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6.5.1 妹が生まれた

 クロスロードに戻る前に、なぜかルシアナ様が挨拶に来た。春からの付き合いだが、ちょっと王都を離れる程度で挨拶に来るような仲ではなかったと思っていたが、あちら側に用事があるのだろうと、朝の準備中に時間を作って会うことにした。

 準備されている部屋に入ると、すでに僕を待っていた。もちろん二人で。

 そりゃそうか。

 そして、主にサークリンド王子が話をするのだが、僕への謝罪だった。

 どうやら、彼女たちはこの後すぐにアルフォンス王国に行くらしい。急に決まった婚姻なので、いろいろと決めてこないといけないことがあるそうだ。王子は現在学院の最終学年、残り半年は最低でも学園に行かなければならないので、結婚はその後になるそうだ。

 そのために、結婚式に日程なども決めてくるらしい。

 その後でこちらで公爵家として働くことになるので、自分の味方になりそうな人を数名連れてくる手続きもするそうだ。

 なんか良くわからないけどいろいろと一方的にしゃべって行った。

 何だったのだろう。

 その後で、シドニアから連れて来た人達に少しの間王都を離れると連絡をした。

 どうやら、王妃様のお母さま以外は転移門を使って帰るそうだが、まだしばらくの間はラルクバッハで見学をする予定になっており、聞いた感じでは僕が王都に戻ってくるまでは居るそうだ。

 そして、しっかりとエリンともお別れをして王城を出た。


「エリンちゃん連れて行かないの?」

 エイミーが尋ねてきた。

「彼女は今回、勉強のために来ているんだよ」

「あ、そうだった」

 馬車の中でそういうやり取りがあったが、すぐにメリルディーナ公爵家に到着。

 ファールじいちゃんから確認を頼まれた急ぎの書類にサインをしたが、結局夕方近くまでかかってしまった。

 そしてようやく準備を終えたので、僕はクロスロードへ移動をする。


「じゃあ、手を繋いで」

 エイミー、トシアキ、ティアマトとクリスタ、それに今日はマリアテレーズ、エレノアとニナシスティ、最後にコハクと大勢で手を繋ぐ。

「あの、なぜ手を?」


「僕の転移は範囲内の移動はまだできないんだ。手を繋ぐとか接触してないと転移対象にならない」

「転移、え、転移門を使うのではなく?」

「そうだよ」

 ……

 なぜ黙るクリスタ。

 まあ、よいや、納得してくれたと思っておこう。

「じゃあ、手を繋いだね。転移するよ」


 一瞬で景色がかわり、クロスロードの屋敷前に到着。

「ジルベール様、新しいお家の方ではなくてよろしかったのですか?」

「新しい領主館は、お母さまが出産が終わってからってことになったんだ。慣れた旧館の方が安心して産めるって言うからまだこっちにいるんだ。新しい領主館の内装も殆ど終わっているからいつでも移動はできるから、徐々に移してはいるよ。最終的な移動は、暑い夏が終わってからだね」



「じゃあ、お父様の部屋に行けばよいのかな」

 一歩踏み出したところで、トシアキが声をかけて来た。

「ジルベール様はマリアテレーズ様のエスコートを」

「あ、そうだった。マリア、手を」

 マリアの隣にはニナシスティが立ち、こちらを見ていた。

「ニナは新しい家を見てなかったな」

「うん、新しいお家は興味あるけど、慣れたこっちの方で良かった」

「そう、新しい家は連れて行くから安心して」

「うん、じゃなかった。はいお兄様」

 どうやら懐かしい我が家をみて、昔の彼女に戻っていたみたいだ。

「さあ、マリアこっちへ」

 マリアを連れて、屋敷に入ると、侍女が迎えてくれた。



「ジルベール様、少し遅かったですね。もうすぐ夕食のお時間ですので荷物をお預けになって、皆さまも食堂へ移動してください」

 時間は夕方だが、夕食には少しだけ早いと思っていたけど。

「マリア、部屋を確認する? それともこのまま食堂に行って挨拶をする?」

「ご挨拶に伺います」

「じゃあ行こうか」

 荷物を侍女たちに任せて、僕らは食堂へと移動する。

 荷物を預けている間に、先頭はティアマトと手を繋いだニナになっていた。

 エレノアは、淑女らしい姿勢を保ち、僕の後ろに付いたままついて来る。

 あの2人、そんなに仲が良いとは思っていなかったのだけど、いつの間に仲良くなっていたのだろう。

 そういえば、最近のシドニアにいた時以外で、公爵家に居る時や、王城に居る時は僕よりもティアマトの方がニナやエレノアと一緒に居たかもしれない。

 そんなことを考えながら、マリアをエスコートしながら食堂の前に到着した。



新年あけましておめでとうございます。

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