表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの日の追憶  作者: 緑瑠
8/11

第八話

 次の日の朝、俺は携帯の着信音で目が覚めた。

「…はい、もしもし…」

脳が半覚醒のまま電話に出ると、電話をかけてきたのはおばさんだった。おばさんは慌てた様子で

「颯真くん?急いで病院まで来て!瑠唯が…。」

と言ったところで俺は「すぐ行きます!」と返事をし電話を切った。急いで身支度を済ませ家を飛び出した。病院までいつもは歩いて行っていたが、今日は自転車で行くことにした。瑠唯のもとに少しでも早く向かうためだ。病院に着き勢いよく扉を開け放った。

「瑠唯!」

俺の目が捉えたものそれは、ベッドを取り囲むように医者や看護師がいた。瑠唯はたくさんの機械に繋がれとても大変な状況だと俺でも理解できた。医者たちは俺の通る道を作るかのように両脇にずれてくれた。俺は鉛のように重くなった足を必死に動かし瑠唯のもとへ歩み寄った。

「…瑠唯…。」

そっと瑠唯の手を握った。あたたかい。まだ、生きてる。そう思った瞬間、ピーっと一番近くにあった機械から音がなった。

『先生!心停止です!』

と看護師が言うと主治医らしき人が寄ってきて心肺蘇生を始めた。だが、五分、十分、三十分頑張っても瑠唯の脈が戻ることはなかった。

『これ以上はもう…』

と医者は言った。それを聞いたおばさんは泣きながら頷いた。それを確認した医者は

『午前10時13分32秒ご臨終です。』

といって部屋を出ていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ