2.9.6 魔法の勉強
とりあえずは課題をこなすことにした。
例題から、まずは、魔石から魔力を取り出すことと魔石に魔力を充填させる魔法陣を作ってみた。
まずは該当する例題のまま必要な部分を切り取る。
魔石は大きいほどたくさんの魔力の充填ができる。ある程度よりも小さい魔石は魔力の充填ができない。
魔法陣を書くインクは、魔獣の血を元に作った特別なインクだ。
普通のインクに対して魔力の伝導率が全く異なるらしい。
インクの違いで効果の違いもでるので最高級の魔道具はかなり高位の魔物から採取した血を使うそうだ。
魔石に魔力を充填する魔法陣はあっさり完成した。
例題通りに作り込み、魔法陣に魔力を込めると文字が光った。
それで完成。
そして指定された場所に魔石を置いて指定した場所に手を置く。
すると魔力が吸いだされ魔石に充填されていく。
満タンになると微妙に振動して軽く光った。
魔法陣が完成したのが嬉しくて魔法陣を使って遊び始めてしまった。
どの大きさの魔石まで充填できるのか試したくなった。
単なる子供の好奇心だ。
充填できる魔石は、充填していくと色が濃くなり充填が終わると軽く光り振動する。
充填できない魔石は色が変わらない状態で薄く光りを放ちながら振動するので違いは判る。
大小の魔石でテストしていた時に魔石の大きさが違うと振動の周期が違うことに気がついた。
どうやら小さい魔石ほど振動が速いのだ。
充填できる大きな魔石はゆっくりと揺れる。
小指の先ぐらいの魔石に充填をすると高周波で揺れる。
魔道具を修正して充填する魔力量を変えてみた。
強弱の変化を調べると、魔力量が多いほど強く揺れることが判った。
この振動を利用すれば電動歯ブラシならぬ、魔道歯ブラシが作れるのではないだろうか。
さっそく僕は魔道歯ブラシを作ってみた。
子供のおもちゃといえば粘土だ。
魔石に歯ブラシを貼り付けて魔法陣にセットする。
そして周りを粘土で包み込み乾燥させる。
ボタンのような場所が魔力を供給する場所になっている。
そこに手を触れると予想通り歯ブラシが振動した。
「クインさん、バーニィ。見てみて。魔道具作ったんだよ」
「魔法陣の作り方は教えたばかりですが、もう何か作ったのですか」
「ジャジャジャジャーン。魔道歯ブラシ!」