1.2.5 転生者A
スキルを表示してみたが、詳しく全体の説明を読む時間はなさそうだったので全体をざっと読んだ。
固有スキルの所に【神の眼】と書かれていた。これが神の力か。
ステータスを確認し、魔法スキルの多さに驚いた。
本当にたくさんの加護をもらえたようだ。 メリーナ様ありがとうございます。
私は無意識にメリーナ様に祈った。
「まだ感謝は早いですよ。感謝は次の人生を歩み終えてからで良いですから。私が連れてきたのですからできる限りのことをしてあげます。だからあなたは新しい人生を楽しんでください」
「はい。せっかく頂いた力ですから、新しい人生、楽しませてもらいます」
そして最後の女神から話。
「では、そろそろ異世界渡りの最後の忠告です。まず、他人に神の力を持っていると言っては駄目よ。問われた時は全属性の魔法の才能があると答えなさい。それでも驚かれると思うけど、その程度の才能ならたまにいるから問題ないでしょう。そして同じ転生者に会った時もよほど信用できる人でない限り神の力のことは隠しなさい。この力が貰えた人はほとんどいないの。嫉妬される可能性があるわ。いいですね。それから転生後、暫くはここでの記憶も前世の記憶も無いはずよ。普通は5歳から10歳で目覚めるはずなの。魔法や他の転生者のことは記憶を取り戻した時にまた説明するわ。そして記憶が戻った後は、私を信仰する教会で祈れば話ができるわ。それじゃあそろそろ時間ね。行ってらっしゃい。バイバイ」
笑顔で見送られ白かった目の前は急に暗くなった。
メリーナ様とは違う声が頭の中に響く
『余ったポイントの返還が終わっていません。記憶封印の指示をキャンセルします』
う、苦しい。なんだ。いったいどうなってるんだ。
「オギャー」
『余ったポイントの変換待機時間が過ぎました。指示が無いので自動的にポイントをスキルに変換します』
「オギャー」
何を言おうとしても叫び声になる。もしかして赤ん坊なのか?
『ポイントの高い物を優先的に付与します。特殊召喚を付与します。魔力の可視化を付与します。』
「オギャー」
なに、生まれたところにポンポン言われてもよくわからんって。なんなんだ。ちょっと。
『鑑定を上位鑑定に変更しました。』
『さらにあまったポイントで総魔力量成長補正2倍を10倍に増加、最後のポイントで魔力回復速度2倍を5倍に増加しました』
「オギャー」
『ポイント変換を終了します。転生作業完了です。記憶封印の指示を待ちます』