5.13.6 グランスラムの情報
彼らのところを出て、報告書を書いた。
自分のことに関するところは削除して記録を作り夕食の時間になり食堂に行った。
部屋に入った感想は、女性の比率高すぎる空間だなーと言う感想だった。
今日は、席に着いた男性が僕とフィリップ王子だけだ。それは良いのだが、女子が多い。
「アンジェリカが来てくれて助かったわ。書類から解放された安心感からなのか、昨夜はすごくよく眠れたわ」
単に寝不足による疲れだったのではないでしょうか。
今日のエミリア妃は、王女教育を続けているのだろう。普段とは異なり食事の仕方、材料などについていろいろと話をしていた。
ちなみにアンジェリカ様はこの場に居なかった。どうやら公爵や大臣たちと一緒に仕事の話をしながら食事をしているそうだ。そっちは男性ばかりだそうだ。
夕食後に、今日の報告書をスザンヌへ渡して確認をしてもらった。
「得られた情報は多かったのですが、勇者の話を正直に書くとジルベール様のことに繋がるのでごまかすのが難しいですね。ところで、今日の話はマリアにはするのですか」
「いずれした方が良いのだろうね。もう一人の事が解ってからで良いと思ってるんだけどね」
「もう一人。マイアーロッセか、シミュットのことなのかしら。二人とも転生者だとおもうのだけど」
「え、マイアーロッセ様もなの?」
「ええ、以前、マリアがシミュットも転生者かもと言ってたでしょ。だからマイアーロッセのこともそういう目で注意深く見ていたのよ」
「そんな感じがするってこと?」
「はっきりとはわからないけど、あの子も私と同じような賢さがあるのよね。妙に大人びている時とかあるし」
「そうなんだ」
「二人を注意深く見ておきましょう」
「そうだね。じゃあ、今日はこれで部屋に戻るね」
部屋に戻るとコレットさんともう一人の侍女さんが居た。
「あれ、エリン。どうしたの?」
「はい、折角王宮に来たので、侍女体験をすることになりました。コレット先輩には今日一日いろいろと教えて頂きました」
教えてくれる先輩がコレットで良かったのか? とは言えないな。
後輩の前で侍女長に叱られる姿は見せたくないだろうから、もしかしたらプラスに働いてるのか。そう考えると侍女長の考えは正しい?
「この後のご予定は?」
「この後、コハクが来るからそれまでにお風呂を終わらせておきたい」
「え、コハク様が?」
「ああ、今日からこっちで寝るんだって」
「ジルベール様、ここで変な行為はちょっと」
「コレットさん、勘違い。コハクは幻獣。ジルちゃんと寝る時は狐の姿。僕は外で護衛だけど、コハクは中で」
「え、幻獣ですか。あんなにお綺麗な方が?」
コレットもコハクを知ってるんだな。
「エリン、お風呂の用意を」
「では支度をしてきます」