6.9.4 ジルベール12歳に向けて
シドニアでの卒業式イベントも終わった。
ラルクバッハの卒業式はあまり気にしていなかったが、実は僕の関係者がもう一人卒業していた。
なんと8歳の冬に別れたジャックリーンが学園を卒業していたのだ。
すっかり忘れていた。なんてことはない。
うん、頭の片隅に ちょっとだけあったような気がする。
多分。
そう、その彼が卒業したので彼は即座にラルクバッハへ戻ってくるかと思ったら、成績が良かったらしくリリアーナ母様と同じく文官の上級コースに進んだそうだ。あと2年間ファール様の下で文官としての経験を積んでから戻るらしい。
ラオブールさんの息子で顔つきもそっくり、だからきっとそこそこの成績で帰ってくると言う皆の予想を覆し、奥様のウルラーレ様に似て優秀だったようだ。
もちろん、僕は幼い時に一緒に勉強していたのでジャックリーンがおバカでないことは知っていた。
ような気がする。
そして、春になり第1王子が学園の入学というイベントがあった。
そのイベントとは関係ないが、ようやく虎鉄が顕現した。
なんと、一度受肉しているので、精霊の姿だと実体があった。
召喚期限が無く、ずっといる。
めっちゃかっこよい大人の男性だ。
特別人と違うところは少なく、髪の毛が黒をベースに黄色と白の3色の色合いになっていることぐらいだ。
この世界は髪の色が2色以上の人を見かけないのでそこが特別な感じがする。
虎鉄も、コハクも昔、アロノニア様から人の姿を貰っているから、今もその姿がベースになっているそうだ。
虎鉄は召還状態で妖精体に変化できる。妖精体の状態では模様は虎だが、大きさは30cm程度なのでどう見ても虎猫。
精霊体でずっといるとエネルギーが足りないらしく、半分以上の時間を妖精体で過ごしている。最近はコハクの膝の上に乗ってのんびりとするのをよく見る。
コハクは、虎鉄も戻って来たので契約を終了し王宮を出た。普段は僕と一緒に暮らしているが、週に1度マリアテレーズの教育だけ続けている。
いよいよ第1王子が学園に入学した。
この後は、ルシアナの結婚式に参加するので外国に行く。
ルビースカリナ様が付いて来る。
国王しか知らない秘密が途絶えていたのでそれを伝える。
脱出路、秘宝
翌年にはスザンヌの入学
そしてジルベールの入学
学園生活ではないが待ち構えているのか
こうご期待。 ……?