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5.8.1 エミリアの母と

「ジルベール様。そろそろお時間です」

 ステパンの居合切りを時間魔法や瞬転で逃げる練習をしていたが、だいぶ物になったころに訓練終了だった。

 それから部屋に戻り急いで支度をした。


 そして王子と王女と共に案内されたのは王城敷地内の後宮の一つだった。


「今日は娘であるエミリア様、それに孫となる二人の王子が一緒ですから特別に入る許可を頂けました。こちらの庭にある花が一番きれいだということですから、誰でも入れる王宮の庭ではなくこちらの離宮の庭を使うことになったそうです」

 案内されるところに疑問を持っていることをスザンヌが察して、疑問に答えてくれた。いつもながら勘が良い。ありがたいことだ。


 到着すると、ラルクバッハの陛下とエミリア様は先に到着して待っていた。今日はシドニア側の王家のメンバーは誰も来ていない。

 今の王はエミリア様と母親も父親も違う。

 前王の王妃であるエミリア様の母親の場所だからシドニアの王家のメンバーもここには勝手に来れないのだ。

 今日は、エミリア様が親子でゆっくりと話せるように彼らは遠慮したらしい。


 エミリア様の母親はロマーニャと言うそうだ。

 ブリューネワルト公爵家出身の令嬢だ。エミリア様のお父さまであり前国王はすでに他界している。だから今の王様が引き継いでいるのだが。

 20年前、ラルクバッハでは多くの子供が亡くなった。だが、ここシドニアでは大人が亡くなる病気が流行ったそうだ。

 それも平民の間では流行らなかった。

 なぜか魔力の多い貴族、それも35歳以上、特に40代を中心に流行った特殊な病気だったそうだ。


 陛下たちと合流し、離宮の奥へと進む。そして白い大理石の床がまぶしい部屋に通された。建物の中を水路が通り抜け、とても涼しい。というか初夏のこの時期には少し寒く感じるぐらいだ。

 そこに用意されたテーブルに順に座っていく。

 席は端の方だが僕はスザンヌとマリアテレーズの間に座った。

 ロマーニャ様が席に着かれると、一番に話したのは予想外の言葉だった。

「今日は精霊様が居ると聞いたのだけど、どこにいらっしゃるのかしら」

「サフィーナ様の近くと、ロマーニャ様の頭の上の辺りに居ます」

 そう僕が答えた。

「あらそうなの。姿を見せて頂くことができないかしら」

 それを聞いたからなのか、サフィーナ様の膝上にイシスが。そしてロマーニャ様のところにはガルダがふわふわと降りだ。準備万端と言うことか?

「えっと構いませんが、サフィーナ様とロマーニャ様、驚かないでくださいね。すでに膝の上にいますから。じゃあイシス、ガルダ、姿を見せて」

「あら、イシス様はここにいらっしゃったのですね」

「この子がガルダ様なのね。かわいいわ、抱いても大丈夫かしら」

「イシスは人に抱かれても大丈夫、いえ抱かれるのが好きみたいですが、ガルダはあまり触られたくないようです」

「そうなのね。はあぁ、精霊とはこういうのだったのね」

 ロマーニャ様は、ガルダを眺めなるだけでも良いみたいだ。

「おかあさまの、体調はどうなのですか?」


 第1王妃のエミリア様が質問された。


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