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6.2.5 アルフォンス王国の王子


『お菓子の入れ替えもあったけど、イシスはこれを食べたかったとかじゃないよね?』

『失礼な、じゃがせっかくじゃ、わらわも頂くのじゃ』

『ほら、半分だよ』

 僕はパイを半分に切った。

 ルカディレック王子と、スザンヌは、僕のやっていることは無視して相槌を打って会話をつづけてくれている。

「そのマジックバックを作ったのはジルベール様なのよ。ご存じでしたか?」

「え、このマジックバックを作ったのがこの少年。王族の姫を嫁に取るから実績が必要だと言うのは解るが、さすがにそれは無いだろ。まだ学園にも通っていないのに失われた魔道具を再現したと、まさか」

「ジル様は、とても優秀なのですよ。魔法学だけに関して言えば、この国でもトップレベルですもの」

『ふむ、では頂くとしよう』

「信じられないな。10歳なんてようやく魔法の基礎を習うぐらいだろ。それなのにその年で魔法が使えるだけじゃなくて魔道具が作れるなんてありえないだろ。一体いくつの時に魔法を使えるようになったんだい」

『うむ、うまい』

「ジルベール、どうなんだ」

 イシスを見ていたら、ルカディレック王子の声が聞こえた。

「え、なんでしょう?」

「いや、君が何歳から魔法を使えたのかと言う話だ」

「ああ、そんな話ですか。そうですね、どうだったかな。最初に魔法を教えて貰ったはバーニィで、たぶん3歳になった後の冬ぐらい? だったかな」

『ジルベール、おかわり』

「バーニィと言うと、確か無詠唱で魔法が使えると言うラルクバッハの天才魔導士か。そなたは幼い時から天才の指導を受けていたわけか」

 バーニィはけして教え上手ではないけど。

「すいません、パイはまだありますか?」

 執事に向けて声をかけると返事があった。

「はい。ご用意します」


「そうか、幼いうちから天才に教えをうけ、その年で天才に並ぶ知識を身に着けたのか。と言っても、さすがに盛りすぎじゃないか。なあルカ。この話はどの程度ホントなのだ?

と言うか、今、目の前でパイが消えたな」


「うん、ジルベールがこの国一番の魔法の使い手なのは間違いないが、パイ?」

「いや、パイが。先ほどジルベールのパイの半分がすっと消えたのだが」

「ああ、イシス様ね」

「イシス?」

「精霊ですよ。精霊はお菓子が好きでしょ」

「あ、聞いたことはあるが、いるのか?」

「いますよ」

「ルカは知ってるのか?」

 返事をしたのがスザンヌなのだが、ルカディリック王子に返答を求めた。

「ああ、ジルベールの周りには精霊? がいるな。シドニアに行った時はサフィーナが良くお菓子を与えているのを見た」

「そうか精霊、それって普通なのか?」

「ああ、そうだな。ジルベールの近くにいると普通のことだ。ああ話を戻すか、ジルベールがバーニィから教えを受けたのは間違いないが、彼は致命的なほどに人に教えるセンスが無い。それは副団長になってから判明している事実だ。彼の幼いころの師は、クイン・サイレーン子爵夫人だ。僕もクイン殿に教えを受けたことあるが、とてもわかりやすく教えてくれた」

「そ、そうか。その子爵夫人が魔法を。それでその子爵夫人はマジックバックのような魔法陣にも詳しいのか?」

「基礎を教えたのは確かに彼女だが、彼の周りには沢山の人材が集まっている。近年は元王宮魔導士で魔法陣の専門家だったオメガ殿。そして後は竜の姫」



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