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あの日の追憶  作者: 緑瑠
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第二話

 放課後、頼まれたプリンを買って瑠唯のいる病室を訪れた。

「たしか304号室だったよな」

『佐野 瑠唯 様』

とかかれた部屋の扉をノックすると「はーい」と声がした。扉を開けて入ると本を読んでいた瑠唯がいた。

「あ、颯真!ちゃんとプリン買ってきた?」

「第一声がそれかよ。はいよ、駅前の人気プリンだろ?」

プリンの箱を手渡すと、瑠唯は

「これが駅前の人気プリン...」

箱を開けて瑠唯は固まった。

「あれ?颯真のは?」

「俺はいいよ。甘いものそんな得意じゃないし。」

「そうだっけ?」

「うん。」

瑠唯はプリンを頬張りながら言った。

「最近なんで来てくれないの?毎朝そこの道通るし、そこ通るより違う道の方が学校には近いでしょ。」

なにげに鋭いよな。適当に言い訳しとくか。

「最近バイト始めたんだよ。だから面会時間終わっててこられなかったんだ。で、そこの道通るのは、この先にコンビニあるだろ。そこで昼飯買っていくからだ。」

瑠唯は俺の顔をまじまじと見ていった。...嘘ついたことバレたかな。

「ふーん。理由はなんでもいいんだけどさ。颯真に折り入って頼みがあるんだけど。」

「なんだよ。改まって。」

瑠唯は少し間をおいて言った。

「あのさ颯真。私に勉強を教えて?」

「は?勉強?なんでまた。」

「ほら、私一応入院してても高3だし、去年の分ほとんど授業出てなかったから」

「よくそれで進級できたな。」

「そこはまぁ、病人の特権で…」

「おい。そこは教師に頼んでちゃんと教えてもらえばよかっただろ。」

「うん、今になって後悔してる。」

えへへっと可愛く笑った瑠唯に対して俺は内心焦っていた。瑠唯に勉強を教えろと言われ、これは一緒にいられるチャンスなのではないかと。だけど俺は授業を受けていない。こうなったらあれしかないな。

「いいぜ。教えてやる。だけど俺でもわからないやつは無理だからな。」

「うん。教えてくれるならそれでもいいよ!」

そんな会話をしてから数時間後、俺は瑠唯の病室を出てから考えていた。

(家に帰ったら猛勉強だな…)



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