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剣と魔法世界の殺人鬼  作者: 九条夜空
第一章
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01話 『紅い目の少年』

「はぁ…はぁ…はぁ…」


多くの人達が寝静まりら月の光だけが街を照らす深夜帯に1人の男性らしき人が息を荒くしながら街を走っおり、特に目立つような格好もしておらず、恐らく街に住む一般人だろう。



「…く!」



男は転けそうになりながらも、体勢を立て直して後ろを確認しながら全力で走っている。

男は何か焦っているのか、大量の汗が頬を伝っている。

街には特に誰かがいる訳でもなく暗く永遠に続きそうな夜道がずっと続いている。



「...!」



男は辺りを確認しながら走っていると、小さな路地があるのを見つけた。その場に止まり辺りを素早く確認してからその路地に身を隠した。

その場で座り、頭を抱えながら呼吸を整えている。



「ふざけんな...なんでこんな目に合わなくちゃいけないんだよ!」



男は両手で髪の毛を握り締めながら一言一言を噛み締めながら小さく発言した。


「本当に、何でだろうね〜」


「は...」


辺りに人の気配はしなかったはずなのに、真横から男の声が聞こえる。

男は恐る恐る声の聞こえる方を向くと、そこには1人の少年が男性を見下ろしながら立っていた。


「うわあああああ!!」


男は驚きを隠せず、大声を上げその場から先程まで走っていた大きな道へと身を投げ出した。

男は立とうとするが、上手く体勢を立て直すことが出来ずその場に倒れこんだ。



「頼む、助けてくれ...!」



男は涙目になりながら先程の声の主に向けて必死に助けを懇願している──が



「無理♪」



その願いは呆気なく拒否された。

コツコツ──と小さな路地から少年が男に近づいていく。

その片手には何かが握られていた。



「頼む!俺はまだ死にたくない...!言うことならなんでも聞く!だから...」



その時、男の言葉を遮るように少年は手に持っていた物を男の首元に近づけた。

それは少しだけ男の首元に触れており、そこから血が1滴首を伝って行った──少年が握っていたものは小さなナイフだった。



「じゃあ〜、土下座して「お願いします助けてください」って言ったら考えてあげるよ」



少年はそう言うと、男の首元に突きつけていたナイフを離しその場に立ち上がった。

男は怯えながらも唯一の助かる方法だと自分に言い聞かせてその場で即土下座をした。そして──



「お願いします助けてください...」



男の声は震えており、体も恐怖のせいか震えている気がする。

土下座をした男をみた少年はその場にしゃがみ込み不敵な笑みを見せた。



「顔上げて」



男は助かったと思い複雑な顔をしながら少年に言われた通りに顔をあげた。



「助けるわけないじゃん」



少年は男の目を見て少し笑いながら言い放った。



「え...」



助かると思い込んでいた男からは間抜けな返事が発せられた。

その途端、顔が青ざめ「死」という恐怖に襲われた。



「別に俺は「考える」とは言ったが「助ける」とは言ってないから」



そう言うと、その場でもう一度立ち上がった。

男は絶望のあまりに何も考える事ができず、ついには我慢していた涙を流しながら少年を見上げていた。


──死ぬ

恐怖が自分を襲って逃げる事もできなかった。その時、ちょうど月の光が男と少年を照らした。

そこには、目が赤く不気味に笑っている少年がナイフを持って男を見下していた。



「鬼ごっこは楽しかったよ、じゃあね」



少年はナイフで男の喉元を素早く切り裂いた。男は血しぶきを上げながら倒れ込み、首をを抑えながら苦しそうにする。



「がは…!ぐ…」



男はだんだん意識が薄れていき、1分もしない内に息を引き取った。



「おい!貴様何をやっている!!」



ちょうどその時、なにかマントのようなものを羽織りランプを持った男の2人組が少年に声をかけた。

腰には剣を下げており、どうやら街の兵士様の登場のようだ。



「貴様、その男を殺したのか」


「そーだけど」



1人の兵士が剣を抜き構えながら、少年に言葉を向けた。

少年は2人の兵士の方を向き答えを返した。



「大人しく同行してもらおうか。そうすれば我々も貴様を傷つけずに済む。」



1人の兵士が少年を捕らえる為に大人しくするように誘導した。

──だが



「やなこった♪」



少年はまた不敵な笑みを浮かべながら兵士に向けて返答した。

その答えを聞いた兵士は強く剣を握り締め少年に向かって突っ込んで言った。



「仕方ない!少し痛い目にあってもらうぞ!」



兵士は大きく剣を振り上げ、後ろにいる兵士も同時に突っ込みながら剣を抜いて構えていた。

どうやら2人で少年を力ずくで捕らえようという魂胆らしい。



「2対1もいいねぇ♪」



──少年は嬉しそうな笑みを浮かべながらナイフを構え応戦した。

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