言いながら俺のシャツを脱がす為にネクタイとボタンを外していくツバキ。


何だかね。全裸の美少女が仰向けになってる俺の身体に跨がっているだけでもめちゃいい眺めなのに……服も脱がしてくれるとは♪女体化した俺と同じく、大きすぎず小さすぎない俺的丁度いい大きさのオパーィが……。そして括れた彼女の腰、両手で丁度すっぽり囲めるんじゃね?ってくらい細い。



「篝はん、きいてはる?」


「……むぅ?」



前に言った事……?なんだっけ。


……なんだっけ?



「わからん」


「酷いなぁ……わっち、少し傷ついたわぁ」


「すまん」



最近色々ありまして……大変申し訳ない。言い訳にしかならないから、とりあえず謝るしかないのです。そしてもうネクタイとシャツのボタンを外し終えたツバキは、上半身裸となった俺の胸をペロペロしてくる。うん、平常通り。ツバキはペロペロするのが好きだから……その舌使いも神掛かったテクニックである。そして男からすれば単なる名残というか、飾りというべき小さな突起物をもペロペロしたりしてくるのだが……うん、そのまま上目遣い可愛いでございます、はい。



「んっ……本当に、覚えてあらへん?」



いや、そんなこと……ぁ、まさかあれか?



「まさか、だとは思うが……」


「あはっ♪やっぱり覚えてたんやね。嬉しいわぁっ」



ツバキは嬉しそうに互いが全裸(俺は上半身裸)の状態で抱きついてくる。そして彼女の胸の形とか色々とダイレクトに感じるのは、御馳走であります。いや、今から性的にも戴きますけどもっ!


で、ツバキが言っていた件。


うーむ、それはなぁ……。



「わっち、かがりはんの子供が欲しいねん」


「……」



そんな事、言ってたなぁ……。


いや、一応何度もループしているから精神年齢はアレとして学生だよ俺。そんな学生相手に何子供ほしい、ですか。いや、正直言えば嬉しいよ?


でもな───。



「阿呆な事を抜かすなツバキ。前に言ったであろう」


「戦って、死ぬやろ?」


「ならば、そんな男の子が欲しいなど馬鹿な事を言うな」


「馬鹿な事を言ってんのは、あんたもやろ?」



……うむ。


いやまあ、そうなんだけども。



「ならばこんな馬鹿な事を言い、それを成そうとするこんな馬鹿な男の子など欲しいと言うな」


「ほんと、頑固やなぁあんた……」



普通なら呆れてしまうのだろうが、ツバキは再び上からキスをすると次は俺の首をペロペロしてくる。顔は見えないけど、多分不機嫌になってるだろうな。


確かに、ツバキの言う通り馬鹿な男だ。だからこそ、俺とツバキはあくまで風俗に来た客と風俗嬢の関係だ。ツバキは魅力的な女性だ。それは俺以外から見てもわかるだろう。こんな綺麗な女を俺が願い求める地獄に巻き込む訳にはいかない。こんな自分勝手な俺と共に居ても幸せになれる筈がないだろう。


只でさえ、女神達の事もある。もし、俺の周りに被害が来るようであればツバキだけじゃなく、ギャル達からも離れる必要もあるからな。


てか、なんで風俗にきてこんな話しなければならないんだよ。


目の前に美少女の裸姿に、もう辛抱堪りませんっ!



「きゃっ♪もぅ、大胆やなぁ」


「今日は楽しませてもらおうか」


「あははっ♪かがりはんも今日は寝させへんからねぇ」



さてさて♪今はとりあえず、思う存分ヤりましょう☆


湿気た話しとか、なしなしなーしっ♪


今夜も一発二発、十発百発ヤるぜっ!




▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼




辺りが静まり返った滝が流れる音のみが響くその辺りに一人の女性が岩の上で座り込んでいた。そして心底絶望した様子で泣いたのであろう充血し、潤んだ瞳は何処か生きる希望を、意味を失ったかの様な虚ろな目をしていたのだ。



「(今まで抱いていたこの想いは……。なら、私は……私は……)」



リベリアは1人、自問自答していた。


あの出来事があってから、もう何が何だか分からなくなってしまったのだ。今まで自らが狂ってしまいそうな程に九十九篝に抱いていた想いは偽物で、己が女神の作り出された分身体だという事実に酷くショックを受けていた。



『ママ……』



彼女の後ろには賢竜であり、娘であるハーツは心配そうに側で眺めている。あの出来事があった後、リベリアはハーツに何度も何度も謝罪をし続け、ここ暫くは仕事も身に入っていない。だが、やるべきことはやっている所は真面目と言うべきか。しかし、毎晩、この場所に訪れては体育座りで長時間いる。ハーツが心配しているのは、一度寝ることもなくそこで一夜を過ごしたことがあるのだ。ハーツからすればリベリアの気持ちも分かるが、その場に居すぎて風邪を引かないかと言う心配もある。


しかし、そんな誰もいない筈の空間の中に闇夜に紛れた何者かがそこの現れた。



「すんすん……めがみのにおいでしゅ。そちて、けんりゅう。みつけまちた」


「……こども?」



リベリアの目の前に現れたのは黒き獅子の幼女であった。年齢は10歳未満だろう。髪や耳に尻尾、そして服が黒いが唯一金色に光る瞳は猫類が見せる獲物を捉えた時の喪のである。


そんな少女が、リベリアは何故この場にいるのか疑問に思ったのだが、即座に臭いで気付いたハーツは唸り声を上げて幼女に警戒を露にする。



『ママッ!コイツ、モンスターだよッ!!!』


「っ!」


「……おかあたまのめいれい、じっこうちまちゅ」



その瞬間、リベリアとハーツの視界から幼女の姿が掻き消えてしまう。リベリアは即座に剣を抜くのだが、次に来た感覚は腹部の激痛であった。



「……おそいでしゅ」


「が……はッ!?」


『ママッ!?』



その幼女の細く小さな拳が彼女の鳩尾にめり込んでいた。しかも、ただめり込むだけではなく、凶器も何も使っていないのに、そこから血がダラダラと流れていく。一瞬の内に、リベリアは戦闘続行不可となってしまう。



「ぅ……あぁっ」



鳩尾を押さえるリベリアは、立っている事すら出来ずにそのまま倒れ込んでしまう。そんな呻きながら血を溢すリベリアを見下ろす幼女は無表情ではあるものの、少し慌てた口調になってしまう。



「あぶないでしゅ。ころちたらおこられるとこでちた」


『おまえ!!!』


「じゃまでしゅ」


『────っ!?!?』



ハーツは即座にリベリアから離させようとするのだが、幼女は悠々とハーツの側頭部に上段蹴りを放ち、吹き飛ばしてしまう。吹き飛ばされたハーツは木々に強く打ち、その場で地に伏してしまうのであった。



『ま、ま……っ』



絞り出す様にリベリアを助け出そうと立ち上がるハーツだが、その頭上から幼女の踵落としが炸裂し、次こそハーツは意識を手放してしまう事になったのだ。リベリアは剣を地面に刺して、杖代わりにして立ち上がる。



「くぅっ……」



しかし、立っているのもやっとな状態で戦える筈もない。既に出血も酷く、只でさえ顔色の悪いリベリアの状態は最悪だ。だからこそ、幼女の動きを捉える事も出来ずに背後を取られてしまう。



「───っ!」


「まずはひとり」


「ぎゃっ、がぁっ!?」



今にも倒れそうなリベリアの首を掴み、そのまま引き摺りながら何処かへ行こうとする幼女。しかし、リベリアは即座に剣を幼女の首を狙うのだが、未だに抵抗するリベリアを投げ飛ばす。


軽く投げたので、地面に転がる程度。しかし、リベリアは既に立ち上がることすら出来なかった。



「むだなていこうはだめなのでしゅ。おとなしく────」



幼女がリベリアを連れ去ろうとする瞬間、その前に何かの音に反応する。耳をピクピクっとさせた瞬間ハッ!と真横を見ると、すぐ目の前目前に二匹の馬が駆けていたのだ。



「ふぎゃぁっ!?!?」



そして、幼女を轢いて駆けていく二匹の馬。そしてその二匹の馬は戦車まで引いており、その車輪に辛うじて避けた幼女は何とか体勢を立て直していた。



「めがみのぶんちんたいはっ!」



直ぐに女神の分身体であるリベリアの生死を確認する幼女だったが、リベリアまでは巻き込まれなかったらしい。


しかし、幼女───ネメアにとっては、この場に乱入者が現れたのだ。その人物が乗っているであろう二頭の馬を引いた馬車から飛び降りてきた。



「うむぅ……国が何処かと探していれば。何やら良からぬ状況だのぅ」


「だれだ!」


「ほぅ、そこの童。モンスターだな?そして……」



辺りを見渡す青い宝石の様な瞳を持つ犬の赤髪の中性的で美形な少年?は呻き倒れ込むリベリアと離れた場所に頭部から血を流すハーツを見て状況を察する。



「これはこれは……。で、童。ここで引いてくれぬか?」


「ふざけるナ!」


「ほほぅ、これは困った。モンスターと言え、童の姿をしたモンスターをこの手にかけるのも進まぬが……仕方があるまい」



そう言うと少年?が背負っていた雷を帯びる投擲用の様な槍を片手に持って、その先端をネメアに向ける。相手は人間の筈なのに、明らかに存在感が何重にも重なって殺気を纏う手練れ。しかし、ネメアは母親の命令を遂行しようと、耳と尻尾を逆立てて威嚇の様な唸り声でその人物へ襲いに掛かった。



「やれやれ。ちと、やるか『ゲイ・アイフェ』」


《……気は乗らないが》




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― 新着の感想 ―
[一言] 篝を置き去りにして周囲は動いてますねぇ。 篝がなにもしないでも周囲が動いて篝が気づいたら、問題が片付いていたってことになったら笑えるが。 女神に関係ない女性がたくさん出てきたのでそっちといろ…
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