高校時代の地学
私が高校時代に以下のような出来事があった。私が行っていた埼玉県立川越高校は「自由な校風」をウリにしていたが、自由っていうよりほったらかし、教師・生徒ともににルーズなところがあった。授業は毎日6時限あったが、先生が出張やら休みやらで、「空きゴマ」になることもあり、それを我々は「カット」と呼んでいて、その間に好きなことをしていてよかった。図書館で自習するもよし、ご飯を食べていてもよし、私は弓道部に所属していたので、弓を引っ張り出して、練習していたこともあった。
こんな風だから、第6時限目にカットがあると帰ることができる。これを特にみんなして喜んでいた。ところが不届き者がいて、6時限あたりになると勝手に帰ってしまう者がいる。「自主カット」などと呼んでいたが、理由なき早退、単なるさぼりである。当然先生たちはこれに怒っていて、「オイ、勝手に帰るな!」と注意していた。が、不届き者はどこまでも不届き者なのでやっぱり帰ってしまう。しまいには「しょうがねえな」という雰囲気さえ醸成されてきていた。
さて、こんな中であったが、さすがに生徒たちが集団でこれを行うと当然問題になる。1994年、つまり私たちが受験勉強たけなわの高校3年秋ごろであるが、第6時限目が選択授業の地学であり、私立大学進学志望で理科が受験に必要がない者は、受験勉強をしたいということで、その多くが帰宅してしまったのである。私は、大学受験のセンター試験で、地学を選択していたので出席したが、授業の内容は天気図の作成という、この時期にしては、なんとも牧歌的な内容なのであった。