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5.7.2 城での訓練

 ティアマトはステパンをいきなり倒すのではなく守りに回っている。どうやら攻撃の手をださせて僕とエイミーが対応できるようにするようだ。

 僕はレベルの上がった空間魔法から派生した空間把握。それに魔力検知と魔力の可視化。それを賢者の能力が統合して予測結果を表示してくれるようになった。

 なんどかステパンの剣を見ることで予測結果の確率値が上がっていく。初見で半分も無かった確率がすぐに8割を超えた。

 そして戦うこと数分。その数分間二人とも身体強化の倍率を最大で動いていたので非常にはやい速度で動き回っていた。だが最後の一撃なのかステパンの足が止まった。剣は鞘に納めて居合切だろうか。そういう構えを取った。

 予測値で剣撃の予測は表示されるがその範囲が広すぎて予測の必要性を感じれない。

 どこにいても当たる。そういう予測結果だった。

 そしてその一撃が放たれた。あまりにも早い。一瞬のことで人の検知枠を超えた速度だ。普通ならば見えることすらかなわない一撃だっただろう。

 それを、空間魔法から派生した時間魔法を使って時間の流れを遅くし剣の軌道を確認した。その途中でティアマトは瞬転を発動させてステパンの反対側に移動し剣を降ろす。

 居合切りが終わった時に剣は鞘に納められていたがステパンの目の前にいたティアマトはステパンの後ろから首に剣を当てた状態となっていた。

 見ることすら困難だった。時間魔法で時を極限まで遅くしてようやく見えた。なのにティアマトは無詠唱で瞬転の魔法を発動させて移動したのだ。あまりの速さに「驚いた」よりも別の言葉を言うことができなかった。

「まいったでござる」

「ふむ、ステパン。そなたなかなかではないか。ジルベールには勝てぬがエイミーの良き相手になるだろう。最後の一撃は魔法を使わぬと言った我に魔法を使わせた。良い剣筋であったと誉めてやろう。そして魔法を使わぬと誓ったにもかかわらず使ってしまった非礼を詫びよう」

「いえいえ、魔法も実力のうちでござる。問題ないでござるよ」

「ではエイミー。相手をしてもらえ。ジルベール始めるぞ」


 僕は久しぶりにティアマトと打ち合いを始めた。

「ジルベールは我が眠っている間にまたいっそう強くなったな。だがその新しい時間魔法はまだまだ使い慣れておらぬようだな。その力を使うにはまだまだ訓練が必要だぞ、魔法が切れた瞬間に体が少し硬直している。普通の者には問題ないが我らのような達人を相手にするときは致命的だ。今は解除する時にかなり距離を取らないといかんぞ。そのままでは使えぬ」

「新しいスキルを覚えたから練習に入れてみたけど、体が硬直するのか、気が付かなかった」

「まあ良い、そのための訓練じゃ。だがそのスキルはエイミー相手ではつらいな。ステパンがいて良かった」


 こうして僕らは、戦っている姿を周りの兵士たち見せながら真剣に訓練をしたのだった。



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