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四歩 冒険者ギルド

日差しが眩しくて目が覚める。

どこだここは?覚醒していない頭で今の状況を思い出す。

昨日は色々あったな。疲れすぎたのだろう。どうやってベッドで寝たのか記憶にない。


「そういえば異世界…だったな」


これからどうしようかと思っているとドタドタと音が鳴り、扉が勢いよく開けられた。


「「はやにーあさだよー」」


元気いっぱいな二人が部屋に飛び込んできて、変な踊りを舞う。うん、朝からテンション高いね。


「ごはんたべよー」

「ごはんはげんきのもとだよー」


二人に手を引かれ食卓へと向かう。


「おう、おはよう」

「おはようハヤト君、よく寝たかしら」

「おかげさまでゆっくりと寝かしてもらったよ」

「あら、それはよかったわ」


優しく微笑んでくれるバンナさん、何故か足が勝手に震える。

まだ疲れ取れてないのかな?


美味しい朝食を食べ終わるとグワンダに声をかけた。


「なぁ、何か稼げる仕事ないかな?」

「そうだな、俺の手伝いでも多少は給金を出してやれるが、腕っぷしに自信があるなら冒険者ギルドの依頼かな。依頼によっては一気に大金が手に入るからな」

「冒険者ギルドっ」


思わず身をのりだしグワンダに詰め寄る。

ファンタジーの定番、冒険者ギルド。この世界にもあるんだ。

これはやるしかない。


「お、おう。冒険者登録さえすれば誰でもなれるからな。最初はランクが低いからあまり稼げないが、それこそ高ランクになれば高額依頼を受けれるからな」

「よし、行ってくる。場所はどこだ」

「おっ、やる気だな。どの街でも青い屋根の建物がギルドだ。しかし、今日ぐらいゆっくりしてればいいものを」

「ただメシ食らいしてる訳にはいかないしな」


グワンダに与えられた部屋に戻り木刀とナイフを持つと早速ギルドに向かった。


小さな村なので青い屋根の建物はすぐに見つかった。村の中ではグワンダの家の次ぐらいの大きさだろうか。

とりあえず中に入ってみると酒場という言葉が似合う雰囲気だった。現に朝から飲んでいる連中もチラホラいる。


「いらっしゃいませ。依頼ですか?」


カウンターに近づくと受付嬢らしき人が声をかけてきた。

少し年上だろうか。可愛らしい制服のようなものがとても似合うロングヘアーの優しいお姉さん系美人さんだ。


「いえ、冒険者登録をお願いします」

「それは失礼しました。では、こちらの水晶に触れて下さい」

「わかりました」


テーブルの下から取り出された水晶に触れる。

水晶は一瞬光を放った。


「はい、ハヤト=カミヤさん。登録完了しました。Fランクさらのスタートになりますのでこちらのギルドプレートを身に着けておいて下さい」

「えっ、これだけ?」

「はい、完了です」

「そうでしたか。ありがとうございました」


よくわからないが登録がおわったらしい。とりあえず依頼ボードみたいなところで依頼見てきたらいいのかな。


「エレナちゃん色々説明し忘れてるぜ」


酒を飲んでいた1人が笑いながら声をあげる。周りの冒険者らしき人たちも笑いを堪えている。

どういうことだろう。


「あっ…ち、違うんですよ。忘れていたんじゃなくて今から…そう、今から説明しようとしてたんですよ」


エレナと呼ばれた受付嬢が顔を赤らめ、手をワタワタと動かしながら弁解した。


「こほんっ。では、ハヤトさん。説明をさせていただきます」


冷静を保とうとしているらしいが赤くなってしまっている顔がとても可愛い。


仲良くなれたら抱きしめてみよう。そうだそうしよう。


「えっと、まず、お名前と魔力量は水晶から記録させていただきました。ランクは一番下のFランクからのスタートです。ランクをあげるためには詳しくは言えませんが依頼評価、達成数等でギルドが判断し、ランクアップしていきます。あとは…」


なるほど、通りで名乗って無いのに名前で呼ばれたのか。

魔力も計れたのか。俺も魔法使えるぐらいあったのかな。

エレナさんは他に説明しないといけないことを指で数をかぞえる。


「あっ、それと、ギルドの不利益になることをすると罰金、除名等で裁かれます。たとえ逃げても世界中のギルドと冒険者に追われますのでオススメしません。」


ギルドこえぇ。まぁ、真面目にやっておけば問題はなさそうだな。


「ギルドプレートは身分証にもなりますので他の街に入るときにも使えます。依頼は何処のギルドでも入り口付近のボードに貼っていますのでそこから選んで下さい。」

「プレートは便利だから無くすなってことですね」

「はい、それと無くしてしまうと再発行に銀貨5枚が必要になります。説明はこれぐらいです。後は随時ご説明させていただきます」


説明が終わったエレナさんは先ほどの冒険者をチラっと見る。冒険者は大きく頷いていた。

どうやら説明完了のようだ。


「あと自己紹介が遅れましたが受付のエレナです。困ったことがあったら気軽に言って下さい」

「はい。俺はハヤトです。エレナさんのような可愛い彼女を絶賛募集中の18歳です」

「2つ年下ですね。平均的な顔つき、実績なし、初対面での軽口、問題外ですね。来世で努力してください」


いきなり真顔になり毒を吐くエレナさん。


「はい、すいませんでした」


近くにいた冒険者が手を叩きながら爆笑した。


「ギャッハハ、あの小僧最高ー」


そんなに笑わなくても…恥ずかしい。


「じゃぁ、早速依頼見てきます」

「頑張ってくださいね」


恥ずかしさで逃げてしまいたいが、金を稼ぐため、そういうわけにもいかない。

気持ちを切り替え依頼ボードを眺める。


依頼は大きく分けると採取系と討伐系がほとんどのようだ。

最初は手堅く採取系にしておこうかな。


「おっ、これなんかいいんじゃないか」


ナフ草の納品、銀貨3枚いう内容だ。

どんな草かは聞けばいいし、報酬から察すると難易度は低いから安全そうだ。

依頼書に手を伸ばそうとすると横から誰かが近づいてきた。


「オイオイ、最近はこんなヒョロイ小僧まで冒険者になるのか」

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