表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの日の追憶  作者: 緑瑠
1/11

第一話

 仕事中、窓から心地の良い風がそよそよと吹いている。俺は窓の外を見ながら今や会うことも叶わないあいつの事を考えていた。

(瑠唯...逢いたいよ)



時は遡ること七年前。

 俺の名前は佐々木 颯真。俺は学校に行くため通学路を歩いていた。その頃の俺は学校という存在が嫌いで毎日遅刻をし、授業中は寝る、そんな生活を過ごしていた。そんなある日あいつは俺の人生を大きく変えた。あいつとは佐野 瑠唯。瑠唯は俺の幼馴染みで一つ年上なのだが病弱なせいで小柄でとても年下には見えなかった。最近瑠唯の持病が悪化したらしく、また入退院を繰り返しているみたいだった。俺は昔から瑠唯に密かに片思いをしている。俺の家から学校までの間に病院があって、そこに瑠唯が入院していた。毎日遅刻をしてわざわざ病院のそばを歩いてるのは瑠唯の体調を確認するためでもある。


いつものように病院のそばを歩いていると、頭上から声が降ってきた。

「おーい、颯真。普通に遅刻だけど急がなくていいの?」

声がした方を見てみると、窓枠に肘をつき病院の窓から俺を見下ろしている瑠唯がいた。

「いーんだよ、ほっとけ。」

(今日は体調がいいみたいだな。)

そっけなく返事をした俺は毎日そんなことを考えている。

「颯真。今日学校終わったら私の病室に来てよ。そろそろさ、話し相手がいなくて暇なんだよね。」

俺は少し考えてから言った。

「しゃーねーな。なんか食いたいもんある?ついでに買ってくるけど。」

瑠唯は目を輝かせながら言った。

「プリン!駅前のプリンが食べたい!」

「お前ほんとプリン好きだよな。じゃ放課後買って来るから」

「待ってるねー!」

手を降ってくる瑠唯に振り返しながら学校を目指した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ