プロローグ
まだタイトルが決まってないので、プロローグをば。土曜日までにはtwitterにて下手なCM?もどきを挙げる予定。
先ほど果てのない大海原の航海に挑んだ船乗りが満身創痍で帰ってきた。
彼は誰かが言い出した「果てのない海」の「果て」を探すために旅に出た。彼曰く「最南端の陸地」から出発して、「最北端」あるいは「最東端」または「最西端」のどれにでもたどり着けば証明されると謳って航海へ繰り出した。
しかし前方に陸を見つけることはとうとう叶わず、やむを得ず来た航路を引き返した。
彼は戻ってくるなりこう唱えた「俺たちの居る陸地を囲む海には連続性がない。世界は閉ざされている」と。
私も同じ意見です。ここは格子がないだけの檻。どこからか人を拾ってきては閉じ込める檻です。ああ、また外の世界から誰かが誘われてきたようです。
どさっと草が揺れる音がした。
まいったな、近くに居るのはどうやら私だけのようです。
私が近づくと彼は半目を開けたまま仰向けに倒れていました。
意識がはっきりしないようで、私の姿もはっきりと視認できていない様子。
私は手持ちの電話にある番号へかけた。
「送迎を一台手配します。場所は……樹海、まあ分かりますよね? 届け先はこの森を抜けた……そうですね。あの廃校まで。ただし誰もいないようでしたら、誰か現れるまで待機かまた別の人の居住区まで送ってあげてください。料金は『券』で先払いします。ではよろしく」
ものの数分で一台の軽トラが到着した。運転手は一人いや一機。
かわいらしいデザインの無口のヒューマノイドは信号を使って遣り取りをする。
「荷はこちらに」
私が指すとヒューマノイドは彼をお姫様抱っこし、荷台に寝かせた。そして再び運転席に戻ると赤い信号を光らせる。
「はいはい」
私が券を取り出すと、認証スキャンを行い快活なメロディが流れた。エンジンがかかると手を振りながらロボットは彼を乗せた軽トラを走らせ、視界から消えていった。
「……またぼっちか」
私は自虐的な笑みを浮かべているのだろうか。
今軽トラが走っていった方向とは反対を歩き出す。
次回投稿予定日は5月13日(日)です。




