二人の高校生Ⅱ
すみません。予約掲載機能の使い方に失敗していまったようで、投稿が遅れました。
今後このようなことのないよう気を付けさせていただきます。
申し訳ありません。
それと今更ですが、ブックマークの登録ありがとうございます。
「は。つまるところ復讐ってわけね。くだらねえ」
少女ーシャウがこれまであらましを話すと創は鼻で笑った。
しかしシャウはそれを鼻で笑う。
「は。そんな私的なこと、相手から申しでない限り手伝わせるわけないじゃない」
「だったらなんだよ」
「話は最後まで聞けってのよ」
不機嫌な創を軽くいなすと、
「いい? 妹はあたしの肉体を使って魔力の保存ポイントにアクセスしようとしたのよ」
「しかし失敗したんだろ?」
「でもその力はあたしの手元にもないの。あいつが無理矢理魔力を掘り返そうとするから抑制力。つまり力をそこに留めておくだけのストッパーが外れ、それは世界へと還元されてしまった」
「……それが?」
怪訝の顔をする創にシャウが吠えた。
「察しが悪いわね! あたしはその力を回収しなきゃ妹には対抗できないの!」
「そうか、そりゃたいへんだな」
「他人事みたいに言ってるけど、あなたにも大いに関係してるんだからね!?」
「は?」
「つまりあなたの体から僅かながらあたしの力が観測されてるってこと」
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創にはこの幼女が言っている意味がわからなかった。自分の体にそのような異形のものが交わっている?
「まさか……俺に魔法が使えるようになったとか」
「別にあなたに魔導士の能力そのもののが使えるようになる訳ではなくてよ。ただ魔導士の力は自律的にエネルギー転換を図る特性も有している。つまり通常の人間にも扱えるようにダウングレードして人に宿るというわけ」
「俺の人間性が失われることではないと?」
「まあね、ただ超自然的な力が使えるという点では普遍性を失ったことにはなるでしょうけど」
シャウはあっけらかんといってるけど、
「でもこれってキミの責任だよな?」
「違うわよ。妹の所為よ。あたしは被害者」
「……く」
あまり公衆の場で見た目年端もいかない幼女に食ってかかるのもアレなので、一旦店を出ることにした。
「なあ、仮にキミの話を信じるとして俺にはどういう能力があるんだ?」
シャウの背を追いながら問うた。
「つい最近、あなた告白されたそうね。それでガールフレンドができた」
「え、ああ。それが?」
「おかしいと思わない?」
シャウがゆっくりと振り向く。
「その子と普段から親しくしている訳でもない異性にいきなり告られるだなんて」
「な、なんでそこまで……」
おもわずといった具合に2,3歩後退する創。
「魔導士って万能なの。ゆえになんでも知っている」
「魔導士コエ―」
「……なんてね。今のはカマをかけただけ」
シャウは年相応らしく舌を出して笑った。
「…………」
「でも図星だったようね」
「……するとあの告白の裏では精神操作的な異能力が働いていたということか?」
「あら、今度は鋭いのね」
「非モテの高校男性舐めんな。そういった類の妄想は昔からよくしてた」
自嘲気味に呟くと創は、シャウを追い抜いて店外へと出ていった。
シャウが追い付くと遠くを眺めている少年の姿が。その背中はさみしい。
「しかし……なんだな。これで皮肉にもキミの話が信憑性を増したってことだな」
「そんな悲しいこと……涙をお拭きなさい」
「泣いてねえ……」
太陽が西に落ちかけたころ、創が尋ねてきた。
「なあ……キミが俺の能力を回収すれば、彼女の洗脳も今すぐにでも解けるのか?」
「生憎、あなたの未確立な力では、数日もすればその子の精神は正常に戻るでしょうね。これまでのエピソード記憶もリセットされる」
「……なんだ」
早かれ遅かれ破綻していたわけだ。
「それとね。あなたの異能の力だけど、実はもう一つあるの」
「そうかい」
「随分淡泊な返事ね」
「いずれにしたって回収するんだろ? どーでもいいよ」
「それが出来たら苦労はしなくてよ」
やれやれとため息をつく。
「どういう意味?」
「あなたの力っていうのは……そうね。運命の約定とでもいうべき存在に縛られてて、今は回収ができないの」
「は? それってもう一つの力ってやつか?」
「異能の力そのものが、とある場面であなたに行使されるために既に決まった運命に従ってあなたに宿ったといえばわかるかしら。しかもその条件を満たさない限りあたしの元に戻ることは決してない」
「こんな目にあってまだ働けっていうのかよ」
愕然と肩を落とし、明後日の方向を見上げた。この街のランドマークであるラクトタワーが見えた。
「この前あたしは予知夢でみたの。もしあなたが動かないと……」
「動かないと?」
「あのタワーが崩壊するわよ」
次回は4月26日(土)の投稿予定です。
時間は11時頃を考えています。
まともに定期更新できていないので、次回以降からはしっかり守りたい…




