6.5.4 妹が生まれた
午後から、オブスレイさんと魔道具関係のまとめ役オメガさん。そしてトシアキを入れてどの業務をどう引き継いでいくか話し合った。
一月で引継ぎができるのか不安だったが、全てに人を割り当てるのは無理だが足りない仕事は一時的にオブスレイさんが肩代わりし、その間に人を探すようだ。
そして、話し合いが終わると食堂に行きゴルゴさんに一月後のお別れ会を頼んだ。
そうして、夜になる。
「エイミー、クリスタの買い物は大丈夫だった」
「うん、大丈夫。サミュエルがいろいろ教えてた。今日も夕食は一緒にするって言ってた」
「へー、良い感じなんだね」
やっぱり彼らに押し付けたのか?
まあ、話しぶりからすると、一緒に居たようだが。
「そうそう、修行仲間って感じで受け入れられたよ。午後のスケジュールを調整して勉強はサミュエル達が教えて、剣はクリスタが教えるって感じのことを言ってた」
「そう、いがみ合ってないなら良かったよ」
そうして、眠る前。
いつもは侍女長が挨拶に来るのだけど、今日は珍しくオブスレイさんの妻であるアマリリスさんが来た。
オブスレイさんは執事教育をしながらリリアーナ母様付きの執事の仕事をしているが、アマリリスさんは侍女教育係り専門で、実務はやっていない。
だが、すでにコハクに手伝われて、お風呂も終わり着替えも済んでいる。
「めずらしいですね。アマリリスさんが来るのは」
「ええ、まあ。それでジルベール様、今日はコハク様をアメリ様のお部屋に連れて行きたいのですが」
要件があって、それを伝えて来たようだ。
「ああ、もちろん」
「では、部屋にはエイミーを残しますから、コハク様は連れて行きますね」
「わかった。そろそろなんだね。何かあれば僕も呼んでくれてかまわないから」
「はい、わかりました」
では、と言ってアマリリスさんはコハクを連れて出て行った。
「じゃあ、今日は僕が一緒だから」
「いや、エイミーは僕のベッドじゃなくて隣のベッドに寝なよ」
「えー、ジルちゃんの隣は魔法が効いてるのか静かで寝やすいんだよね」
「護衛なんだから、そんなに音が聞こえないとまずいじゃないの」
「コハクは一緒なのに」
「彼女は防御魔法を使いながら寝てるんだって」
「その寝ながら魔法使ってすごいよね」
「そうらしいね」
「ジルちゃんも寝ながら防音魔法を使ってるんでしょ」
「得意不得意もあるからね。僕は寝ながら防御魔法を使い続けるのは無理かな。でも防音魔法は小さい時から難なく使えたんだよね」
「そんなものなんだ」
「そう、そんなもの」
「ジルちゃんは音が聞こえなくても気配で起きるでしょ」
「そうかな」
「僕も。だから一緒に寝ようね。じゃあおやすみ」
そういってさっと僕のベッドに入り込んだ。
確かに彼女も寝ている時でも殺気を感じて起きるようだし、まあ良いか。
僕は自分のベッドに入り込み、いつも通り情報検索をして魔力を消費してから眠った。