二人の高校生Ⅰ
ギリギリの投稿となってしまいました。
あと3日に一度の投稿といってましたが、さっそく日にちを数え間違えている件。たいへん失礼しました。
このままだと日にちのみの定期更新となってしまいかねないので、時間も指定できるようにしたいです。
深夜―シャウは襲撃されていた。
彼女を囲っている犬たちは機を伺っているようで距離を詰めようとはしない。しかしその目は決して獲物から外れることはなかった。
「こんなたくさんの獣に幼子を襲わせるなんてひどい話もあったものね」
シャウの発言に一頭がせせら笑う。
「あら、その割には泣きが入っていないようだけど」
「クー」
その女口調シャウは眉根を顰める。
「こんばんは。姉さん、素敵な夜ですね」
「本当にそう見えるのなら、眼下にでもいくことね」
「えー。友達に囲まれて楽しそうじゃない」
「ほざけ。愚妹が」
シャウが片手を空中にかざすと全ての獣の頭上にサークル状の魔法陣が出現した。シャウの動きに合わせて手刀の分身像がヒットする。
「あーあ、ひどいことするわね。でも流石姉様」
渾沌したはずの獣だが、口だけは動いていた。
「あんたは誰を怒らせたかもう少し考えるべきね。あんたがあたしから奪えた力はほんの一部なのだから」
「あら、そう……。でもそれは認識不足ね」
クーは意味深に続ける。
「あなたの魔力はまだ完全ではない。この意味がわからないわけではないでしょ?」
**********
室街創は浮かれていた。明日は人生で初めて巡り合った彼女との初デート。金曜日で少々混雑している、複合商業施設にてウインドウ・ショッピングに興じていた。
「ああ、ちょっとそこのあなた」
「ん……?」
呼び止めたのは、緑かかった長い髪を揺らした少女。日本人離れしたような容姿をしているが、日本語を流暢に聞こえた。
「俺のこと?」
「ええ。こっちへ来てくれない?」
おいおい、迷子かよ。面倒ごとになりそうな予感を感じ思わず内心呟くと。
「迷子ではなくてよ」
「えっ、口に出てた?」
「魔導士は心が読めるの」
「はあ?」
「いいからついてきて」
創は渋々と後を少女の追っていると、喫茶店の前で立ち止まった。
「立ち話もなんだから入りましょう」
「断る」
ぶすっとしたジト目でにらまれるが、なんのその。
「なにか食べたいもんがあるからといって見ず知らず男を連れ出すのは危ねえぞ。一緒に来た親は? 分からないなら、サービスカウンターまでなら案内してやるから」
「結構。あたしはあなたに用があるの。あと子供扱いすんな」
「どうみてもロリガキじゃん」
そういうと、凄まじい速さでその子供は手を振りぬいた。
一瞬創も後退したが、なにも起こる様子はない。
「幸運だったわね、こんな一目につく場所でなかったら無事じゃすまなかったわよ」
「……な、なにいってんだよ」
「とにかく何時までもごねてないで、あたしと一緒に来るの。いいわね?」
「ヤダね」
「ツゥイル」
「おわっ!?」
小言で少女がつぶやくと、創の脚の自由が利かなくなり己の意思とは別に勝手に歩き出す。
「往生際が悪いのよ。さっさとついておいで」
「待て待て待て!?」
「何名様でしょうか?」
「二名」
「ええー?」
席に座らされると、今度は脚が鉛の様に重くなる。
「逃げようなんて思わないことね」
「……一体なんなんだ、お前?」
「いったでしょう? 魔導士だってそれもとびきり優秀のね」
「……ただのガキがアニメの世界と現実の区別がつかなくなったのとはわけが違うようだな」
「おや、状況把握力があるじゃないか」
「それで俺は厄介ごとに巻き込まれていくんだろ? でもな平時ならおもしろがっていたかもしれないが今はそんなのに構っている場合じゃねえんだよ」
「そんなのとはご挨拶ね。あなたにも深く関わっているというのに」
「へー、そーなの。でもキミとはさっきあっただけなんだけど?」
「あなたからすれば初対面だろうけど、あたしはあなたを知っている。実際にここ何日か監視させてもらっているもの」
「は?」
少女はあろうことかフィルムに現像した写真を取り出し見せてきた。
「これはあなたが隠れて早弁をしているところ。これは保険室でサボっているところ。あとは告白されているところね」
「おいコラ。なんだそれ!」
慌ててひったくるとどれもこれも覚えのある場面が映し出されていた。
「……いつ撮った?」
「知りたければあたしの話を聞いて、最後に『協力します』と快く答えることね」
「こいつ……」
少女は涼し気な顔でレモンティーをすすった。
ちょっと今回の投稿は日時がずれていましたね。すみません。
次回は4月25日(水)に登校予定です。




